341 / 500
第一部「ハルコン少年期」
39 サスパニア出張旅行 その2_04
しおりを挟む
* *
実際の話、私はこれまで前世が地球の日本人だということを、ほとんど誰にも知らせていないんだ。
それは、親しくさせて頂いている6人のNPC達にも、もちろん……私の家族にすらね。
そりゃぁそうだよ。家族の誰にも、こんな事実を伝えられるワケないじゃん。
だってさ、……。
特に、お腹を痛めて産んでくれた母上にとって、私、ハルコンの精神が、どこかの得体のしれない何者であったと知られてしまったら、……。
もう、元の親子関係には戻れないんだよ。
だからこそ、……私は、この事実を家族には絶対伝えないつもりなんだ。
でも、もしかしたらさ。私の話の節々に、通常の子供の常識では出てこないフレーズやアイデアが垣間見えていたとしたらさ。
その場合は、もうとっくに私、ハルコンが何か異様な、別の人格を引きずっている人間だと認識されている可能性だって十分にあるのかもしれない。
特にサリナ姉様のように、私と女神様が話をしているところを間近で見ていた場合、私に対して、家族としての何らかの違和感を持つこともあり得ると思うんだ。
でも、……さ。
もしかすると、「神の御使い」というパワーワードひと単語で、全てが納得されて、問題が解決してしまっていることも考えられるんだよね。
実際、私の所属するファイルド国の現国王ラスキン陛下は、こう仰っているんだ。
『我が王族は、たびたび「神の御使い」という異世界転生者達を、その血筋に加えてきたのだ』とね。
だから、私は陛下が既に事情をご存じだと認識できたため、今後王宮に後ろ盾になって貰おうと思い、こちらの素性について正しく伝えることにしたんだ。
私、セイントーク・ハルコンは、前世は地球という星の日本の薬学者、聖徳晴子だったということをね。
そのことを、国王陛下とシルファー先輩だけが知っているんだ。
おそらく、私は将来、この王族の一員という形で、取り込まれることになるんだと思う。
何だかさぁ、……。いつの間にか、随分遠いところまでやってきてしまったんだなぁと、ハルコンは思った。
ごく自然に、……細く長いため息を吐いた後、魔石で動作する置時計をちらりと見た。
すると、時刻は夜中の11時を少し回ったところだ。
ハルコンは眠気覚ましに両頬を軽くパンパンと叩いた後、「ヨシッ!」と言って、ベッドからすっくと立ち上がった。
洗面台の方にいき、水魔石の蛇口に触れると、たちまち豊富な水でシンクが満たされた。
顔を洗おうと半身を寄せたところ、……。
「!?」
水面には、とある妙齢の女性がこちらの背後から抱き付いてくる様子が映っていた。
ハルコンは、思わず振り返ろうとした。
だが、思いの外その女性の力が強く、振り向くことはできなかった。
「……、女神様、お久しぶりです」
「はい、ご無沙汰しております」
女神様は、そう仰いながら両腕の力をゆっくりと解いて下さった。
実際の話、私はこれまで前世が地球の日本人だということを、ほとんど誰にも知らせていないんだ。
それは、親しくさせて頂いている6人のNPC達にも、もちろん……私の家族にすらね。
そりゃぁそうだよ。家族の誰にも、こんな事実を伝えられるワケないじゃん。
だってさ、……。
特に、お腹を痛めて産んでくれた母上にとって、私、ハルコンの精神が、どこかの得体のしれない何者であったと知られてしまったら、……。
もう、元の親子関係には戻れないんだよ。
だからこそ、……私は、この事実を家族には絶対伝えないつもりなんだ。
でも、もしかしたらさ。私の話の節々に、通常の子供の常識では出てこないフレーズやアイデアが垣間見えていたとしたらさ。
その場合は、もうとっくに私、ハルコンが何か異様な、別の人格を引きずっている人間だと認識されている可能性だって十分にあるのかもしれない。
特にサリナ姉様のように、私と女神様が話をしているところを間近で見ていた場合、私に対して、家族としての何らかの違和感を持つこともあり得ると思うんだ。
でも、……さ。
もしかすると、「神の御使い」というパワーワードひと単語で、全てが納得されて、問題が解決してしまっていることも考えられるんだよね。
実際、私の所属するファイルド国の現国王ラスキン陛下は、こう仰っているんだ。
『我が王族は、たびたび「神の御使い」という異世界転生者達を、その血筋に加えてきたのだ』とね。
だから、私は陛下が既に事情をご存じだと認識できたため、今後王宮に後ろ盾になって貰おうと思い、こちらの素性について正しく伝えることにしたんだ。
私、セイントーク・ハルコンは、前世は地球という星の日本の薬学者、聖徳晴子だったということをね。
そのことを、国王陛下とシルファー先輩だけが知っているんだ。
おそらく、私は将来、この王族の一員という形で、取り込まれることになるんだと思う。
何だかさぁ、……。いつの間にか、随分遠いところまでやってきてしまったんだなぁと、ハルコンは思った。
ごく自然に、……細く長いため息を吐いた後、魔石で動作する置時計をちらりと見た。
すると、時刻は夜中の11時を少し回ったところだ。
ハルコンは眠気覚ましに両頬を軽くパンパンと叩いた後、「ヨシッ!」と言って、ベッドからすっくと立ち上がった。
洗面台の方にいき、水魔石の蛇口に触れると、たちまち豊富な水でシンクが満たされた。
顔を洗おうと半身を寄せたところ、……。
「!?」
水面には、とある妙齢の女性がこちらの背後から抱き付いてくる様子が映っていた。
ハルコンは、思わず振り返ろうとした。
だが、思いの外その女性の力が強く、振り向くことはできなかった。
「……、女神様、お久しぶりです」
「はい、ご無沙汰しております」
女神様は、そう仰いながら両腕の力をゆっくりと解いて下さった。
65
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
農家の四男に転生したルイ。
そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。
農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。
十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。
家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。
ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる!
見切り発車。不定期更新。
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる