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第一部「ハルコン少年期」
42 サスパニア出張旅行 その5_06
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私(ハルコン)は朝日の映える美しい街並みを背景に、次々と大小様々な大きさの砕石が政府官邸内の敷地の隅々に落ちるのを、怒り心頭の気持ちで眺めていた。
私は、自らのチートスキルを使うことに、最近少しだけ抵抗があった。
でも、今回の件は、こちらの堪忍袋の緒が切れて、タガがはずれるのに十分だった。
黙ってやられるままにいられるほど、今の私は愚かでも寛容でもない。
やられたら、やり返す。それも完膚なきまで、……。
それこそが、……前世の聖徳晴子の時代に経験から学んだ、私の唯一絶対の規範だ。
辺りは砕石が落ちることで、もうもうと砂煙が上がり、視界が見えづらくなってきた。
小水戸中尉は、立ったまま茫然と政府官邸に降り注ぐ砕石の雨を見つめ、……。
死闘を繰り広げていた元女盗賊さんと女性少尉は、お互いに手を止めて、目線だけでけん制し合っている。
そんな騒ぎの終止符を打つかのように、……。
直径60センチほどの大きさの砕石を、私は官邸の上空100メートルの高さに突如出現させたのだ。
「ウワァーッ!? ハルコン殿ぉ―っ! それは勘弁してくれぇーっ!」
小水戸中尉が大慌てで私に掴みかかろうとするが、もう遅いよっ!
私は、中尉の伸ばした右手を自身の左手でギュッと掴むと、そのまま「握手落とし」で床にゴロリと転がしてやった。
もうさっ、……。とっくに我慢の限界を超えているんだよっ!
その大きな砕石が官邸の屋根に激突すると、それはもうとてつもないほどの衝撃音が、辺り一帯に駆け巡った。
「ハルコン殿っ、そこまでっ! どうにか勘弁してくれぇーっ!」
直後、官邸の母屋の扉が開くと、30代前半と思しき男性が大きな声でそう叫びながら、私達のいる車止めまで転がるように飛び出してきた。
私の目に、その男はかなり慌てた様子で額に汗を浮かべ、……。
こちらと目が合うや、「ハルコン殿っ! 平に、平にご容赦をーっ!!」と、胸元に両手を抱き締めて、半ば祈るような表情で訴えてきたのだ。
おそらく、この人物が私を招聘した石原寛斎なのだろう。
でもさ。ふむ、……。
この人も、……。私が以前見た資料の中で、見たことがないんだよなぁと思った。
玉砂利の床に膝をつき、胸元に手をやって懇願するその中年将校。
若き小水戸中尉や殺人マシーンのような女性少尉までもが後に続いて、共に頭を下げてきた。
さて、……。私はこの後にどうすべきなのかなぁ。
ちらりと元女盗賊さんの方に目をやると、彼女は抜いた暗器を袂で拭って、懐にしまうところだった。
『もう、……よかでないでやすか?』
彼女は既に警戒モードを解いており、いつもの人懐っこさが戻った穏やかそうな目で、こちらをちらりと見た。
私はひとつ頷くと、ふぅ~っとため息を吐く。
この度(たび)、私と元女盗賊さん、2人だけで下見にきてホンとよかった。
もしもシルファー先輩やステラ殿下まで連れてきていたら、とてもじゃないけど、こうはならなかったんじゃないかなぁ、……。
「いいでしょう。今回だけ、謝罪を受け容れます。もうこういうのは、勘弁願いますよぉ!」
私が白い歯を見せて笑って見せると、元日本人達は皆ホッとしたようにため息を吐いた。
私(ハルコン)は朝日の映える美しい街並みを背景に、次々と大小様々な大きさの砕石が政府官邸内の敷地の隅々に落ちるのを、怒り心頭の気持ちで眺めていた。
私は、自らのチートスキルを使うことに、最近少しだけ抵抗があった。
でも、今回の件は、こちらの堪忍袋の緒が切れて、タガがはずれるのに十分だった。
黙ってやられるままにいられるほど、今の私は愚かでも寛容でもない。
やられたら、やり返す。それも完膚なきまで、……。
それこそが、……前世の聖徳晴子の時代に経験から学んだ、私の唯一絶対の規範だ。
辺りは砕石が落ちることで、もうもうと砂煙が上がり、視界が見えづらくなってきた。
小水戸中尉は、立ったまま茫然と政府官邸に降り注ぐ砕石の雨を見つめ、……。
死闘を繰り広げていた元女盗賊さんと女性少尉は、お互いに手を止めて、目線だけでけん制し合っている。
そんな騒ぎの終止符を打つかのように、……。
直径60センチほどの大きさの砕石を、私は官邸の上空100メートルの高さに突如出現させたのだ。
「ウワァーッ!? ハルコン殿ぉ―っ! それは勘弁してくれぇーっ!」
小水戸中尉が大慌てで私に掴みかかろうとするが、もう遅いよっ!
私は、中尉の伸ばした右手を自身の左手でギュッと掴むと、そのまま「握手落とし」で床にゴロリと転がしてやった。
もうさっ、……。とっくに我慢の限界を超えているんだよっ!
その大きな砕石が官邸の屋根に激突すると、それはもうとてつもないほどの衝撃音が、辺り一帯に駆け巡った。
「ハルコン殿っ、そこまでっ! どうにか勘弁してくれぇーっ!」
直後、官邸の母屋の扉が開くと、30代前半と思しき男性が大きな声でそう叫びながら、私達のいる車止めまで転がるように飛び出してきた。
私の目に、その男はかなり慌てた様子で額に汗を浮かべ、……。
こちらと目が合うや、「ハルコン殿っ! 平に、平にご容赦をーっ!!」と、胸元に両手を抱き締めて、半ば祈るような表情で訴えてきたのだ。
おそらく、この人物が私を招聘した石原寛斎なのだろう。
でもさ。ふむ、……。
この人も、……。私が以前見た資料の中で、見たことがないんだよなぁと思った。
玉砂利の床に膝をつき、胸元に手をやって懇願するその中年将校。
若き小水戸中尉や殺人マシーンのような女性少尉までもが後に続いて、共に頭を下げてきた。
さて、……。私はこの後にどうすべきなのかなぁ。
ちらりと元女盗賊さんの方に目をやると、彼女は抜いた暗器を袂で拭って、懐にしまうところだった。
『もう、……よかでないでやすか?』
彼女は既に警戒モードを解いており、いつもの人懐っこさが戻った穏やかそうな目で、こちらをちらりと見た。
私はひとつ頷くと、ふぅ~っとため息を吐く。
この度(たび)、私と元女盗賊さん、2人だけで下見にきてホンとよかった。
もしもシルファー先輩やステラ殿下まで連れてきていたら、とてもじゃないけど、こうはならなかったんじゃないかなぁ、……。
「いいでしょう。今回だけ、謝罪を受け容れます。もうこういうのは、勘弁願いますよぉ!」
私が白い歯を見せて笑って見せると、元日本人達は皆ホッとしたようにため息を吐いた。
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