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第二章
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しおりを挟むこ、怖かった…。
何とかリーシェの真似をして下の階へ飛び降りることができた。
「凄いですよお嬢様」
「ありがとう…」
「お怪我はありませんか?」
「えぇ。平気よ…急ぎましょう」
「はい」
本当は腰が抜けそうだし、まだ心臓がバクバクいってるけど…心を落ち着かせている暇は無い。
「………人の気配はありません」
「なら、行きましょう」
扉から足音などを確認するリーシェ。
本当に侍女に見えないが、それが今はとても頼りになる。
扉を開けて辺りを見渡すも、ここは空き部屋なのか人が見当たらない。
これは好都合だ。
見つからないことを願って、飛び降りた部屋を後にした。
けど、最悪なことにこの王城の中が全くわからない。
出口を探すにもそれらしきものはなく。
ただ、人気を感じる場所へ近づいているのはわかった。
「お嬢様…ここはどこなのでしょう」
「私もわからないわ…とにかくみつからないように動きましょう」
「はい。…人気を感じない方へ行くのが良いのでしょうけど、それだと出口から遠ざかっている気がします」
「…では人気のある方へ行くしかないわね」
「はい」
人の目に触れられるのは避けなくてはいけないのだが、この短時間で王城内全ての人間が私を認知しているはずがない。
そもそも私が誰かすらわからないだろう。
少なくとも、私が知っている人でなければ大丈夫のはずだ。
そう思いながら歩いていたはずなのに、後ろからいきなり声をかけられてしまった。
「ちょっと…!」
この声には聞き覚えがある。
けど、名前がでてこない。
「貴女よ。オルティアナ公爵令嬢」
声のする方向を見ると、見覚えのある人がいた。
豪華なドレスを見るあたり公爵令嬢の一人だろう。
「…何でしょうか…?」
「貴女…どうやって王子に取り入ったのかしら?」
「はい?」
何を言っているんだこの令嬢。
取り入る?
何もしてませんよ。
「何も…していないのですが」
「嘘おっしゃい。私が挨拶に言ったときにはすでに婚約者を決めたとおっしゃられたわ。私は挨拶の順番は二番目なの。そうしたら一番目の貴女しかいないじゃない!」
「…」
あの男!
何勝手に言いふらしているの!?
何度も言うけど、私は同意をしていないのよ!
「オルティアナ家の令嬢なんて相手にもされないだろうから一番でも大丈夫と思って何も言わずに大人しく二番目を受け入れたけど、こんなことになるだなんて…!」
本当に、相手にされたくなかったです。
「貴女が選ばれるなんておかしいわ!」
自分でもそう思う。
普通、傍から見たら完全に殿下の人選ミスだ。
けど、前世が絡んでしまえば話が違う。
「落ちこぼれのオルティアナ家よりも、我がギャルツ家の方が王家に相応しいわ。さらに言えば、貴女よりも私の方が王妃に絶対に相応しいのよ」
そう言い切られた。
その言葉は何も間違っていないと思う。
「私もその通りだと思いますわ」
「え?」
「殿下は何か勘違いをなされている…。おそらく、決めた婚約者というのは私ではなくギャルツ公爵令嬢様の方なのではないのでしょうか」
「で、でも。確かに貴女だと殿下が」
「それは聞き間違いなのですよ、きっと。…少なくとも私は婚約者になると言っていません」
「まぁ…!本当に?」
「はい。ですから、殿下の婚約者はギャルツ公爵令嬢様ですよ。私ではありません」
「そ、そうよね!私もそう思いますわ」
「はい。私は場違いと感じてて…もう帰ろうかと思っていましたの」
「まぁ…そんなことまで考えてらしたの?…申し訳ないわオルティアナ公爵令嬢。私貴女のことを色々と勘違いしてしまって」
「いえ。平気です」
「そう…?」
「はい…。それよりお聞きしたいことが」
「?何かしら」
「あの…出口はどちらで?」
「まぁ!貴女迷ってらしたの?」
「えぇ…まぁ」
「ならこっちよ。案内するからついてらっしゃい」
上手い感じにギャルツ公爵令嬢を納得させてしまったけど、これで良いはず。
ギャルツ家なら王家にも十分相応しいのは間違ってないし。
案内もしてくれるようだし、凄く助かった。
「お嬢様…嘘しか言ってないですよね?」
リーシェがぼそりと呟いたけど聞こえないフリをした。
王城脱出まであと少し…!
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