悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

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第129話 王都にお出かけ5

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「おお~ワシのかわいい小さな聖女よ、しばらくじゃ!来るのを待っておったぞ」

コスタリア家の王都邸に入ると熊獣人みたいなおっさんがアイラ様を持ち上げている

「おじい様、少し前にも領邸に帰って来られたですわ、久しぶりでもないのです」

アイラお嬢様はひげをぐりぐり押し付けられてイヤそうに顔を離している

「わ~はっはっは、1か月も会わなんだらもう久しぶりじゃわい!馬車旅は疲れたじゃろう、今夜はレイシアも帰ってくるから家族全員が揃うぞ」

「本当ですか!レイシアお姉様もお戻りになられたのですね、会うのが楽しみです」

「まぁ社交シーズンが始まったからのぅ、レイシアにも良き婚約者を見つけてやらねばならん、何故か成人までまだ2年以上あるアイラには婚約の申し出が殺到しておるのじゃが・・・やはり聖女の見習いをしておるというのは噂になっておるのか」

「お父様、そのことは後でゆっくり旦那様も交えてお話したいですわ、まだ内々の話ですが王妃様からもお声がかかっているのです、この度の褒章もその前準備としてアイラちゃんに箔を付ける意味があるように思えてなりません」

奥方様がそっと領主様に耳打ちしている、わたしには聞こえていますけどね

「ううむ、アナスタシア様か・・・最近はまた婦人会の増員宣言もあったしのぅ、何やら色々と動かれておる、派閥を越えた婦人たちの動きは少し不気味じゃわい」

領主様は最近の貴族夫人たちが派閥を越えて活発に交流しているのを不審がっているようだ

「おほほ、お父様達の心配には及びませんわ、皆様それぞれ国のため、領地のため、旦那様のために結束して自身を向上し磨きあげているだけですから」

「うむ、分かっておるが、最近は今まで反目していた庶民派、商業至上派の貴族夫人たちも王妃様と西方真理教会のご機嫌を伺うことに熱心で何か弱みを握られているかのような必死な振舞いだそうじゃ、当主たちも第一夫人の意向は無視出来んじゃろうしな、女同士の熾烈な戦いが水面下で始まっているような気がするわい」

王妃様のとセレスティーナさんの推薦で結構な人たちを少し若くしてあげてるからな~みんなが健康に若くきれいになって喜んでもらえているようだゴブ

王妃派婦人会=西方真理教会アイラ派、ということは公然の秘密だったりする
今や王妃派に対抗していた派閥はほぼ解散し我先に寝返ってコスタリアへの秘密の若返りツアーへの参加を順番待ちにしている
王妃様のご機嫌一つ気分次第で順番が決められるため、夫人たちはなりふり構わず王妃様の元へあの手この手と品を変えご機嫌とりに通っているのだった

「ゴブ・・・」(女社会は大変なんだろうゴブ・・・)

「確かに最近うちの領でもアンチエイジングの話題がよく上がっているようですわ、私は逆に早く大人になりたいと思っていますのに」

「です~早く大人になって背が高くて優しい旦那様と幸せな家庭を築きたいです~」

「あなたたちも15年もすれば健康な若い体のありがたみが分かるようになります」

「ゴブ」(わたしはまだ1歳にもなっていないから分からないゴブ)

~~~~~~
夕食の時間になるとアイラ様のお部屋に凛とした出来そうなメイドさんが伝えにきた

「え~っと・・・ミセッティ様、何でしょうかその目は、何か言いたそうですぅ」

自覚があるならこちらから何も言うことはないゴブ

「ゴブッフ」(やはりメイドにも格の違いはあるのはしょうがないゴブ)

「・・・私は聞こえていませんから、わざわざ伝えませんよ」

「ほら~やっぱり悪口言ってるんですぅ~マリーのかわいい姿に嫉妬してるんだ」

「ゴブフ」(たたずまいと漏れ出る気品の違いにあきれていたんだゴブ~)

「あなたたち、いい加減になさい、今日は領主様もおられるんですからね」

「そうですよミセッティ、この間の勝負ではありませんが私の従魔として粗相の無いようにお願いしますよ」

カタリナさんとアイラ様に怒られてしまったゴブ
まったくぽんこつマリーに付き合うとロクなことがないゴブな

食堂に入るとアイラ様の隣りに子供用の背の高いイスが用意してあった
家族でもない魔物のわたしを同席させてくれるとは王都邸のコスタリア家の皆様もわたしを受け入れてくれているようで嬉しいゴブ
そして領主様の隣りには愛人エルフのシャルルさんが当たり前のように座っている
エルフにゴブリンまで同じ食卓を囲うとはなかなか国際色?豊かですね
領主であるお館様が上機嫌だから全て良しといったところですか

そして今日もコスタリア家は前菜から肉料理です
添えられている野菜は聖水育ちのため苦みがMAXでした・・・
実際は聖水で下処理された魔物肉に浄化野菜と貴重な薬草の超高級料理のようだが

「もう、お館様~お野菜も残さず食べないと健康に長生き出来ませんよ~はい」

「わしは野菜は無くてもずっと健康だったんじゃが、シャルルが言うなら食べるか」

領主様とシャルルさんは人目をはばからずにいちゃついている、いや介護なのかな?
初老のおっさんが自分の娘より若い(実際は年上)女に世話を焼かれてデレデレしていらっしゃいます、男ってどこの世界も同じですな~

「ねぇねぇコスタリア領には男のエルフもいっぱいいるって聞いたわよ~やっぱりきれいな顔をしているんだよね~今度帰ったらお店に行ってもいいかな~」

レイシア様が領主様をうらやましそう見ながら話している

「うちじゃなくて隣りのホーリーウォーター領のお店ですからね、それにそれぞれのエルフには太いパトロンがすでに付いているようですから今更少しの小遣いでどうこう出来るレベルじゃないですわよ、悪いことは言わないから嫁入り前の娘が変な噂がたつことはやめてちょうだいね」

奥方様がレイシア様にあきらめるようぴしゃりと釘をさす

「そういった浮ついた遊び相手じゃなくて将来を考えてもいいような方を見つけてくるようにいつも言っているでしょう、どなたか良い結婚相手はまだ見つかりませんか、あまりぐずぐずしているとお父様、旦那様が婚約のお話を持ち帰ってくるわよ」

「う~ん、私はまだもう少し騎士の道を探求したいだよね~、あえて名前を挙げるならうちの団長かな~模擬戦でも1度も勝てないんだよね、あれはスキルだけじゃないよ、体もしっかり鍛えてるし心理戦も上手いんだよね~」

「あら、いいじゃない。強い男は好きよ、さらに努力家で賢いなら100点ね」

「奥様・・・確かお嬢様の隊の団長殿は子爵家だったはずです、下級貴族から団長に抜擢されたと一時噂になった方ですね、それに最近結婚されていたはずです。侯爵家の令嬢が子爵家の第2夫人、側室になるなどと前代未聞です」

貴族の世界はよく分からないがカタリナさんの言っていることはまともだろう
貴族の格は爵位が1つ変わるだけでかなり大きな差になるようだ
子爵位はまだ下級貴族扱いになるようだし、そこに侯爵家の令嬢が嫁入り、しかも正妻じゃなくて2番目になるのは世間体と常識的にありえないことのようですな

「う~ん、まぁ家の格を言われると難しいのかな~、でも何かこうピピっとくるものがあるんだよね~、何ていうか・・・この人となら強い子供が産めそう的な」

レイシア様・・・さすが脳筋一族の出身だけあって獣の本能・・・失礼、女の本能と直感で強いオスの種・・・失礼、有望な遺伝子を感じ取っておられるのですね

「ふ~む、良いのではないか?その団長とやらの元で強き男子が産まれるのは国にとっても財産になるじゃろうて」

お館様はレイシア様の話に前向きなようだ
こういう身分の差とか関係なく強さを求める感じは結構好きだぞ

「あはは~まずは模擬戦でも1本取ってからじゃないとそういう話は進めてほしくはないですわ、それに今は戦も無く平穏で武勲は立てづらい世の中ですけどきっと何か大きなコトが発生した時は必ず戦功をあげて叙勲されると思います、子爵位で燻ぶられる方ではないと思っておりますわ~」

「あらあら、良い人はいないと言っておきながらレイシアちゃんの気持ちは固まっているみたいじゃない、ママは応援するわよ~」

「もう~私はまだ剣に集中したいんだってば、でも向こうも少しはコスタリア家に興味があるみたいだったわ、ここに帰る前も『レイシア殿の妹御はまだ成人前なのに素晴らしいですね、この度の褒章も最高位の紫紺龍褒章を授与されて代表として王様から直接授与されるらしいね』って言ってたし」

レイシア様がのろけ話のように言った一言に食堂が凍り付いたように静かになった

「・・・その話は本当なのかしら、アイラちゃんが最高位の褒章を授与されてしかも王様から直接手渡されるなんて・・・」

「あちゃ、これはまだ秘密だったかな?騎士団長クラスしか事前に知らないことだったかも・・・まぁ明日のことだしもういいでしょ」

「とんでもないサプライズを用意してくれましたわね王妃様も、今頃ほくそえんでいる様子が目に浮かぶようですわ」

「わ、私が名前を呼ばれるだけでなく王様の目の前まで進むのですか?一応作法は心得ているつもりですが」

はぁ~、王様と対面で謁見ですか~お嬢様も大変なことになったゴブな~

「ゴブ~」(緊張せずに頑張るゴブ~)

「ミセッティ、他人事のように言っていますけど今回の褒章は従魔のあなたも含めて2人で来るように言われていたのですからあなたも一緒に立つのですよ?」

「ゴブ!?」(はぁ!?ゴブリンが王様に近距離で立つゴブか?)

「・・・明日は日が昇ると同時に支度を始めます、特にミセッティちゃんをしっかりと仕上げるのですよ」

「ひぃぃ~まだ明日の用意が残っていて寝るのが遅くなりそうなのに日の出とともに起きるのはつらいですぅ~」
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