天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第一部「ハルコン少年期」

36 王立学校祭 その3_06

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「……、ワークイット、ワークイット、ワークイット、ツーモアステップ、ヤァッ、ヒアウィゴー、カモンッ!」

 次第に、参加者の中から脱落者が出始めた。滝汗でへとへとになりながら、グラウンドにごろりと横になって、息をゼーゼーしている。

 ミラは、……まぁ見るまでもなく、問題ないだろう。
 ハルコンは、ちらりとシルファー先輩を見た。

 すると、先輩は頬を紅潮させながら、ニコリと微笑み返してきた。
 さすがは王族だね。気力体力ともに素晴らしいなぁと、思わず感心した。

 さて、……そろそろトレーニングを開始して5分。
 この辺で、終わりにしておくとするか。

「OKェーッ!」

 ハルコンが深呼吸を始めると、ミラやシルファー先輩も揃って息を整え始めた。
 兄達を始め何とか付いてきた主催者側のメンバー達も、ホッとした表情で深呼吸を始めた。

 この様子では、兄達は毎日の鍛錬をちゃんと行っているんだなぁと、ハルコンは少しだけ微笑ましい気持ちになった。

 一方で、キャスパー殿下は、特に息が乱れるでもない。
 若武者のような肢体からは疲労感が感じられず、額に汗が流れているでもない。

 なるほど。殿下は相当な鍛錬をお積みになられているのだなぁと、率直に感心した。

 よしっ! そろそろシメに入るかね。

「グッジョーーブッ! 1、2ゥーッ、3ィーッ、……ビク〇リーーッ!!」

 最後まで耐え抜いた参加者達の中には、急速にもたらされた疲労に、思わず尻もちを衝く者が続出だ。

「キッツゥーッ、キッツゥーッ! アハハハハッッ!」

 今回もまた、シルファー先輩が滝汗を流しながら、ミラやステラ殿下を相手に満足そうにお笑いになっている。

 ミラは、まぁ……問題なさそう。少し湯気が出ているけど、余裕の笑顔だ。

 ステラ殿下は「ハルコンB」を普段摂取されているためか、特に体に堪えている様子でもなく、あっさりと微笑んでいらっしゃった。

 あぁっ、そっかぁ。キャスパー殿下は、国外各地に営業で「ハルコンB」をお売りになっていらっしゃるんだっけ。
 なら、効能を示すために、頻繁に「ハルコンB」を口にされているワケだよね。

 そして、イメルダのサークルのメンバー達は、多くの大会参加者達と同様、もう死屍累々のように、グラウンドに横たわっていた。

「すまんな、ハルコン。ハァッ、ハァッ、せっかくの合気術のサークルも、ハァッ、ハァッ、練習をサボってるつもりはないのだがっ、ハァッ、こんなザマだっ!」

 マルコム兄が、何とか横たわるのを堪えて、立ったまま話しかけてきた。
 その直ぐ傍では、ケイザン兄が肩で息をするのに精いっぱいの様子。

 でも、ハルコンは汗ひとつかいておらず、内心ケロリとしていた。

「それでは兄様。お次は短期集中コース、『スパルタ』でいきますかね?」

「「やっ、止めろぉ~っ!!」」

 兄達2人の声が思わずハモったら、「「「「アハハハハッ、……」」」」と、ミラを始めシルファー先輩やステラ殿下、キャスパー殿下まで、屈託なくお笑いになられた。
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