オットマンの上で

刺客慧

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第五話:俺の考えたブルース・シスターズ(下の下)

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(前回までのあらすじ)
 ブルース・シスターズ。それはせんじられすぎた出涸でがらし。
 黒スーツにサングラスをしたサーバルキャットぬいぐるみエルザとデブのボストンテリアぬいぐるみジェイン。
 二匹はアホだ。アホなりにつながりを求めてかつて義兄弟ぎきょうだいさかずきを交わした。
網走アバシリプリズン時代を得て、振居ふりい新堂しんどうのような仲間も得た。
 そして今、北センチネル島トライアスロンに姉妹にキングオブアホ面の振居を加えた三人で参加をして、あわよくばエデンのそのを見つけ、人間になるための知恵ちえの実を得ようとしている。
 しかし、女は女。義姉妹という単語がないように二匹には確かな距離と築いてきた社会性がある。エルザは網走プリズンで、ジェインはバイク70キロ走破を経てお互い異なった経験をしてきた。二人の思惑はトライアスロンに出場した時点からすでに異なる。門出の時は近い。
 エルザのラン出走まであと5分……。

 北センチネル島西海岸参加者用ベース。
 サマーは相棒あいぼうのオータムの腕の中で目を覚ました。
「着いたな……。嗚呼ああ……。クリアウォーター……」
「そうだよサマー。聞こえるか?」
「聞こえるよ。波の音だ……。何も、何も変わらない。帰ってきたんだ……」
 サマーとオータムの周りは彼らと協調きょうちょうをしていた者たちをはじめ、参加者の数多くがいた。彼と彼の率いる集団の者たちは結果として後ろから数えた方が早い順位だったが、序盤の大きな後れやけが人や老人、素人を率いていたことを考えると奇跡的な巻き返しを見せた。そして命が救われた者も数知れない。
「オータム。ジェインもいるか? ご老体も。案内するよ。妻が家で待っている。キッシュを作ってくれているんだ。皆で食べよう……」
 ジェインは二人を邪魔しない距離に来て、サマーに涙ながらに話しかける。
「最高じゃない。つ、っ、連れて、行って。サマー……」
「あ、あ……」サマーの最期の返事だった。
 ……、……。
「サマー……。お互いどちらかが一着になったときに、賞金を山分けする話だが……、まだまだ先になりそうだ」オータムはサマーを腕で固く抱きながら、天を見上げて語りかけた。
 泣きくずれるジェインとオータム。耐えられなくなった大柄おおがらジジイが歩み出て、彼の目蓋まぶたをそっと閉じた。
「わしゃあ。もう行くよ。お前さんらはどうする?」
「俺はリタイアだ。気をぬいたら、眠っちまいそうだ」オータムは笑みを浮かべてそう告げる。彼の表情に曇りはなかった。
「まだじゃ。輸血をせんうちは、寝るんでないぞ」
 ジェインは横たわるサマーの胸元に顔を埋めたまま嗚咽おえつをもらして、離れようとしない。
「ミスター・フリーちょっといいか」エルザは無表情でジェインの後姿をしばらくながめていたが、ついに声をかけることも諦めた。そのかわり振居にひとこと言い放った。
「……。そうかよ。分かった。お前も気を付けろよ」振居はすでに外していたジェインのゼッケンをエルザにおしつけた。
 無言でサーバルキャットのぬいぐるみは出走位置につく。
「その番号、おぬし。犬の姉ちゃんの、相棒のようじゃな」
義妹いもうとが世話になったみたいね」
「逆じゃよ。助けられた。すごい女じゃよ。おぬしの妹は」
「へえ。……。正直言ってあんたがうらやましいわ」
「……。恩を返したい。命に代えても。レース中困ったら、わしを頼ってくれ」
「なら、早速だけどいいかしら?」

 ウィークエンド・アイスホッケーは狩猟しゅりょうと週末のスポーツをこよなく愛するカナダ人である。自前のライフルをかつぎ、シャーディの呼びかけにより今回の大会にボランティアとして参加していた。
「おい。アイス? 交代の時間だぞ」
「おいおい、ドギー。おりゃ、まだ一人も仕留めてないんだぞ。引っ込めなんて、クソ食らえだ」くちゃくちゃとガムをんで船上の一番いいポジションでりながらも、今しがた出走したばかりのラン参加者に向けて目は光らせている。それは交代を告げた同僚たちも同様だった。すでに装備の手入れは終えている。不必要に手を動かしたりはしない。
「よく言うぜアイス。知ってるんだぞ、バイクでとんでもない盛り上がりがあったんだろう。お前だけなんだよ見てたのは」
「ちぇ、ばれたか。今回はかなり熱いぜ。引っ込んでられるか」
「ははははは!」
 和気あいあいとしているが相変わらず、参加者に目は光らせている。船上に一瞬、緊張感が走り。笑いが止まった。
 後方集団を走っている何人かが明らかに変だ。二人三脚ににんさんきゃくをしている。
「何だあれ。走りながらチークダンスおどってやがる」
「ちげえよ。二人三脚だ」
「何でこんなところでやってやがんだよー」
 再び船上で笑いが爆発した。ボランティアとはいえ今は職務中だ。ビールの一本でも飲めないことを全員で残念がった。
「ん? まてまて、あいつらふざけやがって!」
「どうしたんだ、アイス。急にトサカ立てて?」
「あのジジイ、オレの……、オレの、ジェニファーと、走ってやがる!」
 二人三脚をする愉快な四人のその先頭にいる大柄おおがらジジイ。肩を組んでいるのは人間ではなくアイスホッケー秘蔵ひぞうのダッチワイフだった。
「あ、本当だオレのサンドラもいやがる!」
「オレのブリトニーも。いつの間にがめやがった!」
 一人が怒りのあまり、ライフルを構えたが途端とたんに船上はもめだした。
「やめろボンクラ。ジェニファーにあたるだろうが!」
「あ! だれがボンクラだ!」
「やめろ。とにかく発砲していい状況じゃねえ。奴ら違反はしてないんだ」
 当然ながら事前にダッチワイフを盗んでいたのはエルザだった。二人三脚する四人はバイクレースでジェインの集団にいた者たち。リスクは承知しょうちの上で行動をしている。
彼らはわざと、森の方に向けて走って行った。
「おいおいおいおい。住民が奴らを囲みだしたぞ」
「神様。どうかサンドラが傷つけられませんように」
 何と森から島の住民たちが、ジジイたちに向けて走ってきた。驚くことに槍を持っていない。ジジイたちを囲んだのはいいが、手を出さずダッチワイフの方に興味津々きょうみしんしんだ。
「おいおいおいおいおい! やめろ。ジェニファーをそいつらに渡すな」
「いい加減にしろよ、あいつら。何で娘を頼むみたいな、ほこらしげなツラしてんだよ」
 海岸ではジジイたちがにこやかに胸をはり、ダッチワイフ贈呈式ぞうていしきがとり行われていた。
「ええんじゃよ。ええんじゃよ。わしの聡子さとこをどうか頼むえ」
「しかし、こんなにこいつら友好的になるとは……」
古今東西ここんとうざい、人間は性欲一番。作戦通りじゃよ。猫の姉ちゃんよ」
 エルザはダッチワイフの中の一つ、その服の中にひそんでいた。
 指示通り、ジジイは森に近い位置まで来てくれた。信じられない勇気。いや、サマーという男の死が影響しているのだろうか。エルザは少々歯がゆかった。
 ダッチワイフが島の住人に手渡される前に素早く服の中から抜け出して、その小さな体をさらに低く四足を地につけて、静かに、しかしとてつもなく素早く森の中に入った。
 あまりに瞬時しゅんじのことだったので、島の住人はおろかジジイたちでも気付かなっかった。

 しかし……。
 カロダパティ・シャーディ。
 彼女は島を周遊しゅうゆうする彼女専用の高速艇こうそくていでその様子を見ていた。サングラスをわずかに下げて部下たちを一睨ひとにらみして上陸を指図した。
「見ていてやると言ったろう。猫の蛆虫うじむし様。うまくまいたつもりだろうが、私は誤魔化ごまかせなかったみたいだな」

 そして、森の中。
「ヒョ、ヒョーーーーーーウ」
 動物じみた仲間たちの歓声かんせいを遠くに聞きながらレヴは静かに森の中を走る影を目でとらえていた。
「ふん。欲深い猫が一匹か。……。少々つまらんが、追うとするか」

 エルザは慎重かつ素早く森を進んだ。
 草を揺らさないよう、木々を伝い進み、枝のれが遠くから気取られないように飛び移る。
 木も、背の低いものを選んだ。そうしてややジグザグに、ひたすら島の中央に向けて進む。
 厄介やっかいなのは木々に住む猿やナマケモノのような動物だ。時々目があい、手を出されかける。その度に更に低い木か地面に降りて体制を立て直す必要がある。
 しかし、彼女の向かう先は何をもって島の中央か? 当然情報もないし、当てもない。エルザの足の向かう先はどこか?
 実はやや闇雲やみくもに近かった。こんな常夏とこなつの島に成る果実など、そういうものは日当たりのいい高い場所と決まっている。大雑把おおざっぱだが現状とれる最良の選択肢に思えた。
 森に入ってすでに二十分は経つ。エルザは人の気配を察した。
 進む先にそれはいて、手招てまねきをしている。ときどき地面が軽く木の棒で、こつん、こつん、とつつかれる微妙な振動が近くなりつつあるからだ。住民であれば仲間にそんなことはしない。口笛か叫声きょきょうせいか、もっと分かり易い手段を取るはずだ。
 エルザは慎重にその者のいる場所にたどり着いた。
 住民だ。一人で立っていた。
 木の上で様子をうかがうエルザを男は見上げていた。しばらく無言で目を合わせていたが、 
 男は手に持った槍を地面においた。
 エルザはなおも警戒して木の上からうごかなかったが、恐る恐る話しかけた。
「He,Hello~~」
 男は何も答えない。だが、顔には敵意のないことが書いてあった。島の住民はどれも振居のようにとらえどころのない妙な面なのに、この男だけどこか理知的で穏やかさが感じられる。
「教えて。ここはエデンの園なの?」リスクを承知しょうちでエルザは問うことにした。
「エデンの園なんて私は知らない」少し間をおいて男は答えた。
 実に静かな時間が流れた。エルザに男の話す言葉は分からない。だが、目や表情が容易に男の言葉を想像させる。  
 それが自然と語気と連動しているのだ。単語や語尾、そして語気ごきに至るまで、すらすらと拾うことができる。本当に不思議だ。
 男はさらにこう続けた。
「心配しなくても君の探すものはある。楽園か永遠の罪か。どちらが欲しい?」
 全身が電流を浴びたように震えた。穏やかに語るこの男が自分にとって何者なのか、何をもって問いかけるのか。  
 エルザは何となくだが察せてしまった。
「罪」震えを隠して、はっきりと答える。もう、後戻りはできない。
 男は左腕を上げて、右斜め前を指さした。島の南東方向だ。
「まっすぐだ、岩山も登れ。まっすぐだ」
「あ、ありがとう」
「必要ない。君には興味がないんだ。好きにするといい」
 エルザは逃げ出すように、男が指差す方向へ飛んだ。

 レヴはエルザの姿を見失っていた。森の中に、明らかに殺意を持った人間たちが四、五人ほど侵入してきたからだ。
 仲間たちが彼らを攻撃しているが、動きが洗練されていてかなり素早く、なかなか傷をつけられない。このままでは、奥まで侵入をさせてしまう。
 本気でかかれないことはレヴ達も同じであった。森の住人は人間だけではない。騒がせることは本意ではない。
 救いは侵入者たちが、レヴを攻撃してこないことだ。
 忍び込んだ猫を探しているだけかもしれないと、ふとレヴは考え出した。
 だが、何もしない理由にはならない。
 ツルにぶら下がり、一気に彼らとの距離をつめた。
 一人を蹴りで吹き飛ばし、別のツルに飛び移り、彼らの頭上を越える。木に一周巻き付け、百八十度転回、背後を取る。ぶらさがったまま獲物の体を後ろから抱きかかえ、仲間たちにツルを引き上げさせた。
 木の上まで引き上げようとしたが、片腕が空いていたせいで、取り押さえていた獲物はとっさに持っていた武器を離してレヴに拳をり出してきた。そして避けているスキにスネを蹴られ、肘打ひじうちをくらい逃げられた。
 どうも手練てだぞろいで状況が膠着こうちゃくしそうだ。 
木の上に戻りレヴは逡巡しゅんじゅんしていた。
 刹那せつな、遠くで大きく木々が揺れて小さな影が動いた。仲間たちも同様にそれを察知していたが、彼らを手で制した。
「俺が追う。友よ、ここは任せた」
 レヴはエルザの影を追った。そして、レヴの挙動を当然シャーディは目で追っていた。

 振居ふりいはジェインをおぶって所々死体の転がるビーチを走っていた。
 サマーの遺体がボートに運ばれたあとで、石のように動かないジェインを無理やり背中に乗せてきたのだ。
すでにレースをする集団ははるか先にいるため。船上からの監視も住民たちも周りには見えなくなっている。
 しかし、住民が森に潜んでいない保証はない。当然生きた心地がするはずがない。ジェインを背負いながらも、1 キロ4分30秒の健脚けんきゃくで必死に走る。
 猫型の足跡は確かにビーチに残っていた。大分距離は離されているだろうが、確かに足跡を追っている最中だ。
「ここだ足跡がとぎれてる」
「行って! 森の中よ!!」
「いや、やめとこうぜ」
 振居はジェインを背中からおろして大きくうつむいた。
「See。ボートの中の説明で言われなかったわ。森のなかいはいることを反則だなんて、そんなこといってなかったでしょ」
「いや、今更、命の危機なんて、なんにもおもっちゃいねえよ」
「何がいいたいの?」
「ランの出走前に言われたんだ! あいつ、エルザは追ってくんなって言ったんだよ。ここまできといてさ……。一人で行っちまいやがった! 俺らは利用された、そうおもわねえか?」
 大声で言い返そうとしてジェインは震えた。泣き出すように振居には思われたが、その予想は外れた。
「だからなんなの? 行って。一生のお願い」涙声ではあるが、ジェインの口調はっきりとしていた。
「Fack! 知恵の実なんて、ありゃしねえよ! あいつのやることに巻き込まれて何になるんだよ。お前!」
「いらないわよ。アタシも、そんなもん!」
「ほら、いらないだろ! やっぱお前もよ」
「追いつきたいのよ! 姉御に。エルザに!」
 ジェインは顔を不細工にひしゃげて、両目のはしに涙をめた。
 急に泣いた意味は分からなかったが、振居は情けなく頭をかいた。こんなときに極端に不器用となり言葉をかけにくくなるのは日本男児としての性なのだろう。
「おまえ、今日はよく泣くな……」
 振居はそっとしゃがんでジェインに手を伸ばした。
「ほら、行くぞ。今ならみられてねえ」
 なきじゃくり、ジェインは振居の手を取った。ぬき足、差し足、ゆっくりと周りを気にして一歩一歩侵入していく。
「そこの人間! 森の中への侵入は禁止されています。即刻そっこく戻りなさーい」
「わっ、やっぱ見られてた。俺だけかよ! 畜生ちくしょうめえ!」
 振居はジェインを両手でつかんで森の中深くへ逃げ込んだ。
「やむを得ない場合を除き、森の中へは侵入してはなりませーん。二名、今すぐ戻り、ベースに帰りなさーい」

 四足で飛び跳ね、森を駆けるエルザは圧倒的に速かった。時速35キロ。本物のサーバルキャットには遠く及ばないが。ランでトップゴールは余裕だったろう。岩山が先に見えてきた。
 だが、背後から自分の倍近くの速度で誰かが追いついてきている。その気配はあっと言う間に自分の背後に迫った。
 エルザはすぐに木から地面へと飛んだ。
背後に迫っていた原住民の男は笑みを浮かべていた。
「よくかわしたな。ただの猫ではなっかったか」
 エルザは無言で地面に散らばる石をかき集めて手に握りこんだ。次第に息が荒くなり、フウ、フウと本物の猫さながらの声を出すようになった。
「こい。よもや、まけるとは思うまい」
 レヴは槍を振りかぶり。エルザめがけて急降下した。
「フウッ、シャーーー!!」
 レヴの槍とエルザの前足が交差した。

 同時刻……。
「はあ、はぁ……。あったぞ。あいつ、木にも自分の足跡つけてやがる」
「こっちもよ。この方向であっているハズ……」
 深い森の中、振居とジェインは確実にエルザの足跡あしあとを追っていた。

 そしてさらに同時刻……。
 特別許可により、ウィークエンド・アイスホッケーたちボランティア集団の北センチネル島上陸が完了。重火器を両手に彼らも森へ深く入っていく。
 失われたダッチワイフを求めて……。

(次回へ続く……)
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