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第一部「ハルコン少年期」
43 サスパニア出張旅行 その6_03
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* *
なるほどねぇ、……。やはり、そうだったか。
私(ハルコン)は石原中佐さんの本当の名前を聞いて、そう思わざるを得なかった。
日本という国は、かつて大国アルメリアに手酷く負けた。
物量で負けたとか、上層民の能力が劣っているために負けたとか、……。
その件に関しては、後世の学者達が様々に論じているけど、実を言えば、それは事態を適切に伝えきれていない気がする。
日本は、現状「負けた」のではなく、「負け続けている」のが、事の真相だ。
そんな環境下で、戦後石原中佐さんら12名の軍人達は、アルメリアの手が届く前に、女神様の御力によってこのファルコニアの世界に転移させられた。
戦後の日本人達は、アルメリアのやりたい放題に散々付き合わさせられながらも、石原中佐さんらの存在を隠匿し、闇に葬ってきた。
彼らの残した功績も、悪徳も、……。その全てが、全く別の人間がやったことにされてきた。写真も、経歴も。その全てが事実とは異なる形で、後世に伝えられたのだ。
「後世の日本は、表向きはとても平和になりました。たとえそれが仮初のものだったとしてもね。戦後日本は表立っては戦争に加担することなく、80年を迎えることができたと、多くの者はそう思っています!」
その言葉に、石原中佐さんら12名の元日本人達は、忸怩たる思いだったのだろうか?
彼らが静かにグッと奥歯を噛み締めているのが、私の目にもはっきりとワカった。
自己の業績だけでなく、その存在すら隠匿され、……。
それでもなお護国の鬼となってまで守ってきた祖国日本が、戦後アルメリアに蹂躙され続けているという事実を、孫の代に当たる私から直に聞かされたのだからね。
「私はね、石原中佐さん。前世の聖徳晴子の頃、大学の研究室で仙薬、万能薬エリクサーの開発を進めておりました」
「以前のあなたは、なかなか素晴らしい研究をなさっておいででしたな!」
石原中佐さんの言葉に、私は率直にひとつだけ頷いた。
「ですが、ホンと惨憺たる状況でしたよ。最初のウチは『そんなもの、できっこない!』と周りからバカにされていたのですから。でも、いざ私どもの研究室が成果を見せ始めた途端、バッシングとサポタージュが始まってしまいましたからね!」
私が苦々しい気持ちで過去について吐露すると、石原中佐さんは「いつの時代にもおりますからな。味方の振りをして近付いてくる、有象無象という輩が!」といって、ひとつ頷いてみせた。
「えぇ。日本の研究者達の多くが、今やアルメリア留学組です。官僚もそう。ましてや政治家も財界人もそう。マスコミ人もそうなんです。最初は彼ら上層民も憂国を気取っておだを上げるのですが、いざアルメリアに呼ばれてしばらく現地で過ごしてくると、日本に帰国したら、もうアルメリア至上主義者に早変わりです。私の目から見ても、もうこの人アルメリア人なんじゃないかってくらいに骨抜きにされてしまうんです。ホンと、私にとっては害悪以外にあり得ませんでしたよ!」
私の剣幕に、石原中佐さんらは苦笑いを浮かべている。
傍らに座る元女盗賊さんには、少し前に私の前世についての経歴を伝えていたからさ。
私の憤懣やる方のない怒りに対し、うんうんと親身になって同調するように頷いてくれたよ。
なるほどねぇ、……。やはり、そうだったか。
私(ハルコン)は石原中佐さんの本当の名前を聞いて、そう思わざるを得なかった。
日本という国は、かつて大国アルメリアに手酷く負けた。
物量で負けたとか、上層民の能力が劣っているために負けたとか、……。
その件に関しては、後世の学者達が様々に論じているけど、実を言えば、それは事態を適切に伝えきれていない気がする。
日本は、現状「負けた」のではなく、「負け続けている」のが、事の真相だ。
そんな環境下で、戦後石原中佐さんら12名の軍人達は、アルメリアの手が届く前に、女神様の御力によってこのファルコニアの世界に転移させられた。
戦後の日本人達は、アルメリアのやりたい放題に散々付き合わさせられながらも、石原中佐さんらの存在を隠匿し、闇に葬ってきた。
彼らの残した功績も、悪徳も、……。その全てが、全く別の人間がやったことにされてきた。写真も、経歴も。その全てが事実とは異なる形で、後世に伝えられたのだ。
「後世の日本は、表向きはとても平和になりました。たとえそれが仮初のものだったとしてもね。戦後日本は表立っては戦争に加担することなく、80年を迎えることができたと、多くの者はそう思っています!」
その言葉に、石原中佐さんら12名の元日本人達は、忸怩たる思いだったのだろうか?
彼らが静かにグッと奥歯を噛み締めているのが、私の目にもはっきりとワカった。
自己の業績だけでなく、その存在すら隠匿され、……。
それでもなお護国の鬼となってまで守ってきた祖国日本が、戦後アルメリアに蹂躙され続けているという事実を、孫の代に当たる私から直に聞かされたのだからね。
「私はね、石原中佐さん。前世の聖徳晴子の頃、大学の研究室で仙薬、万能薬エリクサーの開発を進めておりました」
「以前のあなたは、なかなか素晴らしい研究をなさっておいででしたな!」
石原中佐さんの言葉に、私は率直にひとつだけ頷いた。
「ですが、ホンと惨憺たる状況でしたよ。最初のウチは『そんなもの、できっこない!』と周りからバカにされていたのですから。でも、いざ私どもの研究室が成果を見せ始めた途端、バッシングとサポタージュが始まってしまいましたからね!」
私が苦々しい気持ちで過去について吐露すると、石原中佐さんは「いつの時代にもおりますからな。味方の振りをして近付いてくる、有象無象という輩が!」といって、ひとつ頷いてみせた。
「えぇ。日本の研究者達の多くが、今やアルメリア留学組です。官僚もそう。ましてや政治家も財界人もそう。マスコミ人もそうなんです。最初は彼ら上層民も憂国を気取っておだを上げるのですが、いざアルメリアに呼ばれてしばらく現地で過ごしてくると、日本に帰国したら、もうアルメリア至上主義者に早変わりです。私の目から見ても、もうこの人アルメリア人なんじゃないかってくらいに骨抜きにされてしまうんです。ホンと、私にとっては害悪以外にあり得ませんでしたよ!」
私の剣幕に、石原中佐さんらは苦笑いを浮かべている。
傍らに座る元女盗賊さんには、少し前に私の前世についての経歴を伝えていたからさ。
私の憤懣やる方のない怒りに対し、うんうんと親身になって同調するように頷いてくれたよ。
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