天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第二部「ハルコン青年期」

48 ハルコン、王都に帰還する_08

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   *          *

「何でも、此度(こたび)の旅団を『神軍』と称する者もおるということだが、……」

 ラスキン国王陛下はそう仰って、私(ハルコン)の目の色をちらりとご覧になられた。

「え、えぇ。旅団の参加者の中には、中年の一級剣士や弓使いの女エルフ、こちらの元女盗賊や『半次郎』といった、伝説(レジェンド)級の戦闘力の持ち主の面々が、ズラリと揃っておりますので、……」

 そう申し上げたハルコンにとっても、この4人の活躍があったからこそ、ほとんど無傷で旅団が維持されているんだと思っていた。
 そんなことを前提に、こちらが陛下にそうお伝えしたところ、……。

「そこなのだ、ハルコン殿!」

「えっ!?」

「貴殿は、ご自身の実力(ちから)というものを、過小評価しているきらいがあるのだ。我(われ)はそう常々申しておるのだぞ!」

 陛下に、そんな風に仰られてもさ。こっちとしては、皆さんの活躍のおかげで、こうして私の仕事を助けて貰っているって認識なんだよね。
 だから、私自身の能力(ちから)には、過信もなにもないっていうのが本音だよ。

「そう仰られても、……」

「ふむ。では、相手を変えるとして、……。『半次郎』殿。貴殿はサスパニアのイッシャラー首相の指示で、ハルコン殿の補佐をされている、……。そういう認識で相違ないか?」

 あれっ? 陛下が私にではなく、「半次郎」に話を振っちゃったけど、……。
 ハルコンはそう思って、そちらを見た。

「うんにゃ。陛下。私はハルコンに命を助けて貰ったから、くっ付いているだけだよ!」

 なるほど。コイツは、国王陛下相手にもタメ口(ぐち)を決め込むらしい。さすがは、関西軍最恐の殺し屋だけあって、度胸も相当なもんだねとハルコンは思った。

「ほう。ならば、ハルコン殿のお使いになるスキル『マジックハンド』。そちらの国の首相官邸に、岩石を雨あられと降らせたそうだが、……。それは、どう思うかね?」

「う~ん。そうだなぁ」

 しばしの間、「半次郎」は腕組みして考え込んだ後、……。

「うん。やっぱ『神』ってるって思った!」

 そう言って、ニッコリと笑った。

「なら、私からも改めて問うが、……」

 間髪挟んで、宰相も「半次郎」に訊ねてくる。

「なぁに?」

「此度の旅団でも、岩石落としをハルコン殿がされたとか。貴殿はどう思われたか?」

 宰相の質問の言葉に、陛下も横で「ふむ」と仰って、ひとつ頷かれた。

「う~ん、そうだなぁ、……。まぁ、ハルコンだから、……としか」

「……。なるほどのぅ。ハルコンだから、……か」

 陛下も「半次郎」のとぼけた言葉に、どこか納得できるものがおありになったのか、……。
 ご自身もそう仰ってから、生暖かい笑顔で、再びこちらの方をご覧になられた。
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