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痴漢退治4
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ソラから悪の組織の女幹部みたいだと言われてしまいました。
悪の組織の女幹部といったら、アレです。
ボンテージみたいなきわどい衣装を着て、手下どもをこき使う人のことです。
私はそんな痴女ではありません。
人前でそんな恥ずかしい衣装なんか着ません。
ひどい誤解です。
ソラの言葉に私は泣きそうです。
「悪の組織の女幹部というか、レディースの総長みたいだな――」
「うるさい、黙れ」
「ぐえっ!」
私が泣きそうになっているというのに、リクが追い打ちをかけてくるので、思わず手が出てしまいました。
腹パンを食らわせたリクがうずくまります。
か弱い女の子のパンチを受けたくらいで、大袈裟です。
力だって、そんなに入れていません。
気が抜けているところへ、死角から鳩尾を狙っただけです。
「リク君、大丈夫!? また、先輩達に殴られたの!?」
そんなことをしていたら、リクに駆け寄る女子生徒がいました。
サオリです。
「な、なんでもない」
「そう? 肩を貸してあげるから、教室に行こ?」
「わ、悪いな」
リクがサオリの肩に腕を回しながら、自分の教室に入っていきます。
なるほど、アレが狙いだったようです。
痛いフリをして、合法的に女子と密着したかったのでしょう。
さすが非童貞は抜け目がないです。
いついかなるときでも、隙あらば発情します。
けど、ソラの教育に悪いので、朝っぱらから発情するのは控えて欲しいものです。
「先輩に殴られたって言っていたけど、リク、喧嘩でもしたのかな?」
ソラはサオリの肩を借りて教室に入るリクを、心配そうに見送ります。
リクが発情していることには気付いていないようです。
どうか、そのままの純粋なソラでいて欲しいものです。
さて、色々あって、今日はいつもより遅くなってしまいました。
チャイムは鳴っていませんが、あまり時間に余裕がありません。
「じゃあ、僕も自分の教室に行くね」
「ええ。お昼に会いましょう。今日のお弁当も自信作よ」
私とソラもそれぞれの教室に入ります。
席について授業の支度をしていると、クラスメイトのサチコが話しかけてきました。
「ねえ、キララ」
「なに?」
サチコはなぜか神妙な顔をしていました。
なにかを言うのを迷っているような雰囲気です。
けれど、決心したのか訊いてきました。
「キララの家って、もしかして、ヤ○ザだったりする?」
「…………」
「校門のところから見ていたんだけど、護衛の子分っぽい人達を引き連れていて、なんだかヤ○ザのお嬢って感じだったから」
ひどい誤解です。
私の家は、ごくごく平凡な中流階級の家庭です。
「…………違う」
サチコの質問には、そう答えました。
嘘偽りない、純然たる事実です。
しかし、サチコは口には出しませんが、なんだか疑わしそうな視線を向けてきています。
その視線を受け止めながら私は思いました。
あの連中にはお仕置きが足りなかったようです。
*****
お昼休みになりました。
私はお弁当を二つ持ってソラの教室に向かいます。
クラスメイトのサチコも一緒です。
お弁当を広げたところで、サチコが世間話を始めます。
「朝はびっくりしたよ。キララの後ろに怖そうな先輩達がいるんだもの。でも、キララじゃなくて、リク君についてきていたのね」
「あれ? そうなんだ?」
サチコの言葉に、ソラが初耳だという表情をします。
まだ、ソラの耳には届いていなかったようです。
「そうなのよ」
「へえ」
私はサチコの言葉を肯定すると、ソラはあっさり納得しました。
順調です。
噂は順調に広まっているようです。
ヤ○ザのお嬢疑惑をかけられた私は、あの連中のお仕置きが足りなかったことに気付きました。
しかし、あの連中が新たな悪さをしていない以上、追加のお仕置きをするわけにはいきません。
そこで私は考えました。
あの連中は私についてきたのではありません。
リクについてきたのです。
サッカー部の先輩達らしいので、その方が自然です。
『姐さん』とか言っていましたが、きっとそれはリクの愛称です。
私はそのことをサチコに伝えました。
友達が多いサチコは、それを友達に伝えました。
お弁当を食べ始めてほどなく、リクが取り巻きの女子と一緒に購買で買ったパンを持ってやってきました。
いつものように、断りもなく隣に座って食べ始めます。
けれど、今日はどことなく元気が無いようです。
「なあ……」
「なに?」
しばらく無言で食べていましたが、リクが話しかけてきました。
元気が無いのに邪険にするほど、私は血も涙もないわけではありません。
返事をして話を聞いてあげることにします。
「俺が入学早々先輩達をシメたっていう噂が流れているんだが……」
「ふーん」
「…………はあ」
せっかく相槌を打ってあげたというのに、リクは溜息をつきました。
悪の組織の女幹部といったら、アレです。
ボンテージみたいなきわどい衣装を着て、手下どもをこき使う人のことです。
私はそんな痴女ではありません。
人前でそんな恥ずかしい衣装なんか着ません。
ひどい誤解です。
ソラの言葉に私は泣きそうです。
「悪の組織の女幹部というか、レディースの総長みたいだな――」
「うるさい、黙れ」
「ぐえっ!」
私が泣きそうになっているというのに、リクが追い打ちをかけてくるので、思わず手が出てしまいました。
腹パンを食らわせたリクがうずくまります。
か弱い女の子のパンチを受けたくらいで、大袈裟です。
力だって、そんなに入れていません。
気が抜けているところへ、死角から鳩尾を狙っただけです。
「リク君、大丈夫!? また、先輩達に殴られたの!?」
そんなことをしていたら、リクに駆け寄る女子生徒がいました。
サオリです。
「な、なんでもない」
「そう? 肩を貸してあげるから、教室に行こ?」
「わ、悪いな」
リクがサオリの肩に腕を回しながら、自分の教室に入っていきます。
なるほど、アレが狙いだったようです。
痛いフリをして、合法的に女子と密着したかったのでしょう。
さすが非童貞は抜け目がないです。
いついかなるときでも、隙あらば発情します。
けど、ソラの教育に悪いので、朝っぱらから発情するのは控えて欲しいものです。
「先輩に殴られたって言っていたけど、リク、喧嘩でもしたのかな?」
ソラはサオリの肩を借りて教室に入るリクを、心配そうに見送ります。
リクが発情していることには気付いていないようです。
どうか、そのままの純粋なソラでいて欲しいものです。
さて、色々あって、今日はいつもより遅くなってしまいました。
チャイムは鳴っていませんが、あまり時間に余裕がありません。
「じゃあ、僕も自分の教室に行くね」
「ええ。お昼に会いましょう。今日のお弁当も自信作よ」
私とソラもそれぞれの教室に入ります。
席について授業の支度をしていると、クラスメイトのサチコが話しかけてきました。
「ねえ、キララ」
「なに?」
サチコはなぜか神妙な顔をしていました。
なにかを言うのを迷っているような雰囲気です。
けれど、決心したのか訊いてきました。
「キララの家って、もしかして、ヤ○ザだったりする?」
「…………」
「校門のところから見ていたんだけど、護衛の子分っぽい人達を引き連れていて、なんだかヤ○ザのお嬢って感じだったから」
ひどい誤解です。
私の家は、ごくごく平凡な中流階級の家庭です。
「…………違う」
サチコの質問には、そう答えました。
嘘偽りない、純然たる事実です。
しかし、サチコは口には出しませんが、なんだか疑わしそうな視線を向けてきています。
その視線を受け止めながら私は思いました。
あの連中にはお仕置きが足りなかったようです。
*****
お昼休みになりました。
私はお弁当を二つ持ってソラの教室に向かいます。
クラスメイトのサチコも一緒です。
お弁当を広げたところで、サチコが世間話を始めます。
「朝はびっくりしたよ。キララの後ろに怖そうな先輩達がいるんだもの。でも、キララじゃなくて、リク君についてきていたのね」
「あれ? そうなんだ?」
サチコの言葉に、ソラが初耳だという表情をします。
まだ、ソラの耳には届いていなかったようです。
「そうなのよ」
「へえ」
私はサチコの言葉を肯定すると、ソラはあっさり納得しました。
順調です。
噂は順調に広まっているようです。
ヤ○ザのお嬢疑惑をかけられた私は、あの連中のお仕置きが足りなかったことに気付きました。
しかし、あの連中が新たな悪さをしていない以上、追加のお仕置きをするわけにはいきません。
そこで私は考えました。
あの連中は私についてきたのではありません。
リクについてきたのです。
サッカー部の先輩達らしいので、その方が自然です。
『姐さん』とか言っていましたが、きっとそれはリクの愛称です。
私はそのことをサチコに伝えました。
友達が多いサチコは、それを友達に伝えました。
お弁当を食べ始めてほどなく、リクが取り巻きの女子と一緒に購買で買ったパンを持ってやってきました。
いつものように、断りもなく隣に座って食べ始めます。
けれど、今日はどことなく元気が無いようです。
「なあ……」
「なに?」
しばらく無言で食べていましたが、リクが話しかけてきました。
元気が無いのに邪険にするほど、私は血も涙もないわけではありません。
返事をして話を聞いてあげることにします。
「俺が入学早々先輩達をシメたっていう噂が流れているんだが……」
「ふーん」
「…………はあ」
せっかく相槌を打ってあげたというのに、リクは溜息をつきました。
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