オットマンの上で

刺客慧

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第七話:くるま交差点(下の上)

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(前回までのあらすじ)

 やっとおっぱじめられる。


 ***

 ノブ子は己の無力感だけはっきりと認識していた。
 だらしなく半目で視線をそこかしろに泳がせ、こむら返りすら忘れている。
 今の彼女にとって天地は逆さだ。そのことすら今はぼんやりとしか認識できない。

「一つ教えておくが、ゲリウスからコクーンも取りはずす。コアラー、ゲリウスは処刑だが、その子は我々が責任を持つよ」青年はそう告げてどこかへ去って行った。



 マッサージルームの中で繰り広げられるゲリウスの処刑を見つめる中に、ひときわエンジン音を潜めて目を反らそうとする一台があった。
 ゲリウスの夫であるミニバン、ボマーだ。
 ゲリウスとの婚姻こんいん関係自体は偽装ではない。正式な夫婦だ。子供が一台いることも事実だ。
 ボマーも意志を持った車の一台かつ、意思を持つ車の中の一人としてコアラー、ゲリウスの誘拐に参加していた。この処刑、見るのはつらいが仕方のないことだ。
 しかしマッサージルームの状況が変わったことで、彼のエンジンルームは一気に過熱し、怒りの咆哮ほうこうを漏れ出すことになる……。



 老整備士はよからぬ気配を感じた。
 だれも操作していないはずの中央のリフターが下がって行き、再び上がると、まだ処刑場に招いていないはずのコアラーがそこにいた。

 しかもコアラーの運転席には弟子の瓦鷺かわらさぎが乗っている。

 弁髪べんぱつで関羽のようなひげが特徴の元十俊英じゅしゅんえい土岐は、己の愛用ラチェットを肩に乗せて、迎え撃つ構えを見せた。

「ン、いいか、このグ、愚図ぐず。せめてゲリウスを助けたいとほざくなら。派手に暴れてみせろっ」わかるはずもないが、瓦鷺はコアラーにそう言い聞かせると、ドアを開けて外に出た。

 ちなみに瓦鷺はメルザのように車たちに問いかける言葉のレパートリーは少ないが、いくつか彼らに通じる言葉を知っている。また、ノブ子のように車たちの言葉を理解することはできない。ただ、長年の経験から車がどんな言葉に反応するか、何を考えているのか何となくわかる。それだけだ。

 コアラーはゲリウスを見つけ、唸りを上げた。
 ブオオオオオオオオオオオ! オン! オンオンオン! オオオオオオオオオオオオ!

「よしよし」暴れ始めたコアラーを満足げに見ながら瓦鷺は土岐と対峙する。

「カワラサギ、まさかお前がここを嗅ぎつけて来るとはな」土岐は元弟子を目で制した。

「グ、何であんたが、車どもなぞに、くみしてる? シ、師父しふよお」瓦鷺は懐のコンベックスを取り出し五十センチほど伸ばした。

「丸くなったな瓦鷺。己の欲しかないはずのお前が、他人の事情を聞くか」

「グヒヒッ。外にいる暫穴ざんけつのやつと何を、な仲良く企んでる? は、話によっては、仲間に加わってやらんでもない」

 土岐は細目の端を吊り上げた。背後ではコアラーがマッサージスタッフたちを追い回している。

 マッサージ師に扮装ふんそうしてはいるものの彼らは元スモーマフラーのスペシャリストで車のメンテナンス等は当たり前として、荒事あらごとにも精通している。
 容易に蹴散らせる存在ではないのだが、それでもコアラーの怒りが勝った。今は距離をとるのが精いっぱいで、ひたすら1台のSUVに追い回される有様となっていた。

 だが土岐は自慢の髭のほこりを払い余裕を見せた。

「見ての通りだ。今の吾輩わがはいはただの処刑人よ。時給九百八十円。貴様もやるか?」

「グゲッ? やっす! グ、ジジイは大人しく年金で暮らしとけ」

「ほっとけ。貴様こそジジイのくせに」

「グ、わしゃ、まだ五十一だ」

 コンベックスが鋭く瓦鷺の手元から伸びる。土岐はラチェットで間一髪かんいっぱつ受け止めたが絡みついた。コンベックスの巻き取りスイッチにより、瓦鷺が間合いを詰めてくる。マイナスドライバで土岐は拳を受けた。

「グヒッ。面倒だな。ン、アンタを相手せにゃいかんとは」

 土岐から蹴りが飛んできた。食らうと肋骨ろっこつが無事では済まない。瓦鷺はコンベックスをしまい、飛びながら土岐と距離をとる。
 しかし、着地した途端とたん、足にブースターケーブルが巻き付いていた。土岐は瓦鷺の動きを予測し、得物をこの一瞬で切り替えていたのだ。

 ケーブルがおもいきり引っぱられた。足を取られ、仰向あおむけに倒れた瓦鷺は目を白黒させながらコンベックスを土岐に向けて再び伸ばした。

 これには土岐も不意をつかれた。得物の持ち替えを諦め左腕で受けるも。右腕にも巻き付いた。

「ヒヒヒッ、シャアッ!」
 瓦鷺がコンベックスを巻き取りながら引くと、白衣と共に土岐の両腕がズタズタに裂かれた。白衣の切れ端が舞い、土岐が膝をつく。

 さらに瓦鷺は、返す刀でコンベックスをまた伸ばした。
 しかし、何故か伸ばしたのはこの部屋をおおうガラス壁だった。円状にくりぬいて、部屋の出口を確保する。

「グ、グクク、猿芝居め」瓦鷺は土岐の両手を見た。

 土岐は両手に強化繊維を巻き付けていた。
 先ほどのコンベックスによる一撃はノーダメージ。やられたふりをした彼にとどめを刺そうと手を出していたら、今頃返り討ちになっていただろう。

「グ、まったく。これじゃ勝負がつかんわ」

「強がるなよ」土岐はにんまり笑った。

 コアラーはマッサージ師たちにより体中にベルトを巻き付けられて取り押さえられつつあった。一名の手が空いて、土岐の援護にかけよる。状況は瓦鷺側が圧倒的に不利になりつつあった。

 だからこその先ほどの一手だ。

 瓦鷺はくりぬいたガラス壁の穴から脱出した。
 そのままコンベックスを柱に括りくくり付けて暫穴のいる場所に向かって大きく飛んだ。彼女の前に立つ。

「お前!」同じ十俊英である暫穴の声は激しい侮蔑ぶべつに満ちていた。

「ちくと遊ぼうや、グ、お嬢ッ」

 暫穴は手元のコントロールスイッチを操作した。

「グ、それでええ」

「やってくれたな……」

 コントロールスイッチはフロアの一酸化炭素濃度を上げるものだった。暫穴はそれをたった今、オフにした。穴の開いたマッサージルーム内で土岐達に被害が及ぶことを避けるためだ。
 対人間用にこの施設内全室に整備された仕掛けで、細かく濃度調節することでノブ子たちは意識をぎりぎりで保ったまま無力化されたのだ。

「起きろ」瓦鷺はジェイミーとメルザを蹴とばした。

「あなた……」ノブ子だけでなく平行感覚が戻った皆が救世主であるはずのこの車産業医を睨みつけた。

 瓦鷺にむけて暫穴は強烈な抜き手を放ってきた。瓦鷺はかわしながら飄々ひょうひょうとノブ子たちをあおる。

「グ、ほら、早くせんとあの二台は仲良く解体ショーじゃよ。行った行った」

「ゴンイミフなんだけど。マジキャパくねこいつ……」

「いやメルザ、瓦鷺的にも、あの二台とお腹の子に死なれたら困るんだ」

「でもやっぱり信用できない」ノブ子は瓦鷺の一挙手一党則いっしょしゅいっとうそくから目を離せなかった。

 わざわざノブ子たちを起こしてまで自分が勝ちきれない相手に当てようという狡猾こうかつさ。そもそも、他のスモーマフラーの仲間が来ていないということはこの男、抜け駆けをしているのだろう。本当に油断できない。

「ジェイミー、あいつから目を離さないで。私についてて」ノブ子はジェイミーに告げたが、肝心かんじんの彼がいない。 
 
 ……。というか、側に誰もいない。

 ああ、みんなもう……。



「ドキ様。大丈夫ですか?」
「ああ、傷はない。だが、寄る年波としなみには勝てんということか」部下の一人にしんどそうに、愚痴ぐちを言った土岐。自分の腰にわざとらしく手を当てる。

 そんな冗談を言っていたのも束の間、土岐は殺気を感じた。先ほど瓦鷺が立っていた場所に何者かが残影ざんえいを残し、降り立った。

 狼の眼をしたゴールデンレトリバーのぬいぐるみがそこにいたかと思えば、こちらに向かい静かに短い脚を動かして迫る。

 横にいた部下が素早くパイプレンチを構えて襲い掛かる。

「ダッサ↓ 寄ってくんじゃねーよ!」

 うあっっ、という悲痛な悲鳴が聞こえた。部下は両手首を鋭く切られて鮮血を宙にきながらうずくまった。

「浅いし、バリ一くらいだし☆ 早く止血してもらいな」
 地面に落ちたパイプレンチが大きな音を立てる。

 土岐はメルザの手元から目を離さなかった。

 カシャカシャ音を立てて高速で変形するバタフライナイフ。
 デコレーションしまくった持ち手に、よく手入れされた光を弾く刃。ぶら下がる黒いスカルのキーホルダー。両目の代わりに入っているルビーが怪しく光る。何ともおどろどろしく、ねちゃついた存在感が脳に滴った。

「やれやれもう新手か……」土岐は片眉を吊り上げた。

 得物を選んでいる余裕はなかった。

 瞬く間に距離をつめられ、土岐の愛用のラチェットに深々と刃が食い込む。

「シャバ造相手だし、さっさと終わらせるし☆」

 土岐は後ろに飛び下がった。真っ二つになったラチェットの隙間からブラックスカルに埋め込まれたルビーの怪しい光が差し込んできた。

 土岐は瞬時に伏せた。

 レーザーだ。焼かれて千切れた土岐の弁髪が、目の前に落ちて来た。さらに紅い怪しい光が差し込む。

 土岐はありったけの力を入れて踏ん張り、クロスレンチを振りかぶった。
 ルビーが光ったあと、レーザーがこちらに到達するまでにわずかに時間差がある。
 案の定、レーザーは弾かれ、クロスレンチがメルザに向かい高速で回転してきた。

 毛一本でかわしたメルザはガラスをぶち抜き、このフロアの壁までもをぶち抜いていくクロスレンチを背中で見た。

「ゴリちゃん。動物園から出てきたらダメでしょ☆」

「ふむ。力ずくはお気に召さんかね……」




 ゲリウスは理解ができなかった。

 罪にあらがう罪を重ねるコアラー。そしていま、まさにそれを援護する四人の少年少女たち。

 少し毛深い彼らは小さい体で宙をはねて他の人間たちを妨害しながらコアラーを助けようとしている、まるでロビン・グッドフェローだ。

 ……。また、ECUが痛んだ。それもこれも、全てコアラーのせいだ。彼は人間たちに縛られながら今まさに自分が重ねている罪に苦しんでいる。

 それは今マッサージルームを囲んでみている車たちも同じことだ。彼らも同じように苦しみにもだえていた。
 そう、車たちは、他車が起こした罪が自動的に、どこに居ようと共有されて同じ苦しみを味わうことになる。

 車たちにとってとは一体何だろう。
 人間と同じだ。社会があり、その中でそれぞれの共同幻想を作り出すだけだ。他車を殺すのは罪、人間を含めた動物を傷つけたり、殺めたりしたりすることも罪、自死も、まあ大体は罪。勝手に他車のケツのにおいいだり、ウィンドウォッシャー液を漏らしたりするのも車によっては罪なんだろう。

 そして罪は繰り返すことで何も思わなくなる。すでに人間をき殺すことに対してはほとんどの車が今や何も思わなくなった。自分が傷ついたり、廃車になるかもしれない等のリスクがあるからしないだけだ。

 それはスモーマフラーの一部の人間たちが不正を行うことに抵抗が無くなっていくことと同じことだろう。

 だが、誰かが罪を起こすことに痛みを覚えれば痛みは全体に伝播でんぱする。どれか一台が重い罪を感じるようであればそれはリスクなのである。
 それ故彼らは、過ちを犯すことに敏感で他車と接触には細心の注意を払う。

 に対しては特にだ。
 車たちはいつからか罪を犯す観察対象として人間を選んだ。人間たちは毎日多種多様な新しい罪を発明してウィルスのように世界中に広めていく。

 特に『不正』は恒久的こうきゅうてきな観測対象だ。利益に踊り、無知なる他人からあらゆるものを搾取さくしゅする。それは人間社会が形成されていくとほぼ同時にできたのではないだろうか。
 村がうまれ、町ができあがり、国々ができたと思えば滅び、王朝が産声をあげる。
 滅びのきっかけは小さな不正であり、時の河の中で人間は次々と社会を消しては作り、作っては消す。社会ができた途端、不正もまた芽を出す。もうそれは、一種の力学に基づいたものだ。

 そして今まさに不正の餌食えじきにされたばかりのゲリウス。
 彼女の眼に新たに映ったのは自分の夫であるボマーの姿、ゲリウスが犯している不貞の罪、コアラーが犯している罪に抗う罪、そして自分が犯した妻を見殺しにする罪、三重の罪に苛まれながらもコアラーに向かい激しく襲い掛かるあさましい姿。

 ……、もう全てがどうでもいい。

 ゲリウスは自らの意志で自分のエンジンを止めた。


 ***


CCシーシー、君は、いつから……?」

 答えは返ってこない。犬のような、おびえつつも甘える動きで非津ひっつの手を鼻先のエンブレムでなぞっていた。

「ヒッツさんやったじゃねえか!」

 突然声をかけられ、肩がびくついた。振り返るとハルオがいた。

「ヒッツさん。ずっとさ、ゲリウスちゃんとか、車の幸せを祝ってただろう! それがこいつにも分かったのさ! あんた、しわわせだぜえ」

 私が……、非津はまたCCに目を落とした。

 胸が締め上げられる。咄嗟とっさに口を閉じて険しい顔に戻った。口を開けたままだと、言葉にならない嗚咽おえつが出るところだった。

 パートナーの不穏な気配にCCは敏感に勘付かんづき、気を落として何歩も下がる。
 ヒッツさん? ハルオは不思議がる。

 フォンフォンフォンフォン、ウォオオオオオオオオオオオオ!!

 非津とハルオの二人は驚いた。突然CCが唸りだしたのだ。

「CC!」

「CCちゃん!」

 ウォオオン! ウォオオン! ウォロオオオオオオオオオオン!

「な、落ち着け! CC! 何があった?」

「CCちゃん!」

 ウォロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

「CC……」

「あぶねえぜ、ヒッツさんよ!」

 ハルオは非津を押し飛ばした。

 間一髪だった。しきり唸りを上げたあと、CCはタイヤ痕を残して突如走り出したのだ。

「オゲエ!!」

 非津をかばったハルオは跳ね飛ばされ、十メートルほど回転しながら宙を舞ったあと、そのまま走るCCのHANKボディの半ケツ部分にはまり、CC共々走り去って行った。

「CC! ハルオさん!!」
 非津は慌てて走り出した。


 ***


 十条は走っていた。ホワイトホールより逃げ出した砂里さりを追って……。

 心は少年のころに戻っていた。

 養護施設にいたころ、夕方必ずえさをもらいに雌のビークル犬がやってきた。十条は冷蔵庫の中身を密かに拝借はいしゃくして与えていた。

 しかしある日、十条がいつもの場所で待っていても犬は来なかった。

 次の日、同じ施設の女の子が施設の入り口で職員と共にその犬に餌を与えていた。一昨日前まで自分に向けられていた笑顔が別の人間たちに移っていた。

 知らんぷりをして戻る十条を雌犬はただ目で追っていた。

 しばらくして、下校中に河原で雌犬の姿を見た。何かをくわえて急ぎ気味に歩いていた。十条は目で追っていたが、ふとした拍子ひょうしに視線が合った。犬は逃げるように走り出した。



 あの時と同じ……。河原で草をかき分けながら、自分から逃げる砂里を追った。逃げる砂里の目つきは誰よりも強い。追う側の十条の眼は誰よりもおびえていた。

 血でぬれたホワイトホールの床、そこに倒れる自分の部下二人を見た時、十条はまだ取り乱さずにいれた。首をペンで刺された部下、頭を打ち付けられ血を流して壁にもたれかかる部下。
 
 息を切らせ、砂里は自分をにらんでいた。十条はその瞳を見て、あくまで平静を装い、ゆっくり近づいた。だが、砂里は十条相手に強気に食ってかかることも、部下たちにやったように殺しにかかることもせずに逃亡することを選んだ。

 あああああ! 十条は取り乱した。背を向けて逃げる前、一瞬で意思を決めた砂里の瞳は河原で目が合った雌犬のものと同じだった。



 十条は必死に犬を追っていた。そして逃げ道のない場所で雌犬は十条に振り返った。
 子犬がいた。雌犬がくわえていたのは子供の餌だった。多分施設でもらってきたのだろう。彼女の眼は冷たくこちらを警戒けいかいするものだった。

 あの時と同じなのだろうか……。

 逃げ場をなくした砂里は十条をにらみつけていた。

「お前……」

「来るな!」砂里は恨み言も皮肉も言わない。動物の本性ままだ。十条は口元を情けなくゆがめた。

 あの時と同じ……。子がいる。砂里の腹の中だ。

「来るなあ!」

 砂里は石を拾い、おもいきり投げた。十条の眉間にヒットする。
 しかし十条の額は薄皮一枚はいで少し血が流れただけだった。石に威力はなかった。

 十条は恐る恐る前に進む。

「う、……、またこんなときに……」
 砂里はまたも苦しみ始めたが、脂汗を流して耐えて、また十条を睨む。その両頬には……。

「サリィ……」

「あ……、アンタの子よ!! これは!」腹を片手でおさえながら砂里の両頬りょうほほには川ができていた。

 十条はなおも歩を詰める。情けなく口元をゆがめたまま、十条は砂里と同じように涙を流して卑屈ひくつな笑みを作った。

「知ってる……」



 もう一匹、どこからか秋田犬が雌犬の前にのそりと出てきて、十条に立ちはだかった。
 年老いた、図体ばかり大きい片眼のない犬だった。とても子犬の父親には見えない。しばらく対峙するも、老犬にとびかかってくる様子はなかった。



 あの時と同じ……。
 目の前に現れ、立ちふさがったのは先ほど旧本社ビルで挨拶をした、スモーマフラー前会長の角力田狂四郎すもうだきょうしろうだ。

「十条くん。私にも手を上げるかね……」

「つ、ううううううぅ……!」

 食い殺してくれればよかったのだ。十条は惨めな気持ちのやり場がなかった。
 
 気付いた時には、自分の頭以上もある大きな石を持ち上げていた。
 微動だにしない老犬に、影が落ちる。


 ***


 キュオオオオオオン!

 全員がゲリウスの再起動音を聞いた。

 しかし、それが何だと言うのだ。 
 一瞬で自らのエンジンを絶ち、一瞬で自らのエンジンを再起動したゲリウス。何が変わったのか皆が分からなかった。

「どうしちゃったんだろう、ゲリウス? あれ、おーい、ノブ子……? どこ?」マッサージ師の一人を特注グローブで殴り倒しながら、ジェイミーはあたりをきょろきょろする。

「ノブ子しゃん、あのお医者さんのところでしゅ」
「怪しいって言ってたでしゅ」

「ああ、しまった……」あまりのフラストレーションの溜まり具合から意気揚々と壁穴の開いたマッサージルームに入ったはいいが、状況を把握できていなかった。

「ごめん、ここは頼んだよ」
 ジェイミーはまた何も考えず、あっさり持ち場を放棄した。

 キョトンとする双子をマッサージ師たちがかこむ。

 双子のトイプードルは思わせぶりに、辺りの匂いをかぎだした。

 くんくん。
 くんくん。

 マッサージ師たちが一斉に警戒をする。

 くんくん。
 くんくん。

 ……、……。

「あ、ぼくら、くんくんしてるだけでしゅ」
「おかまいなくでしゅ」

 ……、……。



 コアラーはジェイミー達の協力もあり、拘束ベルトを振り払うことができた。
 オーバーヒート気味のエンジンを必死に動かしてゲリウスに近づく。

 ゲリウスと見つめ合った時間は短かった。言葉も二、三言しか交わしていない。

 電子音で何かを促すゲリウス、黙っているコアラー。

 なにかが起こる瞬間だったのだろうが、その前にボマーが激しくコアラーに突っ込んだ。
 
 コッちーーーー!! メルザの叫びが聞こえてくる。フィン、と音を出して大きく狼狽うろたえるゲリウス。
 ゆっくりボマーがバックする。

 コアラーの右側は大きく車体がへこみ、前後どちらのドアも空きそうにない。左側は強化ガラスに当たり、右側ほどでもないが大きく傷ついている。おそらくフレームまでぐしゃぐしゃだろう。なにより頭を抱えることに、コアラーが一切音を発っしていない。エンジンは止まっていた。

 ボマーはゆっくりバックした。 

 とどめを刺すつもりだ。
 二度目の特攻が始まる。

 憎しみによるアクセルは全力のべた踏みだった。はち切れそうなまでのエンジン音を出して、ボマーが再びコアラーに迫る。

 しかし、ボマーの車体は横に大きくはじかれ横転した。
 ゲリウスがコアラーを守るためにボマーに、それこそ先ほどボマーがやったように横から体当たりをかましたのだ。全員がその光景を絶句しながら見ていた。

 マッサージ師の何人かは、ゲリウス拘束に走る。

 ぐしゃぐしゃになった顔でゲリウスはコアラーを見ていた。

 コアラーのエンジンが再び起動した。

 フォォォォォォォォン、とゲリウスは歓喜の声が押さえられなかった。

 ゲリウスにむかってとびかかったマッサージ師たちを、起動したばかりのコアラーがスピンしながら跳ね飛ばした。
 ゲリウスもそれを真似して自分の周りのマッサージ師たちを跳ね飛ばしていった。



 イワンを名乗る青年は最上階のコントロールルームからその様子を見て微笑んでいた。
 
 この場所にいても二台のエンジン音が聞こえてくる。大きくも、不快でもない、しかし確かに存在感のある胎動たいどうだ。

「素晴らしい。自らくびきを断ったか……」

 一人の男が、蚊があみをすり抜けるようにコントロールルームに入ってきた。

「グ、わしにゃあさっぱりだな。詳しく教えてくれんか」

 青年は瓦鷺を横目で見たがすぐに視線をはるか下の二台に戻す。

「君が来るとはね……。暫穴はどうしたんだい」

「あの嬢ちゃんなら油断しとったから、オ、大人しくさせといたよ」おそらくは下の階でコンベックスにまかれて暫穴は身動きが取れない状況なのだろう。

 だが青年は気にも留めない。

「君がわざわざここに入り込んだ理由は僕ということか……」

「正直、グ、ア、アンタにお目にかかれるとは、最初思うとらんかった」

 瓦鷺は青年に向かい跪いた。

「一応敬意を表しておこうか。長年、ツ、仕えた、主なんだからな」

 待って! 遅れながらも入ってきたノブ子が二人に割って入る。

「どういうことなの? 何でこの人がイワンさん。あなたに頭を下げてるの?」

 瓦鷺は完全に白けた顔をした。ノブ子に向かい何も言わず検電テスターの線を投げつけた。
 バシュ、と音がしてノブ子の目の前まで来ていたテスターの先端が落ちる。千切れたテスターの線が黒く焼け焦げていた。

「手出しはしないでくれるかな。君と違って彼女は私が連れて来たのだからね……」青年は青い目をむいて瓦鷺を睨みつけた。

 一瞬で瓦鷺はその場で、グ、とうめき、膝から崩れ落ちそうになるのをかろうじて、耐えた。しかし、全身から煙を出してよろけている。何が起きたかは知らないが相当なダメージを受けたことは確かだ。

「あ、貴方は……」

「僕はこの男の……、一応、主だ。グレートラハトハと皆から呼ばれているよ」


 ***


 埠頭に入ると、荒々しく走っていたCCが急ブレーキを踏み、止まった。

 非津はその速さに遅れることなく。積まれたパレットをすり抜けながら、CCに追いついた。足元で小蟹こがにが驚き逃げ出している。

 脚力のずば抜けた非津だから追いつけた。しかし、五キロ以上は全速力で走っていたため、流石に息切れはしている。

「CC、待て!」

 フウウウン、と音を鳴らしてCCは振り向く。ボディに挟まったハルオは気を失っているのか返事をしない。

「そうだそうだ、怖くない。私を見ろ」

 フォン! フンフン


 よしよし、汗を描きながら非津は手招きした。

 ピーピーピーピー、ウウン!

 フォークリフトの稼働音がCCにも非津にも小うるさく入り込んできた。

「兄ちゃん邪魔だよ。ここ、荷物通るんだからすぐどいてくれ」

 フォークリフトの乗務員から注意が飛んだ、冷や汗をかきながら、非津は、すぐに、と返事をした。

「おい、そこベルト転がったままだ、早くどけろ」

「はーい」

 さらに現場の人間たちのやり取りが耳に入ってきた。頼むから静かにしてくれ、非津は願ったが止まりそうにない。

「あれ、おい、お前、午後からだろ。早くないか?」

「ちょっと早く用事終わりました」

「昼まで休んでろ。それに、KY用紙書いたのかよ」

 イイイイ、フォン、フォン!

「あ!」

 CCが敏感に反応して音を上げる。
 非津は歯噛はがみした。こんなところでNGワードが出て来るとは……。


「おい、まず入る前に書いとけKY用紙。戻って書け!」

「一緒に来てもらっていいですか? どこにあるか分からんです。KY用紙!」

 フォンフォオンフォンフォンフォン!

「止めろCC、待て!」

 フォオオオオオオオオオオオ!

 気がふれたCCは海に向かい突っ込んだ。

 CC止めろ!

 非津はウィングをつかんだ。間一髪海への飛び込みは避けたが、車体の半分以上は地を離れている。それに彼の馬鹿力をもってしても徐々にCCは海へ海へ落ちようとしている。

 ガボガボ、ごほごほ!

 先に海へ落ちたのはハルオだった。CCから振り落とされ、エンブレムにシャツが引っかかって首まで体がつかっている。

「止まれ、CC!」

 首まで血管を張り、非津はかつてない力を出した。

「ぶひぃー! たすけ、ゴボッ、ガプ! ブフ、ぶひ!」


 ***


 振り上げられていた石がまっすぐ落ちた。石は角力田元会長を空振り落下した。
 そして十条が、今しがた自分の両手に持っていた石の上に力なく倒れ伏した。

 間を置かずして、口を大きく開けてその様子を見ていた砂里が気絶するように白目をむいて横に倒れ伏した。

 角力田元会長は何者かの気配のする方向を見た。
 口から煙草の煙を吐き出してパイプをくわえたナマケモノのぬいぐるみがその風姿を見せていた。

「やれやれ、保険も、内部監視ないぶかんしも……。反隋はんずいに言われて来てみれば、こいつら、何てざまだ!」

「……、アルベ、くん……」

 角力田元会長の目の前に現れたのは十俊英のトップ、有辺あるべだった。

「お怪我はありませんか、角力田さん」

「平気だよ。……、この二人をどうするつもりかね」

「申し訳ありませんが、貴方にはお話できませんね」

 元会長はそれを聞き、有辺に立ちはだかるように前に出た。

「冗談です。こいつらには働いてもらわないといけません。責任は取らせますが、切り捨てたりはしない」

 元会長はそれを聞き、何も言わず座り込んだ。薄く笑い、一言、情けないな、とつぶやいた。

 有辺は元会長から目を離し、パイプを手に持ち、遠くに見える工場の並び立つ煙突を眺めていた。

「今更私が彼らをかばうなんて、おこがましい」元会長はそうつぶやく。

「貴方は精白せいはくな経営をしていただけだ。現場の些事さじなど知り得ぬこと。しかし、世間ではそれが誹議ひぎの対象になる……。我々は貴方に頭をこすりつけて謝らんといかん」目を開いたまま有辺は煙を吐き出した。
「アルベくん。君らも、故あって主犯になったのだ。せめて、あのとき、私がこの手で裁いていたら……」

 ……、……。
 ……、……。

「……、反隋から伝言を預かっています」

「ああ」角力田元会長は目を閉じてうなだれた。


 ***


 グレートラハトハと呼ばれている。その名がどれほどの価値を持つのかは知らない。けどこの青年は自らを瓦鷺の主と言った。


「それって……、もしかして……、スモーマフラーを牛耳ぎゅうじっているということ……?」

 青年は屈託くったくのない笑みを浮かべた。
「そういうことになるね」

「……、……」

「ここまで来たら、わかるだろう。全ては車のためさ。彼らに好き放題不正をさせることで、車たちは人間の罪を学べる。そして自らの教訓とするんだ」

「それって、自分たちは同じような愚かな過ちは犯さない。そのために……」

「ああ、そういうことだよ」

「けど! それで、ゲリウスは人間の好き勝手に子供を妊娠させられ、コアラーも罪を背負った!」ノブ子は迷いを捨てて、語気を荒げた。

「うん。計算外とは言わないさ。だが、人間の欲望の果てをこうして見ると、ここまでいきどおりを覚えることになるとは想像もしなかったよ」青年は少し苦そうに話しながらまたも、その目を青く光らせた。

 怒りを受けた瓦鷺は声もなく、体全体を発行させ、力なくその場に倒れた。

 もう間違えようがない。電撃だ……。手を上げることもなく、強力な電撃を目の前の相手に事も無げに浴びせた。

 先ほどの線を焼き切ったときも、まずテスター自体をショートさせ、検電線には過電流を流して線自体を焼き切れさせたのだ。

 肉の焦げるにおいが鼻に入る。ノブ子はピンクの体を青くした。

「スモーマフラーと十俊英はこれを機に解体することにしたよ」

 青年の決断を聞き、ノブ子は一歩詰め寄った、怖がっている場合ではない、そう思ったからだ。

「そしてあなた達はまた、別の組織を作って人が不正をする様子を観察するつもりね」

「……。車の未来のためさ」

「人間はどうなってもいいと言うの! それに、また、ゲリウスのように辛い目にあう車が出てくるのよ!」

「なぜ君はそこまで人間にくみする?」

「私は! ……、ただハルオに買われたシフトノブ。人によって作られて、ただ人のそばに居ただけ……。それに、これからもいたいだけよ」

 フフフ、と青年は薄く笑った。何がおかしいの、とノブ子はさらに詰め寄った。

「僕とて同じさ」

「え……」

「まあそれはいいか。君にもいずれわかる。もうすぐ人間は種として意味を成さなくなる。役目を終えるのさ。だが、未練がましく残り続ける。新しい種の足を引っ張り続けることでね」

「意味とか、役目とか……。それに新しい種とか、あなたは車たちが、そんなに特別だって……、そう言いたいの!」

「人間の手で生まれ、人間の思惑しわくを超えつつある。それをこの星の行く末を決めていく新しい種だと、君は思わないかい?」

「あなたほど簡単にはっ! そんなこと決めつけたりしない!」

「それで構わないさ。君は車の方にも情を持っているようだからね。それに事情が変わった。ゲリウスとコアラーの処刑は取りやめだよ」

「え……、それって、どういう?」

「君は瓦鷺を追うのに必死だったようだからね。見ていないか……。あの二台は自らを再起動したのさ。罪を共有しない新たな存在としてね。もう誰にもあの二台の罪の重さを知ることはない……」

「あなた……、泣いているの?」

 青年の声は震えていた。しかしその目には光るものがない。その代わりに一瞬目元が不自然に揺れた気がした。

「まさか。だが、そうだね。祝いたい気分だよ。出来れば君と、この瞬間を」

 ノブ子に向けて青年の細腕が動いた。あ、と驚いたのも束の間、ノブ子は誰かに鷲掴みにされて宙にあげられていた。

「悪いが、グ、その祝杯は挙げさせてやれんよ」

 背後で瓦鷺のくぐもった声が聞こえる。喉のつまりや咳込みが先ほどよりも激しい。電撃により体は動かせる状態でないはずなのに、それでもノブ子を握る力はものすごかった。

 青年は目を青く輝かせようとしたが瓦鷺は容赦なくノブ子を青年の前に突き出した。

「大事な客人じゃろ。ケヒッ、お、おまけに種だ、この星だ、混ぜて呑気のんきに口説きおって。神様はスケールが違うのう」

「……、……」あれほどまでに饒舌じょうぜつだった青年は瓦鷺を前にして焦った様子もなく、つまらなさそうに口を結んでいた。

「ワシ相手には、な、何も語ることはないということか」

「好きにすればいい。僕は、その子を無傷で手放してくれるなら何でもいいさ」

「ふん、態度が良くないな。!」

 瓦鷺は素早くテスターの線を青年に投げつけた。ワニ口クリップになっている先端は無抵抗な青年の胸元の何かをつかみ、瓦鷺の手元に戻って行く。

 同時に円型の影が素早く青年から飛び上がり、瓦鷺の右肩を鋭利なもので刺した。
 瓦鷺は、ググ、と刺された痛みに呻き、ノブ子が解放されて地面に落ちる。

「カワラサギ!」円状の影は天井に張り付くと目を見開いた。イトマキエイ型のぬいぐるみ。十俊英首魁しゅかい反隋はんずいである。

「グ、やはりな、ハンズイ。お前さんの憑依ひょうい擬態ぎたいだったか。そして……」

 青年だったものは擬態が暴かれ、木偶人形の姿になると、無機質に崩れていった。

 瓦鷺は左手につかんだものをまじまじと見た。
 スパークプラグだ。適度に金属部が磨かれ新しく見えるが所々よく見ると傷んでいる。しかし先端の電極は見たところ全くの新品に近く、奇麗なままだった。おそらく土岐あたりが繊細な技術で交換をしてきたのだろう。瓦鷺はそう勘ぐる。

「せ、せめて人と思ってたが。グ、こんなものに、わしゃ仕えてたとは……」

だましていたことは本当にすまなかったと思っている」スパークプラグは青年の時と変わらない調子で答えた。

「あ、あの日、ワシに神託しんたくを見せてきたのもお前らだな。さ、最初から、グ、グルだったか」瓦鷺は天井の反隋を見た。

「その通りですよ。私は元から車側だった。今更何も言いません」

「ケッ、同じ穴のムジナなことは、ジ、自覚してると……、サリィのやつは知っているのか?」

「いいえ、彼女はあくまで義娘。同士ではありません」

「グ、ククク、哀れだな、あいつも」

 瓦鷺はそう言うと、ノブ子もその左手につかもうと襲い掛かる。

 これには反隋も予想していたのだろう、瓦鷺の脳天を刺そうとその尾を鋭く突き出した。

 しかし瓦鷺の方が一枚上手だった。反隋の一撃が来ることをすでに予測していた。素早く反隋に振り向くと、ほぼ動かなくなっていた自分の右腕を思い切り振りかぶり、差し出した。

 深く、反隋の尾が右腕に食い込む。後は毒を流し込まれて無力化されるだけだ。
 しかし、尾にかえりはない。瓦鷺は脂汗を流しながら無理やり尾を引き抜き、ノブ子とラハトハを握りこんだまま、クククク、と含み笑いのまま異様な速さで走り、コントロールルームを抜けだした。
 


 ジェイミーは焦っていた。マッサージルームに行き、コアラーを救おうとしたが、ノブ子の意図を聞く前に先走ってしまい、瓦鷺をノーマークにしてしまった。

 しかし、ノブ子のもとに走ったものの、どこにいるか分からない。しかも本当に自分の決断はこれでよかったのか? コアラーを助けていた方が良かったのではないかと考えだして、さらに上に向かい走っているうちに目の前にコンベックスでぐるぐる巻きにされて動けない暫穴がいて、なんだか他人の気がしなくなって助けていたが、完全に時間を食ってしまった。
 何故か今は助けた暫穴に案内され、コントロールルームを目指している。

「聞かんか!! ヒヒヒ!」

 あ、と驚き、ジェイミーは上を見上げた。瓦鷺だ。こっちじゃない。下でマッサージルームの混乱を恐々と眺めている意志を持つ車たちに向けて何か叫んでいる。

「グクク!! ほらほら、見てるだけの案山子かかし共、き、聞かんか!!」

 得意気に左手でケーブルを二本ぶら下げて先端のものをぶら下げながら見せつけた。

 あああ! ジェイミーは目はしがいい。一瞬で片方のものが何か分かった。

「ラハトハ、……様!」暫穴が両手で口を抑え、もう片方のものの名を叫ぶ。

「ノブ子!」ジェイミーは顔面蒼白となった。

 車たちは騒然となる。すでにパニックが伝播している。

「ケケ、ボンクラ共、ヤッ、やかましいぞ!お前らの主はわ、ワシの手の中だ! ガラクタ風情が! いいか……!」

 カワラサギ! ジェイミーは叫びながら必死に走る。

「HSI!!」

(次回へ続く……)
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