29 / 68
美羽ルート
ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美羽√(14)
しおりを挟む
自分と遊んでいて、楽しく無いかと聞かれたら人は何と答えるのだろうか。
悲しいかな。俺はこの数十年間の中で、そんな事を直接聞かれた事は一度も無い。
ただでさえ『卑怯者』と校内で呼ばれている存在の俺に、そんな事をわざわざ聞くような物好きは居ないだろう。あの新聞部とかだったら、話は別だと思うが……。
そんな事を聞いてくる人生初の相手が、まさかの義理の妹である美羽だとは思わなかった。
「あ、兄者はやっぱり……美羽と遊ぶのは楽しくない、のかな……」
「え?」
突然として投げられた言葉によって、俺はついテレビ画面から隣に居る美羽に視線が向いた。
そんな事を言った美羽は俯き気味で、俺と視線を合わせようとしていないのが分かる。これは不味い。非常に不味い状況だ。
仲違いとかいうレベルではなく、これからの生活に支障が出るぐらいに我が家では不味い傾向である。
美羽は学校では勿論、家では明るくて誰にでも差別無く接する事が出来る良い子だ。それは彼女の魅力でもあり、多くの生徒がそんな美羽の事を慕っているというのは明確な事実だ。
そんな彼女が急に、しかも突然に前触れもなく、しゅんとした様子で登校なんてしてみろ。一大事という騒ぎになり、瞬く間に悪い方向の噂が広がる事だろう。
それだけは阻止しなければならないが、勿論……自分が被害を受けたくないという理由だけではない。
「美羽、そんな事は無いぞ。俺は美羽と遊ぶの結構好きだぞ?」
「ほんと?」
「あぁ、本当だ。今まで俺が、美羽と遊ぶのを断った事があるか?」
「……無い、と思う」
美羽は人当たりの良い性格をしている分、ダメージが高ければ高い程、後々に引き摺ってしまう傾向にある。
だからこそ、ここで上手くケアしなければ、俺は兄という前に一人の男として失格だろう。
「いや、無いだろ。俺はきちんと忙しい時は言ってるし、美羽たちが助けてって言えば今まで助けてきたと思うけど?」
「……うん。でも兄者、たまに楽しくなさそうにしてたりするし……学校では一人の方が好きそうだし」
「それは俺に友達と呼べる存在が少ないだけだ。美羽が気にする問題じゃないし、美羽が何か悪い事をしている訳じゃない。安心してくれ。俺はお前も美咲も、どっちも大事にしてるつもりだ」
「ほんと?」
「あぁ、本当だ!」
キランと輝く瞳が見えた瞬間、もう少しだけ押せば納得してくれるだろうと思った。だがしかし、そこから美羽は、俺が予想していなかった質問してくるのであった。
「じゃあ兄者に質問して良~い?」
「な、何だ?」
「兄者は、美羽と美咲……どっちが好き?」
「ん、どっちも好きだけど?」
「そ、そうじゃなくって!……えっと、兄妹としてじゃなくて、ちゃんとした答えが欲しいの!」
「は、はい?」
俺は話が全然見えなくて、思わず首を傾げて美羽の目を見る。真っ直ぐに見ている所為か、かなり真剣な空気を感じる気がする。だがしかし、そんな事は有り得ないという俺の中で結論が出ている以上、その質問の言葉を理解するのが遅れたのだった――。
「兄者は美羽の事、彼女にしたいって思う?そういう意味で、美羽と美咲、どっちが好きなのか教えて!」
「……!?」
悲しいかな。俺はこの数十年間の中で、そんな事を直接聞かれた事は一度も無い。
ただでさえ『卑怯者』と校内で呼ばれている存在の俺に、そんな事をわざわざ聞くような物好きは居ないだろう。あの新聞部とかだったら、話は別だと思うが……。
そんな事を聞いてくる人生初の相手が、まさかの義理の妹である美羽だとは思わなかった。
「あ、兄者はやっぱり……美羽と遊ぶのは楽しくない、のかな……」
「え?」
突然として投げられた言葉によって、俺はついテレビ画面から隣に居る美羽に視線が向いた。
そんな事を言った美羽は俯き気味で、俺と視線を合わせようとしていないのが分かる。これは不味い。非常に不味い状況だ。
仲違いとかいうレベルではなく、これからの生活に支障が出るぐらいに我が家では不味い傾向である。
美羽は学校では勿論、家では明るくて誰にでも差別無く接する事が出来る良い子だ。それは彼女の魅力でもあり、多くの生徒がそんな美羽の事を慕っているというのは明確な事実だ。
そんな彼女が急に、しかも突然に前触れもなく、しゅんとした様子で登校なんてしてみろ。一大事という騒ぎになり、瞬く間に悪い方向の噂が広がる事だろう。
それだけは阻止しなければならないが、勿論……自分が被害を受けたくないという理由だけではない。
「美羽、そんな事は無いぞ。俺は美羽と遊ぶの結構好きだぞ?」
「ほんと?」
「あぁ、本当だ。今まで俺が、美羽と遊ぶのを断った事があるか?」
「……無い、と思う」
美羽は人当たりの良い性格をしている分、ダメージが高ければ高い程、後々に引き摺ってしまう傾向にある。
だからこそ、ここで上手くケアしなければ、俺は兄という前に一人の男として失格だろう。
「いや、無いだろ。俺はきちんと忙しい時は言ってるし、美羽たちが助けてって言えば今まで助けてきたと思うけど?」
「……うん。でも兄者、たまに楽しくなさそうにしてたりするし……学校では一人の方が好きそうだし」
「それは俺に友達と呼べる存在が少ないだけだ。美羽が気にする問題じゃないし、美羽が何か悪い事をしている訳じゃない。安心してくれ。俺はお前も美咲も、どっちも大事にしてるつもりだ」
「ほんと?」
「あぁ、本当だ!」
キランと輝く瞳が見えた瞬間、もう少しだけ押せば納得してくれるだろうと思った。だがしかし、そこから美羽は、俺が予想していなかった質問してくるのであった。
「じゃあ兄者に質問して良~い?」
「な、何だ?」
「兄者は、美羽と美咲……どっちが好き?」
「ん、どっちも好きだけど?」
「そ、そうじゃなくって!……えっと、兄妹としてじゃなくて、ちゃんとした答えが欲しいの!」
「は、はい?」
俺は話が全然見えなくて、思わず首を傾げて美羽の目を見る。真っ直ぐに見ている所為か、かなり真剣な空気を感じる気がする。だがしかし、そんな事は有り得ないという俺の中で結論が出ている以上、その質問の言葉を理解するのが遅れたのだった――。
「兄者は美羽の事、彼女にしたいって思う?そういう意味で、美羽と美咲、どっちが好きなのか教えて!」
「……!?」
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる