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第一部「ハルコン少年期」
43 サスパニア出張旅行 その6_12
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* *
「好きっ、好きっ、……大好きぃーっ!!」
そう言って、少しだけ背の高い「半次郎」さんが、私(ハルコン)のことをいきなり胸元に強く抱き締めてきたんだ。
「えぇーーっ!?」
何、このフレンドリーなスキンシップ!
無理やり自力で引きはがそうとしたんだけどさ、……。まるで万力で固定したように、梃子でも動かないんだよ!
一体どうなってるの? 見かけによらない膂力に、……思わず、びっくりしてしまったね。
私はこれまでにミラやシルファー先輩、ステラ殿下の他に、多くの貴族の子女や豪商の娘達とお話をさせて頂く機会があった。
彼女達の目的は、私、ハルコン・セイントークと仲良くなること。
あわよくば、私と交際を深め、婚姻関係を結ぶこと、……だと思う。
それは、幼馴染のミラでさえもそうだった。
ミラが私と初めて面会した際に、彼女の意気込みは子供ながらに尋常ではなかったことを、今でも私はよく覚えている。
我が国の王族でもあるのに、田舎貴族の3男坊である私に入れ上げて下さるシルファー先輩。
元々敵国コリンド出身だったのにも拘わらず、私と交際するために単身留学という名目で我が国にこられているステラ殿下、……。
皆さんの熱意には、ほとほと頭の下がる思いなんだけどさ、……。
でも、その身分、立場ゆえなんだろうね。
彼女達には、どこか抑制というか自制した雰囲気が感じられたんだ。
それがだよ!
この「半次郎」って人、……。私の目の前に現れたと思ったらさ。何の前触れもなく、いきなりのハグだよっ!
戦前の日本人って、もっとこう、……何ていうんだろ、我々現代人よりもずっと奥ゆかしいんじゃなかったの?
それがさ、まさかのハグ!
「ぬぅがぁ~~っ!!」
元女盗賊さんが顔を真っ赤にさせて、私に抱き付いている「半次郎」さんを引きはがそうとしているんだけどさ、……。
それがどうやっても梃子にかけても、全く微動だにしないんだ!
すると、……。石原中佐さんがこちらに近付いてきて、私にこう言うんだよ。
「ハルコン殿、こうなっては、もう何をやっても無駄ですな。観念して、『半次郎』のことを受け容れてやって下さらんか?」
「えっ!? 受け容れる?」
「えぇ、……。ハルコン殿に、『半次郎』はすっかり懐いてしまったようです」
「……」
素行の悪い娘に手をこまねいている弱った父親のように、石原中佐さんがひとつ頷いた。
「それに、ハルコン殿、……。貴殿の今後を考慮しますと、『半次郎』のような『陰』の役割を担う者が必要となるでしょう。この際、傍に置いておくのをお薦めしますよ!」
私は救いを求めて、元女盗賊さんをじっと見た。
すると、彼女は仕方なさそうに黙って首を横に振った。
なるほど、……ね。元女盗賊さんは、もうその道では現役ではないということなのか。
「好きっ、好きっ、……大好きぃーっ!!」
そう言って、少しだけ背の高い「半次郎」さんが、私(ハルコン)のことをいきなり胸元に強く抱き締めてきたんだ。
「えぇーーっ!?」
何、このフレンドリーなスキンシップ!
無理やり自力で引きはがそうとしたんだけどさ、……。まるで万力で固定したように、梃子でも動かないんだよ!
一体どうなってるの? 見かけによらない膂力に、……思わず、びっくりしてしまったね。
私はこれまでにミラやシルファー先輩、ステラ殿下の他に、多くの貴族の子女や豪商の娘達とお話をさせて頂く機会があった。
彼女達の目的は、私、ハルコン・セイントークと仲良くなること。
あわよくば、私と交際を深め、婚姻関係を結ぶこと、……だと思う。
それは、幼馴染のミラでさえもそうだった。
ミラが私と初めて面会した際に、彼女の意気込みは子供ながらに尋常ではなかったことを、今でも私はよく覚えている。
我が国の王族でもあるのに、田舎貴族の3男坊である私に入れ上げて下さるシルファー先輩。
元々敵国コリンド出身だったのにも拘わらず、私と交際するために単身留学という名目で我が国にこられているステラ殿下、……。
皆さんの熱意には、ほとほと頭の下がる思いなんだけどさ、……。
でも、その身分、立場ゆえなんだろうね。
彼女達には、どこか抑制というか自制した雰囲気が感じられたんだ。
それがだよ!
この「半次郎」って人、……。私の目の前に現れたと思ったらさ。何の前触れもなく、いきなりのハグだよっ!
戦前の日本人って、もっとこう、……何ていうんだろ、我々現代人よりもずっと奥ゆかしいんじゃなかったの?
それがさ、まさかのハグ!
「ぬぅがぁ~~っ!!」
元女盗賊さんが顔を真っ赤にさせて、私に抱き付いている「半次郎」さんを引きはがそうとしているんだけどさ、……。
それがどうやっても梃子にかけても、全く微動だにしないんだ!
すると、……。石原中佐さんがこちらに近付いてきて、私にこう言うんだよ。
「ハルコン殿、こうなっては、もう何をやっても無駄ですな。観念して、『半次郎』のことを受け容れてやって下さらんか?」
「えっ!? 受け容れる?」
「えぇ、……。ハルコン殿に、『半次郎』はすっかり懐いてしまったようです」
「……」
素行の悪い娘に手をこまねいている弱った父親のように、石原中佐さんがひとつ頷いた。
「それに、ハルコン殿、……。貴殿の今後を考慮しますと、『半次郎』のような『陰』の役割を担う者が必要となるでしょう。この際、傍に置いておくのをお薦めしますよ!」
私は救いを求めて、元女盗賊さんをじっと見た。
すると、彼女は仕方なさそうに黙って首を横に振った。
なるほど、……ね。元女盗賊さんは、もうその道では現役ではないということなのか。
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