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クリスフォード公爵から、正式に婚約の承諾を得ることができた。あっさりと話が通ったことにアリシアは驚くが、既に結婚の意思自体は何年も前から伝えてあったことを聞かされてさらに驚いた。
今後は正式に婚約者として行動することになり、アリシアは元取り巻き令嬢たちと会うのが少々心配だったけれど、クラウスは一切気にする様子はない。伯爵家立て直しの為に高位のご令嬢たちを無下に扱えなかったという件も聞いてはいたため、尚更今の状況は良くないのではないかと心配したのだが、「事業に必要な契約は締結済みだし、高位貴族の当主たちは自分の娘を一伯爵家でなくもっと良いところに嫁がせたがっているから問題ない」と言っていた。
貴族の政略結婚が減りつつあるとはいえ、爵位が高いほどどうしても政略結婚の割合も高くなる。自分が望んだ人のところへ嫁がせてくれる父公爵の優しさにアリシアは心から感謝した。
*****
ある伯爵邸で行われる夜会。今日の夜会は、アリシアにとって少し特別だった。ずっと「複数いる取り巻き令嬢の中の一人」として過ごしてきたけれど、今日は初めてクラウスのエスコートで参加するのだ。
いつも一緒に行く兄は、自分は後で行くから今日は二人で先に行きなさいと送り出してくれた。初めてのクラウスのエスコートと思うと少し気恥ずかしくて、それでもとても幸せな気持ちになる。
夜会が行われている邸宅につくと、すぐに顔見知りの令嬢たちが挨拶にくる。エスコートがいつもの兄でなく、クラウスであることに気が付いた令嬢たちは、きゃあと小さく呟いて目を煌めかせた。
「今、アリシア様とクラウス様の話題でもちきりですのよ。
愛しい女性にふさわしくあるために、驚異の速さで家を盛り立てた若き伯爵と、彼をひたむきに思い続ける公爵家の姫君の純愛ですわ!」
「まあ……その話の出所は……」
「うふふ。王城のお茶会に呼ばれたときに、王女殿下からお聞きしましたの」
「まるで物語のよう……。愛の力の偉大さを知りましたわ」
呆気にとられるクラウスとアリシアの前で、令嬢たちがきゃあきゃあと盛り上がっている。
真実を少々大げさに話して面白がる王女の姿が2人の脳裏に浮かんだ。父に報告した翌日、たしかにローズマリーにも報告の手紙を送ったけれど、それからあまり日は経っていない。話題になる早さに思わず慄く。
「間違ってはいないのですけれど……」
「物は言いようってやつかな……」
アリシアとクラウスは小声で囁きあって苦笑する。
王女の話では障害を乗り越え大恋愛の末に結ばれた2人のようだが蓋を開けてみると、脅威の執着心を持つ伯爵と、幼い初恋のまま好きな人の取り巻きとして傍に居続けてきた夢見がちがすぎる令嬢だ。実際の2人は、周りが思っているよりもずっとかっこ悪い。
それでも、お互い恋焦がれる気持ちに変わりはないのだけれど。
令嬢たちとの挨拶を終え一息ついたとき、アリシアは少し離れたところからこちらを見ている人物に気が付く。
フリルをあしらった、薄い桃色の可愛らしいドレスを身に着けたユーリ・ロット子爵令嬢だ。ぱちりと目が合うと、彼女はそっと俯いた。距離があっても、その表情で傷ついていることがわかる。
アリシアが彼女に「クラウスとは恋人ではなく幼馴染」と言ってからはまだ10日も経っていない。先ほどの「社交界は2人の話でもちきり」という令嬢たちのことばが誇張でないのであれば、彼女の耳にも既に話が届いているかもしれない。
アリシアだって、一時期はクラウスの気持ちを誤解して胸を痛めた身。彼女が今どんな思いを抱えているのか察することくらいできる。その上、自分は「恋人でない」なんて期待させるようなことを言ってしまったのだ。あの時点で嘘をついた訳ではないし、こういう関係になれるとも思っていなかったのだけれど。言いようのない罪悪感にアリシアは眉尻を下げる。
シャンパングラスを2つ持って戻ってきたクラウスが、アリシアの様子に気が付き顔を覗き込んだ。
「アリシア? 何かあった?」
「何でもありませんわ」
アリシアは緩く首を横に振るが、無意識にちらりと少女に目を向けてしまう。その視線を辿り、クラウスは何かを察したようだ。アリシアの腰に手を回して、そっと囁いた。
「以前、彼女と私がお似合いだと言っていたけど……気にしているの?
私の特別はアリシアだけだというのに」
クラウスの想いを疑っているわけではないのだけれど、アリシアが察してしまった彼女の想いを勝手に打ち明けるわけにもいかないので曖昧に微笑むに留める。納得していない様子に焦れたクラウスは抱き寄せたままアリシアのこめかみに何度も口づけを落とした。
突然のことにアリシアは驚き、顔を赤らめながらクラウスの胸を押し返す。
「く、クラウス様!
お止めください……!」
「私を信じないアリシアが悪い」
「クラウス様のことを疑ったわけではないのです。
その……クラウス様の周りには私以外にもたくさん、想いを寄せられる方がいらっしゃったでしょう?
わたくしだけが幸せになっていいのかなって……」
突然甘くなったクラウスに観念したアリシアは、ぼかしながら自分の罪悪感について吐露してしまう。それを聞いたクラウスは、目を瞬かせて首をかしげた。
「誰がどう思おうと、私がアリシアを好きなんだ。
アリシアが罪悪感を感じる必要なんてどこにもないだろう?」
「クラウス様……」
「さっきパトリックから聞いたけれど……。
あのクラウスが、成就した途端変わるものだねえ。
てっきり手を握るまでに1年はかかると思っていたのに」
身を寄せ合いながら甘い空気を醸し出す2人の間に、笑いながら男の声が割り込んできた。言外にへたれと言われたクラウスは、目の前の男を睨め付ける。
我に返ったアリシアが慌ててクラウスから離れようとするが、クラウスは腰に回した手を緩めずにさらにアリシアを抱きしめる。仕方なくその体勢のまま、ようやくの思いでアリシアは挨拶をした。
「ご、ごきげんよう、ダニエル様」
「ごきげんよう、アリシア嬢。
パトリックなら主催者に挨拶をして早々にシガールームに向かったよ。」
令嬢たちに囲まれるのを苦手とする兄は相変わらず、会場での出会いを求めずに紳士同士の社交に専念するようだ。
アリシアとしては、早く義姉になる女性を見つけてほしいのだけれど。
「まあ、お兄さまったらひと声くらいかけてくれてもよろしいのに……」
「クラウスが一緒ならば君に変な輩が寄ってくることはないから安心だってさ。
こいつの嫉妬深さは折り紙付きだからね」
「ダニエル、余計なことを言うな」
可笑しそうに言うダニエルを、クラウスが咎めた。
「嫉妬深い……ですか?」
「そっか、知らないのか。
今までもずっと、アリシア嬢に声をかけようとする男がいるたびに体を割り込ませたりアリシア嬢に話を振ったりして牽制していたんだよ。
変に特別扱いして取り巻きの子たちの嫉妬が向かないようにさりげなくね」
ダニエルの言葉を聞いて、アリシアがそっとクラウスを見上げると、クラウスは気まずそうに目をそらした。
クラウスはバツが悪そうな表情だけれど、アリシアの気持ちは明るくなる。自分も、先日少女に街で会った時に、思わず嫉妬して牽制しようかと考えてしてしまったことを思い出したのだ。こうして考えると、自分もクラウスも同じ。
罪悪感だって、多分抱く必要なんてない。もうアリシアはクラウスの隣を誰かに譲る気なんてないのだから、そんな思いを抱いたところで仕方がないのだ。
アリシアがくすりと笑みを零す。クラウスはアリシアから先ほどまでの不安気な表情が消えていることに気付いて微笑みながら彼女の髪を撫でる。
「クラウス様。
わたくしたちって実は似ているかもしれませんね。
わたくしも、実は結構嫉妬深いみたいですから」
「似てるかな?でも、アリシアと一緒だと思うとすごく嬉しい」
互いに顔を寄せ合って笑っていると、ダニエルが大仰な仕草で呆れたような声を出す。
「君たちは、ここが夜会の会場だって忘れていないか?見ているだけで胸やけしそうだ。
ずっとすれ違いまくっていて、周りを散々やきもきさせたくせに」
「やきもきって、お前たちは完全に面白がっていただろう」
憮然とした表情でクラウスは反論する。ダニエルの話を聞くところによると、クラウスは今まで友人たちに散々揶揄われてきたようだ。
アリシアも、王女やカーラからお茶会で何度も揶揄われたことを思い出す。そんなところまで同じとは。全然性格が違うのに、この件に関しては非常に共通点が多いらしい。
お互い、長年の片想いを実らせたばかり。
両想いは両想いなりに不安になることや悩むことがきっとある。結婚してからだって、何も問題が起こらないということはない。それでも、自分達の想いは同じなのだということを忘れなければ、何だって乗り越えられる気がした。
「似た者同士、よろしくお願いいたしますね、クラウス様」
近い未来、さっそく最初の「問題」が起こる。
すぐにでも結婚したいクラウスと、20歳になるまで嫁がせるつもりのない兄パトリックの間で、結婚時期の擦り合わせが難航することを2人はまだ知らない。
今後は正式に婚約者として行動することになり、アリシアは元取り巻き令嬢たちと会うのが少々心配だったけれど、クラウスは一切気にする様子はない。伯爵家立て直しの為に高位のご令嬢たちを無下に扱えなかったという件も聞いてはいたため、尚更今の状況は良くないのではないかと心配したのだが、「事業に必要な契約は締結済みだし、高位貴族の当主たちは自分の娘を一伯爵家でなくもっと良いところに嫁がせたがっているから問題ない」と言っていた。
貴族の政略結婚が減りつつあるとはいえ、爵位が高いほどどうしても政略結婚の割合も高くなる。自分が望んだ人のところへ嫁がせてくれる父公爵の優しさにアリシアは心から感謝した。
*****
ある伯爵邸で行われる夜会。今日の夜会は、アリシアにとって少し特別だった。ずっと「複数いる取り巻き令嬢の中の一人」として過ごしてきたけれど、今日は初めてクラウスのエスコートで参加するのだ。
いつも一緒に行く兄は、自分は後で行くから今日は二人で先に行きなさいと送り出してくれた。初めてのクラウスのエスコートと思うと少し気恥ずかしくて、それでもとても幸せな気持ちになる。
夜会が行われている邸宅につくと、すぐに顔見知りの令嬢たちが挨拶にくる。エスコートがいつもの兄でなく、クラウスであることに気が付いた令嬢たちは、きゃあと小さく呟いて目を煌めかせた。
「今、アリシア様とクラウス様の話題でもちきりですのよ。
愛しい女性にふさわしくあるために、驚異の速さで家を盛り立てた若き伯爵と、彼をひたむきに思い続ける公爵家の姫君の純愛ですわ!」
「まあ……その話の出所は……」
「うふふ。王城のお茶会に呼ばれたときに、王女殿下からお聞きしましたの」
「まるで物語のよう……。愛の力の偉大さを知りましたわ」
呆気にとられるクラウスとアリシアの前で、令嬢たちがきゃあきゃあと盛り上がっている。
真実を少々大げさに話して面白がる王女の姿が2人の脳裏に浮かんだ。父に報告した翌日、たしかにローズマリーにも報告の手紙を送ったけれど、それからあまり日は経っていない。話題になる早さに思わず慄く。
「間違ってはいないのですけれど……」
「物は言いようってやつかな……」
アリシアとクラウスは小声で囁きあって苦笑する。
王女の話では障害を乗り越え大恋愛の末に結ばれた2人のようだが蓋を開けてみると、脅威の執着心を持つ伯爵と、幼い初恋のまま好きな人の取り巻きとして傍に居続けてきた夢見がちがすぎる令嬢だ。実際の2人は、周りが思っているよりもずっとかっこ悪い。
それでも、お互い恋焦がれる気持ちに変わりはないのだけれど。
令嬢たちとの挨拶を終え一息ついたとき、アリシアは少し離れたところからこちらを見ている人物に気が付く。
フリルをあしらった、薄い桃色の可愛らしいドレスを身に着けたユーリ・ロット子爵令嬢だ。ぱちりと目が合うと、彼女はそっと俯いた。距離があっても、その表情で傷ついていることがわかる。
アリシアが彼女に「クラウスとは恋人ではなく幼馴染」と言ってからはまだ10日も経っていない。先ほどの「社交界は2人の話でもちきり」という令嬢たちのことばが誇張でないのであれば、彼女の耳にも既に話が届いているかもしれない。
アリシアだって、一時期はクラウスの気持ちを誤解して胸を痛めた身。彼女が今どんな思いを抱えているのか察することくらいできる。その上、自分は「恋人でない」なんて期待させるようなことを言ってしまったのだ。あの時点で嘘をついた訳ではないし、こういう関係になれるとも思っていなかったのだけれど。言いようのない罪悪感にアリシアは眉尻を下げる。
シャンパングラスを2つ持って戻ってきたクラウスが、アリシアの様子に気が付き顔を覗き込んだ。
「アリシア? 何かあった?」
「何でもありませんわ」
アリシアは緩く首を横に振るが、無意識にちらりと少女に目を向けてしまう。その視線を辿り、クラウスは何かを察したようだ。アリシアの腰に手を回して、そっと囁いた。
「以前、彼女と私がお似合いだと言っていたけど……気にしているの?
私の特別はアリシアだけだというのに」
クラウスの想いを疑っているわけではないのだけれど、アリシアが察してしまった彼女の想いを勝手に打ち明けるわけにもいかないので曖昧に微笑むに留める。納得していない様子に焦れたクラウスは抱き寄せたままアリシアのこめかみに何度も口づけを落とした。
突然のことにアリシアは驚き、顔を赤らめながらクラウスの胸を押し返す。
「く、クラウス様!
お止めください……!」
「私を信じないアリシアが悪い」
「クラウス様のことを疑ったわけではないのです。
その……クラウス様の周りには私以外にもたくさん、想いを寄せられる方がいらっしゃったでしょう?
わたくしだけが幸せになっていいのかなって……」
突然甘くなったクラウスに観念したアリシアは、ぼかしながら自分の罪悪感について吐露してしまう。それを聞いたクラウスは、目を瞬かせて首をかしげた。
「誰がどう思おうと、私がアリシアを好きなんだ。
アリシアが罪悪感を感じる必要なんてどこにもないだろう?」
「クラウス様……」
「さっきパトリックから聞いたけれど……。
あのクラウスが、成就した途端変わるものだねえ。
てっきり手を握るまでに1年はかかると思っていたのに」
身を寄せ合いながら甘い空気を醸し出す2人の間に、笑いながら男の声が割り込んできた。言外にへたれと言われたクラウスは、目の前の男を睨め付ける。
我に返ったアリシアが慌ててクラウスから離れようとするが、クラウスは腰に回した手を緩めずにさらにアリシアを抱きしめる。仕方なくその体勢のまま、ようやくの思いでアリシアは挨拶をした。
「ご、ごきげんよう、ダニエル様」
「ごきげんよう、アリシア嬢。
パトリックなら主催者に挨拶をして早々にシガールームに向かったよ。」
令嬢たちに囲まれるのを苦手とする兄は相変わらず、会場での出会いを求めずに紳士同士の社交に専念するようだ。
アリシアとしては、早く義姉になる女性を見つけてほしいのだけれど。
「まあ、お兄さまったらひと声くらいかけてくれてもよろしいのに……」
「クラウスが一緒ならば君に変な輩が寄ってくることはないから安心だってさ。
こいつの嫉妬深さは折り紙付きだからね」
「ダニエル、余計なことを言うな」
可笑しそうに言うダニエルを、クラウスが咎めた。
「嫉妬深い……ですか?」
「そっか、知らないのか。
今までもずっと、アリシア嬢に声をかけようとする男がいるたびに体を割り込ませたりアリシア嬢に話を振ったりして牽制していたんだよ。
変に特別扱いして取り巻きの子たちの嫉妬が向かないようにさりげなくね」
ダニエルの言葉を聞いて、アリシアがそっとクラウスを見上げると、クラウスは気まずそうに目をそらした。
クラウスはバツが悪そうな表情だけれど、アリシアの気持ちは明るくなる。自分も、先日少女に街で会った時に、思わず嫉妬して牽制しようかと考えてしてしまったことを思い出したのだ。こうして考えると、自分もクラウスも同じ。
罪悪感だって、多分抱く必要なんてない。もうアリシアはクラウスの隣を誰かに譲る気なんてないのだから、そんな思いを抱いたところで仕方がないのだ。
アリシアがくすりと笑みを零す。クラウスはアリシアから先ほどまでの不安気な表情が消えていることに気付いて微笑みながら彼女の髪を撫でる。
「クラウス様。
わたくしたちって実は似ているかもしれませんね。
わたくしも、実は結構嫉妬深いみたいですから」
「似てるかな?でも、アリシアと一緒だと思うとすごく嬉しい」
互いに顔を寄せ合って笑っていると、ダニエルが大仰な仕草で呆れたような声を出す。
「君たちは、ここが夜会の会場だって忘れていないか?見ているだけで胸やけしそうだ。
ずっとすれ違いまくっていて、周りを散々やきもきさせたくせに」
「やきもきって、お前たちは完全に面白がっていただろう」
憮然とした表情でクラウスは反論する。ダニエルの話を聞くところによると、クラウスは今まで友人たちに散々揶揄われてきたようだ。
アリシアも、王女やカーラからお茶会で何度も揶揄われたことを思い出す。そんなところまで同じとは。全然性格が違うのに、この件に関しては非常に共通点が多いらしい。
お互い、長年の片想いを実らせたばかり。
両想いは両想いなりに不安になることや悩むことがきっとある。結婚してからだって、何も問題が起こらないということはない。それでも、自分達の想いは同じなのだということを忘れなければ、何だって乗り越えられる気がした。
「似た者同士、よろしくお願いいたしますね、クラウス様」
近い未来、さっそく最初の「問題」が起こる。
すぐにでも結婚したいクラウスと、20歳になるまで嫁がせるつもりのない兄パトリックの間で、結婚時期の擦り合わせが難航することを2人はまだ知らない。
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ありがとうそして、お疲れ様です。面白かった。
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それでも、おめでとう。
感想ありがとうございます!
なんとか完結まで書ききることができました。
一旦は、新しい話を書くつもりですが番外も考えています!
書き込みありがとうございました