悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

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第65話 ゴブリンのお仕事4

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「さあさあ、ゴブちゃん。乙女の悩みをズバっと解決してるそうじゃないか。今回もよろしく頼むよ~」

レイシア様が目をきらきらさせながら顔を近づけてくる。

「まぁ、一目惚れのことを”セレスティア様のいたずら”なんて言いますから男女の好いた惚れたは神のみぞ知る奇跡の世界になるのですかね~。レイシア様は子供の頃からそっち方面のカンは恐ろしく鋭かったですからね~」

マリーがため息まじりでやれやれと両手を拡げてジェスチャーしている。

「そうそう!マリーは分かっているねー!こんなに一途に10年以上思い続けているなんてセレスティア様もいたずらやご慈悲もしたくなるってもんだよ!」

いや、いたずらしたいのはレイシア様でしょ。
そんなにまわりが恋愛に夢中になるのが見たいのかね。
脳筋でカンが鋭く恋愛脳とかトラブルの匂いしかしないぞ。

「ルー君はね~、母上が私たちと同じ軍派閥出身だから訓練にもよく参加してくれてね~。体はまだ成長途中で体格は小さいんだけど一生懸命ついてきてるのがかわいくて、もう”みんなの弟”って感じで面倒みてるんだよ~。珍しく落ち込んでいたから理由を聞いたら一途な思いが叶わないかもって言うもんだから。急いで解決に動いたのさ!」

「ところでレイシア様は彼のことは男性として見てないんですか?」

「あはは~。面白いこと言うね~。かわいい弟に手を出すわけないでしょ~」

哀れ・・・ヘタに顔がかわいいだけにマスコット扱いか・・・。
少し男としてかわいそうになってきたぞ。

「ミセッティ、お姉さまはああおっしゃっていますけど、聖魔法で恋愛の奇跡をおこすなんて聞いたことないですよ。何とか出来るものなのかしら?」

「ゴブ~」(その前に魔法で何とかしていいものゴブか?)

倫理的に問題あると思うゴブ。
この手の話は自分の意思で切り開くことが人生には必要だと思うゴブ。

「ゴブゴブ」(愛する人は魔法なんかに頼らず自分の勇気で勝ち取るものゴブ)

「・・・ミセッティが本人が勇気を出して手に入れるべきと言っていますわ」

「ぶはっ、ミセッティ様。正論すぎます~」

マリーがゲラゲラ笑いだしている。

「そこを何とか頼むよ~。キャンプのみんなには私に任せておけば大丈夫って大見栄きってお休みもらってきちゃったしさ~。何か試すだけでいいからさ~」

「ゴブ~」(そんなの知らんし、無茶言うなゴブ~)

奥方様とはまた違った圧があるゴブ。
後先考えずに行動するところは似ているけど。

「ゴブ」(分かったゴブ。やるだけやってみるゴブ)

恋愛といえばキューピッド的なアレしか思いつかないな。

「ゴブ~」(『ヒールアロー』士気高揚付与 隠蔽付与)

回復しつつテンション上げ上げ、バレないよう隠蔽処置済み。
攻撃魔法じゃないから各種の防御魔法やアミュレットも反応しないはず。
これで見つめあった瞬間にでも打ち抜いてやるゴブ。

「いいねいいね~。あとは2人が近付くいい瞬間がくるのを待つだけだね~」

レイシア様が目をきらきらさせて興奮している。
隣りのマリーも期待に満ちた目で固唾を吞んでいる。
みなさん何だかんだいって恋愛話が好きですな~。

~~~~~~~
「う~ん、見た目も重さもただの銀と変わりはないのですが・・・形を変えても浄化の強さが弱くならないことを発見して板状や糸状にしてみたのは正解だったようです。表面積が大きくなると効果が強くなるようですね」

アリシア様はサイコロほどの大きさの塊を見ながら何か思案されているようだ。

「問題は今まで誰も発見できなかったことですわ。銀貨に混じっていたとの話もありますし、一度お父様に相談して硬貨を製造なさっているカーマイン侯爵領に行って確認しなければ、でも偽造防止の処置をされた金貨ならともかく大量生産されている銀貨を調べるのは難しいかもしれません、何より特別な許可を得た人員だけで製造されているようですし見るだけでも許可がおりるか・・・ぶつぶつ」

「アリシアお姉ちゃん、精霊銀の出処なら父上も気にして探しているようです、東の方面で何枚かの銀貨として流通していたとか」

「本当ですか!これで精霊銀の研究もまた一歩進みそうです」

「よしっ、今だ!」

「ゴブ!」(了解!)

わたしの放った光の矢はゆっくりと放物線を描いてアリシア様へ放たれた。
魔法だから実際は重力に影響されないけど一応弓矢のイメージを損なわないように演出してみたゴブ。
背中ごしだが矢はアリシア様の胸の中心に見事にささった。

「はうっ!」
(何だか胸を射抜かれたような衝撃が・・・それに胸がどきどきして心臓の鼓動が聞こえるぐらいですわ・・・これは一体?)

アリシア様はその場で軽くうずくまってしまわれた。

「アリシアお姉ちゃん?どうされましたか!気分でもすぐれませんか?」

ルー君が慌ててアリシア様の体を支えるように手を差し伸べた。

「くぅ~、いいよ、いいよ~。もう一押しだね~!」

「ゴブ!」(もう1本いっとくゴブ!)

もう一度ヒールアローを放つ。
矢はまたゆっくりと放物線を描きアリシア様の胸へ正確に飛んでいく。

「ええ、少し動悸が乱れましたが問題ないと思います」

アリシア様がルー君の手を取って立ち上がられた。

「ゴブ!」(あっ、今立ち上がったら胸に刺さらないゴブ!)

立ち上がったため矢はアリシア様の腰の近くに刺さってしまった。

「あふぅっ?また!?」
(今度は下腹部に雷魔法のような衝撃が?それに・・・熱いですわ。手を握られただけで・・・まさかこれがお母様たちが言っていた女の本能の目覚めだというの?)

「お姉ちゃん!ふらついていますよ!大丈夫ですかっ?」

「・・・アリシア」

「えっ?」

「お姉ちゃんなんて言わないで・・・アリシアと呼んで」

「えええっ!?」

何だか当たりどころが悪かったようでアリシア様がふらついてしまったようだが回復効果の魔法だし問題はないはずゴブ。

「きゃー!見て見てあのアリシア様のお顔!完全に恋する乙女よ!成功ね!」
「ひゃ~、見てるこっちが恥ずかしくなるぐらい見つめあってます~」

レイシア様とマリーはおおいに盛り上がっているな。
もう1本いっとくゴブか?

「もうやめなさい」

アイラお嬢様はいつも冷静ゴブ。恋したことがないゴブか?
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