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第二章
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しおりを挟む騎士の格好をした謎の男二人は、あきらかに私達の味方ではない。
「まぁ…動きが良いと言っても我々の敵ではないでしょう」
「…」
剣を振りかざした男が無言で頷く。
「な……」
ギャルツ公爵令嬢は驚きのあまり、動くことができずにいた。
もちろん、リーシェやヒルユも。
「…やりなさい。手短に済ませるのですよ」
「…」
それを合図のように、再び男が斬りかかってきた。
「きゃああ!」
「っ!」
ギャルツ公爵令嬢に斬りかかろうとしたので、私が彼女を思い切り突き飛ばす。
「ちっ……まずはお前だな」
男がターゲットを私に変えた。
「お嬢様!お逃げください!」
「…」
リーシェの叫びが聞こえる。
だか、間に合わない。
普通私ならここで斬られて死んでしまうのだろ。
でも…普通じゃない。
こっちは前世持ちの変人だ。
私はこの世界にはのんびりするために転生したつもり。
…まだまだのんびりしたりない!
前世分までのんびりすると決めた。
こんなことで死ぬわけにはいかない。
少しずるいかもしれないけど、前世の力をフルで使わせてもらう。
「死ね」
「お嬢様!!」
「…こんなところで死ねないから」
斬りかかってきた男を寸前で躱し、足を振り上げて脇腹にかかとを落とす。
護身術を始めとした武道も前世で修得済み。
剣なんて無かったけど、この男はそんなに強くない。
「っ!」
「お嬢様っ…!」
「あなた…何者です」
「何者って……別にただののんびりしたい令嬢ですけど」
「お嬢様…本音がもれてますよ」
「令嬢?…よく見ればあなたもドレスを着ていますね」
それってよく見ないとわからないってことよね…。
まぁ、いいのだけど。
「…こんなことして、何が目的なのかしら」
「…今から死ぬ人間に言う必要はありません…ねぇ?」
今度は、周りから気配を消していた男達があらわれる。
「!」
「なんなのよ!」
「ふふ…我々の目的など知る暇もなく息をひきとりなさい。まずはあなたからです」
「お嬢様!」
この周りにいる男達はさっきのやつと格が違う…。
勝てる保証は…無い。
「…楽に死なせてやろう」
そう言いながら、思わぬ早さで男の一人が剣を私に振りかざした。
「お嬢様ー!」
リーシェの叫びだけが聞こえる。
「…っ」
キイィン!
嫌な金属音が聞こえる。
それと同時に私の腰が誰かに引き寄せられる。
「…遅くなってしまい誠に申し訳ございません」
それは聞き覚えのある声。
口調は、間違いなく彼だ。
「…殿下」
「そこは赤月と呼んでもらいたいものですが…他の人もいますし良しとしましょう」
「…随分余裕ね…」
「余裕…?いえ、内心焦っていましたよ。我が愛しきお嬢様に傷が一つ…かすりでもついたら、つけた人間は来世まで呪い殺しますから」
「……もうやだ…」
「…怪我はありませんね」
当然会話は周りに聞こえぬように小声で行っているのだが、そのせいで殿下
────赤月との距離が異常に近い。
いや、離れて!?
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