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第一部「ハルコン少年期」
07 迫りくる危機_05
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* *
同じ頃、中年の一級剣士とその情婦達は、セイントーク領内の温泉保養施設にて、ゆったりとした時を過ごしていた。
ハルコンの目から見ても、施設は華美ではなく適度に落ち着いていて、安らげる空間。
うら若い女中達によって適切に掃除が行われているため、いつでも清潔で真新しい。
美しい琴の音色が、利用客の心を落ち着かせ、世間の喧騒を離れた静謐なスペース。
ハルコンは一級剣士に思念を同調させながら、前世の最後に訪れた天界の神殿の様子と、どこか似ているなぁと思ったりする。
これまでずっと働き詰めだった一級剣士にとって、久々の休暇だ。
豊富な湯に浸かり、凝り固まった身体を丁寧にほぐすことで、心の底から澱のようなものを少しずつ取り除いていく。
最近仲良くなった情婦達と楽しく話したり、笑い合ったり。温かい食事に、適度な酒や飲み物を口に入れるウチに、心が段々と明瞭に満たされていく。
ハルコンはそんな様子の一級剣士に思念を同調させていると、自ずと満ち足りた気分を味わうことができた。
それからしばらくして、回復期間を終えた一級剣士の様子をハルコンが見にいくと、大抵の場合、バトルロイヤル的なプロレスが展開されていた。
タハハハ、……。
ハルコンは目のやり場に困りながら、しばしの間、剣士達の楽しそうなやり取りを観察する。
彼らは昼夜を問わず、何日も何日も。
それは、まるで永久機関の振り子みたい。
全く、……汲めども尽きないこの人達のスタミナって、一体何っ!?
まさか、無限の心臓でも持っているのかなっ!?
毎日毎日、飲んで食って騒いで、……終わりのない饗宴の日々。
ハルコンは心のドアをそっと閉じると、深くて長いため息を吐いた。
季節が変わり新緑の萌える頃、中年の一級剣士は、カイルズの仲介で隣領のシルウィット家に召し抱えられることになった。
カイルズにとって、東方3領の安定化が最大の目的だということを、これまで再三に渡って、一級剣士と女盗賊は聞かされてきた。
現状は、3領のパワーバランスがいつ破綻してもおかしくないと言っていいそうだ。
まだ経験が浅く若いローレルが取り仕切るシルウィット領。カイルズは不測の事態に備え、経験豊富で奥行きのある中年の一級剣士をその地に送り、安定化させようとしていた。
「剣士殿、本来なら我が領で長く警備をお願いしたいところなのだが。ここはローレル殿のシルウィット領に赴き、どうか安定化に尽力して頂きたいのだ!」
「ならば、我が適任であるな。カイルズ殿、しばしの間、我はシルウィット家で厄介になることとしよう!」
「そう言って頂けると、大変心強い! 誠に感謝する次第ですな!」
「我にお任せあれ!」
そう言って、カイルズと一級剣士はお互い笑顔で笑い合った。
同じ頃、中年の一級剣士とその情婦達は、セイントーク領内の温泉保養施設にて、ゆったりとした時を過ごしていた。
ハルコンの目から見ても、施設は華美ではなく適度に落ち着いていて、安らげる空間。
うら若い女中達によって適切に掃除が行われているため、いつでも清潔で真新しい。
美しい琴の音色が、利用客の心を落ち着かせ、世間の喧騒を離れた静謐なスペース。
ハルコンは一級剣士に思念を同調させながら、前世の最後に訪れた天界の神殿の様子と、どこか似ているなぁと思ったりする。
これまでずっと働き詰めだった一級剣士にとって、久々の休暇だ。
豊富な湯に浸かり、凝り固まった身体を丁寧にほぐすことで、心の底から澱のようなものを少しずつ取り除いていく。
最近仲良くなった情婦達と楽しく話したり、笑い合ったり。温かい食事に、適度な酒や飲み物を口に入れるウチに、心が段々と明瞭に満たされていく。
ハルコンはそんな様子の一級剣士に思念を同調させていると、自ずと満ち足りた気分を味わうことができた。
それからしばらくして、回復期間を終えた一級剣士の様子をハルコンが見にいくと、大抵の場合、バトルロイヤル的なプロレスが展開されていた。
タハハハ、……。
ハルコンは目のやり場に困りながら、しばしの間、剣士達の楽しそうなやり取りを観察する。
彼らは昼夜を問わず、何日も何日も。
それは、まるで永久機関の振り子みたい。
全く、……汲めども尽きないこの人達のスタミナって、一体何っ!?
まさか、無限の心臓でも持っているのかなっ!?
毎日毎日、飲んで食って騒いで、……終わりのない饗宴の日々。
ハルコンは心のドアをそっと閉じると、深くて長いため息を吐いた。
季節が変わり新緑の萌える頃、中年の一級剣士は、カイルズの仲介で隣領のシルウィット家に召し抱えられることになった。
カイルズにとって、東方3領の安定化が最大の目的だということを、これまで再三に渡って、一級剣士と女盗賊は聞かされてきた。
現状は、3領のパワーバランスがいつ破綻してもおかしくないと言っていいそうだ。
まだ経験が浅く若いローレルが取り仕切るシルウィット領。カイルズは不測の事態に備え、経験豊富で奥行きのある中年の一級剣士をその地に送り、安定化させようとしていた。
「剣士殿、本来なら我が領で長く警備をお願いしたいところなのだが。ここはローレル殿のシルウィット領に赴き、どうか安定化に尽力して頂きたいのだ!」
「ならば、我が適任であるな。カイルズ殿、しばしの間、我はシルウィット家で厄介になることとしよう!」
「そう言って頂けると、大変心強い! 誠に感謝する次第ですな!」
「我にお任せあれ!」
そう言って、カイルズと一級剣士はお互い笑顔で笑い合った。
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