悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

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第130話 王都にお出かけ6

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わたしたちは今、王宮のダンスホールにいる
ダンスホールといっても前の世界でいう体育館以上の広さがあるのだ
そこに国中の名だたる貴族たちが雑然と集合している
もっと規律ある整然とした集まりかと思っていたが割とゆるい感じだな
一応、筆頭の親貴族の後ろに寄子の貴族が爵位順にそしてだいたいの派閥ごとに自然な感じで分かれているらしい
昔は玉座のある謁見の間で高位貴族だけの前で授与式が行われていたようだが、より多くの貴族に周知したいとの王家の計らいで参加の敷居を低くしたとか

「ゴブ・・・」(服が重いゴブ、それにまわりが見づらいゴブ・・・」

わたしはこれでもかとゴスロリファッションで身を包んでいて正面からみるとかろうじて顔が見えるかな?ぐらいに頭から手先まで全身を服で覆われているのだ

「ゴブ」(せっかくきれいに化粧してもらったのにこれじゃ意味ないゴブ・・・)

「うふふ、かわいいですわよミセッティ、昔買ってもらったお人形みたいですわ」

「ゴブ」(体重と同じくらいの重さゴブ、わたしは素材で勝負したかったのに)

これではゴブリンの野生的な良さがちっとも反映されていないゴブ

「王宮でゴブリンの野生味を発揮されたらお母様が卒倒されますわ」

「ゴブ」(分かっているゴブ、わたしはきちんと空気を読める出来る子ゴブ)

「今回は従魔としている私だけでなくコスタリア家の代表として呼ばれているのですから粗相は本当にまずいですからね」

「ゴブ~」(何回も言わなくても分かっているゴブ~今までも粗相はしてないゴブ)

こちらではまだ生誕2か月だが社会人も経験したわたしの社交スキルを舐めるなよ
服が重くてだんだん考えるのもだるくなってきたがもう少し頑張るゴブ

「お集まりの皆様方!国王デン・セントラル陛下のお出ましである、ご静粛に!」

国王陛下の到着の号令がかかったのでそれまで雑談していた貴族たちも一斉に片膝を付いて頭を垂れる
静かになった建物を国王陛下と王妃様だけの靴音が響く

「皆の者、面をあげよ、よくぞまた集まってくれた、今年も我が国は大きな困難も発生せず盤石である、皆の忠誠心と努力に感謝する。今宵より始まる祝賀会をおおいに楽しまれよ、まずは今年大きな成果を上げた者たちに褒章を授与する!大臣!」

「はっ!ではこれより褒章授与を執り行います!今年度の授与者代表はコスタリア侯爵家三女アイラ・コスタリア殿である、アイラ殿と従魔は前に進み出られよ!」

「おお、やはり今年はコスタリアの令嬢が筆頭であったか」
「なんと、まだ年端もいかぬ成人すらしておらん娘ではないか」
「商人たちの噂はまことであったようじゃ、従魔はゴブリンだそうじゃ」

会場が少しざわつく
そりゃ日本でも中学1年生とかが陛下に呼ばれて表彰されたら大ニュースになるよな
そして国王陛下に近づくよう呼ばれたゴブリン(ゴスロリ風)

壇上の国王陛下を見るとトランプのキングのような側面くるくる巻き毛に王冠をかぶったいかにも王様って感じのおっさんが座っていた
このセンス・・・転生者のデザインとかじゃないよな?分かりやすくていいけど
王妃様と軽く目が合ってウインクされた
相変わらずご機嫌ですね・・・いたずらが成功してご満悦といったところですか
一応こっちは前日の夜にだけど情報を入手できて準備してきましたけど

アイラお嬢様とわたしは進み出て陛下おわす壇上の手前で片膝をつく

国王陛下に近いところに立っている偉そうな(たぶんかなり偉い)頭がピカピカの3人はこちらをきつい目で睨んできておられます
なにか色々気に入らない事情でもあったのかな~
大人の男の嫉妬は見苦しいですぞ

「うむ、それでは此度の褒章を授与するにあたり功績を発表する!コスタリア侯爵家アイラ殿は聖女の見習いとして力に目覚められてすぐに自領の兵士たちの治療、またハイブリンガー辺境伯の致命傷からの回復および辺境防衛軍の治療、コスタリア領内において貧民街に蔓延る疫病の治療、また聖水の一般配布による病気の予防と阻止。同じく貧民街の生活向上と町の発展に大きく寄与。また派閥などの関係を越え深刻な問題を抱えた貴族家への無償の奇跡、精霊銀の発見及び市場への供給、希少薬草の安定供給の確立、シャルナリリア大森林共同体のエルフ族七大氏族との交易の開始、王都とコスタリア領の街道の聖魔法の祝福による安全整備、そして公式発表はありませんがかの西方真理教会の内部統制にも深く関わり教会内にて最大派閥を形成しつつあるとの情報も得ております」

次々と読み上げられるアイラお嬢様の成果に聞き入る貴族たちから感嘆の声が上がる

「これは・・・確かに今年の褒章授与の代表となってもおかしくない成果じゃ」
「私もそれなりに情報は掴んでおりましたがまだまだ甘かったですな」
「おいおい・・・東ではそんなことになっていたのかよ、聖女見習いとかウソだろ」

「・・・ミセッティ、私は今読み上げられた成果の半分も知らないですけど」

「ゴブ・・・」(そういえば言ってなかったこともあったゴブ)

わたしも精霊銀のなんたらとか西方真理教会の内部がどうとかは知らないゴブ

「うむ、素晴らしい成果である!よってここにアイラ嬢に紫紺龍褒章を授与する!」

国王陛下の宣言によりざわつきがまた一段と大きくなった
けっこう高い位の褒章をいただいたってことなのかな、知らんけど
またまたピカピカ3人がすごい形相でこちらを見ているし

「皆の者がざわつき、疑うのも無理はない、これほどの成果をこのような成人もしていない令嬢が行ったとは余もにわかには信じられぬ話である!それで褒章を与える前に皆の前で聖女である証を見せてもらおうではないか」

おっと、何だか話がきな臭くなってきたぞ
わたしはちらりとアイラお嬢様の顔を見た
平然とした顔をしているようにみえるが少し眉間が険しくなって動揺しているかも

「ははは、そんなに緊張せずともよい、いつも施術しているであろう奇跡を余の体をもって体現してもらいたいだけじゃ」

なんだ・・・要は皆の前で王様の体を治療しろってことか
聖女の証を見せろとかいうからここでアイラお嬢様が裸にでもなって聖女の刻印があるか調べるとかかと思ってしまったゴブ
聖女の刻印とかがこの世に存在するかは知らんけど

隣りの王妃様がにやついているから王妃様の入れ知恵ですね・・・

「ミセッティ、国王陛下の治療ですわ・・・粗相は本当に本当にまずいですからね」

「ゴッブフ!」(分かっているゴブ、ここは任せるゴブ!)

わたしとアイラお嬢様は壇上に上がらせてもらい、国王陛下の触れられるところまで近づいた
ゴブリンがここまで王様に近づけたというだけで歴史に残るのではないだろうか

「ゴブ~」(持病は持ってないゴブ、あえて言うなら肛門近くに大きなイボ痔が)

「あ~、はいはい・・・イボ痔がありますねと」

「ゴブゴブ」(あとは加齢とストレスによる男性機能の低下、つまり勃起不全ゴブ)

「ぐっ・・・あとは男性としての機能が低下しているのではないかと」

「う、うむその点について多少の悩みは持っておるかの・・・」

国王陛下は自分の症状を当てられて少し驚かれているようです

「ちょっとミセッティ、陛下の前で乙女になんてことを言わすのよ(コソコソ)」

「ゴブ」(鑑定結果で出たからしょうがないゴブ)

壇上にいる王妃様ぐらいにしか聞こえていないだろうしね
隣りの王妃様をみると手に持った扇で顔の下半分を隠してすましておられる
お腹あたりが激しく波打っているから扇の裏で笑いをこらえているのはバレバレだが

「・・・それでは失礼して治療させていただきます、こほん、この世界にあまねく全ての命あるものたちを愛して見守っておられる偉大な創造の女神セレスティア様、我らが信仰心に応えてその力のほんの一滴を敬虔なる信徒に・・・」

「ゴブ」(聖魔法レベル6『復活』パーフェクトヒール)

国王陛下が聖魔法のまぶしい光に包まれていく

「ちょっと~今まだ私が祝詞をあげている途中でしょ、こういうのはカタチからが大事なんだって昨日の夜にお母様と猛練習してきたのに」

「ゴブ」(服も重いし長くてまどろっこしいのは疲れるゴブって、ゴブ!?)

ヒールを掛けていると突然目の前が真っ暗になってズンッと上から押さえらる衝撃が
なんだ?闇魔法か重力魔法か?もしくは両方の攻撃をくらったのか

「ゴブー!」(何だゴブー!目の前が真っ暗で何か重たいゴブ!)

頭を振ってじたばたするとバサッと音がして王冠の付いた側面くるくる金髪が床に落ちている・・・これってさっきまで王様がかぶっていたやつですか

王様の方を見るとさらさらストレートロングヘアーの金髪のが座っている
会場はしーんと静まり返ってしまった

国王陛下がHAGEだったのはもしかして国家機密だったりしたのかな?

コスタリア家の奥方様と旦那様の方を見ると白目をむいて今にも倒れてしまいそうだ

さっきまですごい形相で敵視していたHAGE3兄弟(仮名)は今度は熱い視線でこちらを凝視してきている
王妃様は今度は扇で顔の全てを隠して笑いをこらえているようだ

仕方ないこの混沌とした雰囲気を作ってしまった責任は全てわたしにあるゴブ
わたしは側面くるくる巻き毛(王冠付き)を自分にきちんと装着した
そして両手を大きく掲げて宣言してやった

「ゴブー!!」(ゴブリンキーング!!)

「あの、えっと・・・ゴブリンキング!!・・・だそうです」

さすがアイラお嬢様、しっかりと冷静に翻訳してくれたゴブ
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