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第二部「ハルコン青年期」
49 コリンドの風景_11
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* *
「旅団員ども、耳をかっぽじって、音にも聞けっ!! 我らが敬愛するハルコン殿が、此度(こたび)もまた、奇跡を起こしなさったのだぁ――っ!!」
中年の一級剣士に引き続き、元女盗賊まであえて標準語で声を張り上げると、旅団はいつもの秩序を取り戻す。
「凄いですわね、……。女性でも、あんな豪胆な方がハルコンのお知り合いにはいらっしゃるのですね!」
ステラ殿下がさも感心したように頷くと、シルファー殿下も、「でしょっ! 凄いよねっ!」と仰って、共に興奮されているご様子だ。
すると、……。
「『神軍』の諸君っ、勝どきを上げろぉぉ―――っっ!!」
続けて「半次郎」の、空気を割いて天高く届くような絶叫の後。
「「「「「「「「「「うらあああああぁぁぁ――――――っっっ!!!」」」」」」」」」」
旅団全団員による雄叫びが、コジカ辺境伯領の領都ミオン近くを轟かせた。
その光景をご覧になった両殿下は、「凄いっ、凄いっ!」を連発なされた。
「あっ、そぉ~れっ、ハッ・ルゥッ・コォンッ! あっ、そぉ~れっ、ハッ・ルゥッ・コォンッ!、……」
まるで、雄鶏が牝鶏の前でチャントでもするかのように、振り付けたっぷりで、元女盗賊と「半次郎」の2人が「道化」を演じて踊り出すと、……。
続けて、大型獣人のゴリネルとトラコの2人も加わって、4人が率先して場を盛り上げていった。
「「「「「「「「「「ハッ・ルゥッ・コォンッ! ハッ・ルゥッ・コォンッ! わああああああぁぁぁ――――――っっっ!!!」」」」」」」」」」
まさに、割れんばかりの歓声。
旅団全体がゾーンに入ったように興奮状態に陥り、まさに沸点に達したのだ。
「ねぇ、……。こんなの見て、どう思うハルコン?」
半ば呆れたというか、……。目を細めて何かを逡巡したような表情のミラが、私(ハルコン)に訊ねてきた。
「えっ、い、いやぁ~、参ったなぁ、……」
「……、だよね」
ミラは再び、目の前で繰り広げられている大騒ぎに目を向けた。
まぁ、……そうだよね。
これ以上、私が女神様から頂いたチートスキルをポンポンと使っていたら、もう誰も私のことを一人の人間として扱ってくれなくなる。
つまり、私は「神の御使い」として特別枠に置かれてしまい、もう仏壇や神棚の偶像のように、ず~っと崇め奉られるだけの存在と化してしまうのだ。
前にも皆さんが仰っていた、「だって、ハルコンだから、……」というセリフには、もうこれ以上考えても仕方ないよね、という諦めにも似たニュアンスが大いに含まれていた。
私はその辺りの空気を、ただただ笑顔で受け容れ、周囲(まわり)の望むハルコン像を演じ続け、今日に至っている。
そんな微妙な空気を、ミラは幼馴染として、素直に心配してくれているのだとハルコンは思った。
「ありがとうね、ミラ」
「う~ん、……まぁね」
ミラの横顔は、ただ目の前の光景に向けられていた。
「旅団員ども、耳をかっぽじって、音にも聞けっ!! 我らが敬愛するハルコン殿が、此度(こたび)もまた、奇跡を起こしなさったのだぁ――っ!!」
中年の一級剣士に引き続き、元女盗賊まであえて標準語で声を張り上げると、旅団はいつもの秩序を取り戻す。
「凄いですわね、……。女性でも、あんな豪胆な方がハルコンのお知り合いにはいらっしゃるのですね!」
ステラ殿下がさも感心したように頷くと、シルファー殿下も、「でしょっ! 凄いよねっ!」と仰って、共に興奮されているご様子だ。
すると、……。
「『神軍』の諸君っ、勝どきを上げろぉぉ―――っっ!!」
続けて「半次郎」の、空気を割いて天高く届くような絶叫の後。
「「「「「「「「「「うらあああああぁぁぁ――――――っっっ!!!」」」」」」」」」」
旅団全団員による雄叫びが、コジカ辺境伯領の領都ミオン近くを轟かせた。
その光景をご覧になった両殿下は、「凄いっ、凄いっ!」を連発なされた。
「あっ、そぉ~れっ、ハッ・ルゥッ・コォンッ! あっ、そぉ~れっ、ハッ・ルゥッ・コォンッ!、……」
まるで、雄鶏が牝鶏の前でチャントでもするかのように、振り付けたっぷりで、元女盗賊と「半次郎」の2人が「道化」を演じて踊り出すと、……。
続けて、大型獣人のゴリネルとトラコの2人も加わって、4人が率先して場を盛り上げていった。
「「「「「「「「「「ハッ・ルゥッ・コォンッ! ハッ・ルゥッ・コォンッ! わああああああぁぁぁ――――――っっっ!!!」」」」」」」」」」
まさに、割れんばかりの歓声。
旅団全体がゾーンに入ったように興奮状態に陥り、まさに沸点に達したのだ。
「ねぇ、……。こんなの見て、どう思うハルコン?」
半ば呆れたというか、……。目を細めて何かを逡巡したような表情のミラが、私(ハルコン)に訊ねてきた。
「えっ、い、いやぁ~、参ったなぁ、……」
「……、だよね」
ミラは再び、目の前で繰り広げられている大騒ぎに目を向けた。
まぁ、……そうだよね。
これ以上、私が女神様から頂いたチートスキルをポンポンと使っていたら、もう誰も私のことを一人の人間として扱ってくれなくなる。
つまり、私は「神の御使い」として特別枠に置かれてしまい、もう仏壇や神棚の偶像のように、ず~っと崇め奉られるだけの存在と化してしまうのだ。
前にも皆さんが仰っていた、「だって、ハルコンだから、……」というセリフには、もうこれ以上考えても仕方ないよね、という諦めにも似たニュアンスが大いに含まれていた。
私はその辺りの空気を、ただただ笑顔で受け容れ、周囲(まわり)の望むハルコン像を演じ続け、今日に至っている。
そんな微妙な空気を、ミラは幼馴染として、素直に心配してくれているのだとハルコンは思った。
「ありがとうね、ミラ」
「う~ん、……まぁね」
ミラの横顔は、ただ目の前の光景に向けられていた。
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