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第一部「ハルコン少年期」
25 帝都に赴く女エルフ_05
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* *
ハルコンは姉サリナ、ミラ達と久しぶりの食事を終えると、一緒に食堂を出て、廊下を進んでいく。
食堂は比較的照明が多く明るかったものの、廊下は夕闇で少しだけ暗い。
突き当りに着き、男子寮と女子寮に分かれるところで、サリナ姉が優しく声をかけてきた。
「それじゃぁハルコン。ちゃんと食事、ちゃんと睡眠。お風呂もちゃんと入らないとダメだからねっ!!」
「ワカってますって、……姉様」
ハルコンがサリナ姉の世話焼きに多少辟易しながら返事をすると、……姉は、仕方なさそうにため息を吐いた。
すると、ミラがハルコンの手を少し強い力でギュッと握ってきた。
「どうしたの、……ミラ?」
ハルコンが率直に訊ねると、ミラは心配そうな顔をして、眉間に少し皺が寄っている。
「ハルコン、……突然、私達の前からいなくなったりしない?」
「えっ!?」
ハルコンは、ミラが一体何のことを言っているのだろうと不思議に思った。
とりあえず、ニコリと笑えば安心するかなぁと思って、笑顔を向けてみたのだが、……。
「もしかして、……ハルコン。また何かトラブルに巻き込まれたの?」
「何それ!? どうしてそう思ったの?」
その問いかけに、ミラは真剣な面持ちで、相変わらずこちらの右手を掴んで離さない。
「ミラちゃん、……私達女の子は、待つのも仕事のウチよ!」
「……、はい」
サリナ姉は、そう言ってミラの肩にそっと手を添えた。ミラも悄然と頷いている。
「ねぇ、皆さんどうしたの? 私はトラブルに巻き込まれてなんかいませんし、……そんな勝手に心配されても、私が困っちゃいますよぉ!」
幾分、お調子者っぽい声を出して訴えてみた。
すると、女子達は「ぷふぅっ!」と吹き出してしまった。
「ほら、見なさい、ミラちゃん! ハルコンはいつものハルコンでしょ? あんまりこっちばかり心配しちゃったら、ハルコンが可哀そうよ!」
サリナ姉が、いつもの調子でミラの肩をポンポンと叩くと、ミラもこくりと頷いた。
「とにかく、ハルコン。何かあったら私達に直ぐ相談しなさいっ! 私で不満だったら、マルコム兄様や、ケイザン兄様に頼ったらいいわ! だって、私達兄姉弟なんだからねっ!!」
いつになく、サリナ姉の表情が真面目だ。ふとミラを見ると、肩がしょんぼりして見える。
「ホンと、皆さんどうしたんです? こっちまで心配になっちゃいますよ!」
その言葉に、笑顔のままサリナ姉が、するりとハルコンに抱き付いた。
「ねっ、姉様!?」
それから、サリナ姉はハルコンの耳元に口を近づけて、囁き始めた。
「ハルコン、……女子達の間で噂になってるわよ。あなたが万能薬を作ったって。ノーマン(・ロスシルド)に渡して、隣国の姫様に届けたんでしょ?」
「えっ!?」
「女子達のネットワークを、見くびってはいけないよ。私達には、学内で一切の隠し事はできないんだからね!」
ハルコンは、その言葉に一瞬姉の迫力を感じ、背筋がゾクリとした。
「……、はい」
「じゃぁ、話は終わり。お疲れ様、ハルコン!」
サリナ姉は、そう言ってから抱き付くのを止め、ハルコンの身体を自由にすると、ミラ達と共に、女子寮の方に手を振りながら歩いていってしまった。
ハルコンは姉サリナ、ミラ達と久しぶりの食事を終えると、一緒に食堂を出て、廊下を進んでいく。
食堂は比較的照明が多く明るかったものの、廊下は夕闇で少しだけ暗い。
突き当りに着き、男子寮と女子寮に分かれるところで、サリナ姉が優しく声をかけてきた。
「それじゃぁハルコン。ちゃんと食事、ちゃんと睡眠。お風呂もちゃんと入らないとダメだからねっ!!」
「ワカってますって、……姉様」
ハルコンがサリナ姉の世話焼きに多少辟易しながら返事をすると、……姉は、仕方なさそうにため息を吐いた。
すると、ミラがハルコンの手を少し強い力でギュッと握ってきた。
「どうしたの、……ミラ?」
ハルコンが率直に訊ねると、ミラは心配そうな顔をして、眉間に少し皺が寄っている。
「ハルコン、……突然、私達の前からいなくなったりしない?」
「えっ!?」
ハルコンは、ミラが一体何のことを言っているのだろうと不思議に思った。
とりあえず、ニコリと笑えば安心するかなぁと思って、笑顔を向けてみたのだが、……。
「もしかして、……ハルコン。また何かトラブルに巻き込まれたの?」
「何それ!? どうしてそう思ったの?」
その問いかけに、ミラは真剣な面持ちで、相変わらずこちらの右手を掴んで離さない。
「ミラちゃん、……私達女の子は、待つのも仕事のウチよ!」
「……、はい」
サリナ姉は、そう言ってミラの肩にそっと手を添えた。ミラも悄然と頷いている。
「ねぇ、皆さんどうしたの? 私はトラブルに巻き込まれてなんかいませんし、……そんな勝手に心配されても、私が困っちゃいますよぉ!」
幾分、お調子者っぽい声を出して訴えてみた。
すると、女子達は「ぷふぅっ!」と吹き出してしまった。
「ほら、見なさい、ミラちゃん! ハルコンはいつものハルコンでしょ? あんまりこっちばかり心配しちゃったら、ハルコンが可哀そうよ!」
サリナ姉が、いつもの調子でミラの肩をポンポンと叩くと、ミラもこくりと頷いた。
「とにかく、ハルコン。何かあったら私達に直ぐ相談しなさいっ! 私で不満だったら、マルコム兄様や、ケイザン兄様に頼ったらいいわ! だって、私達兄姉弟なんだからねっ!!」
いつになく、サリナ姉の表情が真面目だ。ふとミラを見ると、肩がしょんぼりして見える。
「ホンと、皆さんどうしたんです? こっちまで心配になっちゃいますよ!」
その言葉に、笑顔のままサリナ姉が、するりとハルコンに抱き付いた。
「ねっ、姉様!?」
それから、サリナ姉はハルコンの耳元に口を近づけて、囁き始めた。
「ハルコン、……女子達の間で噂になってるわよ。あなたが万能薬を作ったって。ノーマン(・ロスシルド)に渡して、隣国の姫様に届けたんでしょ?」
「えっ!?」
「女子達のネットワークを、見くびってはいけないよ。私達には、学内で一切の隠し事はできないんだからね!」
ハルコンは、その言葉に一瞬姉の迫力を感じ、背筋がゾクリとした。
「……、はい」
「じゃぁ、話は終わり。お疲れ様、ハルコン!」
サリナ姉は、そう言ってから抱き付くのを止め、ハルコンの身体を自由にすると、ミラ達と共に、女子寮の方に手を振りながら歩いていってしまった。
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