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第一部「ハルコン少年期」
32 姫君ステラ・コリンドの留学 その1_07
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ついに、ステラ第三皇女殿下を乗せた馬車と一行は、王都に到着した。
一行は、現在王都の中心部を移動中だ。
車窓からは整然とした街並み、人々や馬車が多く行き交い、品ぞろえの豊富な店々が軒を連ね、活気のある商人や職人たちのやり取りを見ることができた。
ステラ殿下は目を大きく見張って輝かせながら、街の様子を観察していた。
「とても人が多いですね。ハルコン様、今日はこれからお祭りでもあるのでしょうか?」
いくぶん興奮したご様子で、お訊ねになられてくる。
「そうですねぇ、……いつも街はこんな具合ですよ」
「そうなのですか?」
「はい。ねぇミラ、先週の週末に街まで買い物に出かけたら、もっと人で混んでいたよね?」
「うん。もっと人で混んでた。ごった返していたってくらいな感じかも」
そう言ってハルコンとミラが笑顔でうんうんと頷き返すと、殿下はとても驚いた表情を浮かべられた。
「ホンと、……ファイルド国は、戦後復興が上手くいったのですね」
そう呟かれるステラ殿下。両肩がしょんぼりとした様子に下がっていらっしゃる。
おそらく、コリンド国の現状を憂いているのだろうと思われる。
「ですが、数年前に比べてインフラも整備され、街並みが整然としてきたじゃないですか。こういうのは、時間をかけてじっくりと仕上げていくものですよ!」
「そうですね、ハルコン様。仰るとおりですわ!」
ニコリと微笑まれるステラ殿下に、ハルコンが笑顔で相槌を打つ。その様子に、ミラが怪訝な表情を浮かべた。
「ねぇーっ、ハルコン。キミってコリンド国に出かけたことってあるっけ? ノーマンのロスシルド家なら、最近両国の貿易で足繁く通っているのだろうけど」
そう様子を探るようにこちらの目の色を見てくるので、ハルコンはここで「おっほん」とひとつ咳払いをした。
「ミラさんねぇ、……。私は、今では王立研究所の所長を務めているのだよ。立場上、いろんな情報に触れる機会に恵まれているのさ」
そう言って、ハルコンは少しだけ胸を張った。
「そうでした。ハルコン様のお作りになられた『ハルコンタイプB(仙薬エリクサーの普及版のこと)』のおかげで、私どもの国は大いに助けられているのですよ。ホンと感謝の言葉しかありません」
「ですが殿下、ハルコンはまだ10歳の子供ですよ。昼間は私達と一緒に王立学校で授業を受けている学生なのですから」
ニッコリと笑うミラに、ステラ殿下も「そうでした」と仰って、ニコリと微笑まれた。
そのタイミングで、馬車と一行は広大な王立学校近くの王道に差しかかった。
「見て下さい殿下! こちらが、これからお学びになる王立学校ですよ!」
「広くて、立派な建物ですね。さぞや多くの学生が学ばれていらっしゃるのでしょうか?」
「私も詳しくは把握しておりませんが、全国から選りすぐりの学生を集めていると聞きます」
ミラはあまり詳しくないのか、曖昧に答えた。ここで、すかさずハルコンが間に口を挟んだ。
「殿下、初等部から大学院までで、全学生およそ5000人が学んでおります。大学院を出た後、私の研究所に入所する者も多く、この学校が人材発掘と育成を兼ねていると言えますね!」
「なるほど! 私、これからハルコン様やミラ様と共に王立学校で学ぶことができると思うと、とても待ち遠しいですっ!」
殿下の輝くようなその表情には、まだ幼さの残る半面、皇族としての矜持のような力強さが垣間見られた。
そして、一行を乗せた馬車は王立学校を越えていく。
もうしばらく進むと、今回の旅の目的地、王都の中心部、王宮が徐々に見えてきた。
ついに、ステラ第三皇女殿下を乗せた馬車と一行は、王都に到着した。
一行は、現在王都の中心部を移動中だ。
車窓からは整然とした街並み、人々や馬車が多く行き交い、品ぞろえの豊富な店々が軒を連ね、活気のある商人や職人たちのやり取りを見ることができた。
ステラ殿下は目を大きく見張って輝かせながら、街の様子を観察していた。
「とても人が多いですね。ハルコン様、今日はこれからお祭りでもあるのでしょうか?」
いくぶん興奮したご様子で、お訊ねになられてくる。
「そうですねぇ、……いつも街はこんな具合ですよ」
「そうなのですか?」
「はい。ねぇミラ、先週の週末に街まで買い物に出かけたら、もっと人で混んでいたよね?」
「うん。もっと人で混んでた。ごった返していたってくらいな感じかも」
そう言ってハルコンとミラが笑顔でうんうんと頷き返すと、殿下はとても驚いた表情を浮かべられた。
「ホンと、……ファイルド国は、戦後復興が上手くいったのですね」
そう呟かれるステラ殿下。両肩がしょんぼりとした様子に下がっていらっしゃる。
おそらく、コリンド国の現状を憂いているのだろうと思われる。
「ですが、数年前に比べてインフラも整備され、街並みが整然としてきたじゃないですか。こういうのは、時間をかけてじっくりと仕上げていくものですよ!」
「そうですね、ハルコン様。仰るとおりですわ!」
ニコリと微笑まれるステラ殿下に、ハルコンが笑顔で相槌を打つ。その様子に、ミラが怪訝な表情を浮かべた。
「ねぇーっ、ハルコン。キミってコリンド国に出かけたことってあるっけ? ノーマンのロスシルド家なら、最近両国の貿易で足繁く通っているのだろうけど」
そう様子を探るようにこちらの目の色を見てくるので、ハルコンはここで「おっほん」とひとつ咳払いをした。
「ミラさんねぇ、……。私は、今では王立研究所の所長を務めているのだよ。立場上、いろんな情報に触れる機会に恵まれているのさ」
そう言って、ハルコンは少しだけ胸を張った。
「そうでした。ハルコン様のお作りになられた『ハルコンタイプB(仙薬エリクサーの普及版のこと)』のおかげで、私どもの国は大いに助けられているのですよ。ホンと感謝の言葉しかありません」
「ですが殿下、ハルコンはまだ10歳の子供ですよ。昼間は私達と一緒に王立学校で授業を受けている学生なのですから」
ニッコリと笑うミラに、ステラ殿下も「そうでした」と仰って、ニコリと微笑まれた。
そのタイミングで、馬車と一行は広大な王立学校近くの王道に差しかかった。
「見て下さい殿下! こちらが、これからお学びになる王立学校ですよ!」
「広くて、立派な建物ですね。さぞや多くの学生が学ばれていらっしゃるのでしょうか?」
「私も詳しくは把握しておりませんが、全国から選りすぐりの学生を集めていると聞きます」
ミラはあまり詳しくないのか、曖昧に答えた。ここで、すかさずハルコンが間に口を挟んだ。
「殿下、初等部から大学院までで、全学生およそ5000人が学んでおります。大学院を出た後、私の研究所に入所する者も多く、この学校が人材発掘と育成を兼ねていると言えますね!」
「なるほど! 私、これからハルコン様やミラ様と共に王立学校で学ぶことができると思うと、とても待ち遠しいですっ!」
殿下の輝くようなその表情には、まだ幼さの残る半面、皇族としての矜持のような力強さが垣間見られた。
そして、一行を乗せた馬車は王立学校を越えていく。
もうしばらく進むと、今回の旅の目的地、王都の中心部、王宮が徐々に見えてきた。
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