ブラコン姉妹は、天使だろうか?【ブラてん】

三城 谷

文字の大きさ
28 / 68
美羽ルート

ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美羽√(13)

しおりを挟む
 「あのさ、美羽」
 「なぁに、兄者」
 
 ゲームしながら、幸一は自分の腕にくっ付いている美羽に声を掛ける。顔を見ずに返事する美羽だが、幸一は腕に絡み付かれている所為で、彼女の慎ましい胸や肌の感触が布越しに伝わっている状態なのであった。
 家族であり、妹ではあっても、そこには決して血の繋がりがある訳でも無い。
 だからこそなのか。幸一は、そんな無防備な状態の美羽の様子を感化できずに居たのであった。

 「お前、誰にでもそんなんじゃ無いよな?」
 「ん、なにが?」

 幸一の問い掛けに対して、美羽はキョトンとした様子で首を傾げる。
 若干の上目遣いになっている所為で、美羽のその仕草にドキッとする幸一。だがしかし、頭の中では『妹、妹、妹……』という精神統一を行っているのであった。

 「誰にでも腕を組んだりしてないよな?って聞いてるんだよ」
 「ん?してないよ?美羽がこうするのは、美咲と兄者だけだもん♪」
 「お、おう」

 ニコッと笑顔を浮かべながら、美羽はさらに強く幸一の腕を抱き締める。いくら慎ましい胸といっても、異性の身体に反応しない幸一ではない。健全な男子ならば、模範通り、誰もが予想出来る反応を示すに違い無いだろうと幸一は思った。だがしかし、血の繋がりは無くとも妹に変わりは無い。決して欲情する訳にはいくまいと、幸一はさらに深く精神統一をしようとするのであった。

 「…………」
 「あ、スラルンだぁ。懐かし~!」

 画面に出て来た青いぷるっとした魔物が登場した瞬間、美羽はそんな事を言って画面に視線を向ける。ぐいっと引っ張られながらも、必死にその方向に倒れないようにする幸一。そんな事を知らずに美羽は、画面に映るそのキャラクターの台詞を一緒に読み上げるのだった。

 「『ぴぎー!いじめないで。僕、悪いスラ〇ムじゃないよ。良いこと教えてあげるから、許して!』にふふ、可愛いよね、このスラ〇ム♪ね、兄者!」
 「あ、ああ、そうだな」
 「ん、兄者?顔真っ赤だよ?風邪でも引いた?」
 「ん、いや、風邪引いてない。大丈夫だ、安心してくれ。俺はピンピンしてるぞ!」
 「そう?なら良いけど……」

 心配そうに幸一の顔を覗き込む美羽に対して、申し訳無さそうにしながらも誤魔化す幸一。身体が少しでも反応している事がバレれば、美羽に『これは何?』と聞かれるか。『美咲を呼ばれる』という顛末を幸一は予想していた。
 だからこそなのか、幸一は必死に誤魔化そうとしていたのだが……美羽には違うように感じていたのだろう。抱き締めていた力をもっと強くして、美羽は俯きながら呟くのだった――。

 「あ、兄者はやっぱり……美羽と遊ぶのは楽しくない、のかな……」
 「え?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

籠の鳥〜見えない鎖に囚われて✿❦二人の愛から…逃れられない。

クラゲ散歩
恋愛
私。ユリアナ=オリーブ(17)は、自然豊かなオータム国にあるグローパー学院に在籍している。 3年生になって一ヶ月が経ったある日。学院長に呼ばれた。技術と魔術の発展しているフォール国にある。姉妹校のカイト学院に。同じクラスで3年生の男子3名と女子3名(私を含め)。計6名で、半年の交換留学をする事になった。 ユリアナは、気楽な気持ちで留学をしたのだが…まさか学院で…あの二人に会うなんて。これは…仕組まれていたの?幼い頃の記憶。 「早く。早く。逃げなきゃ。誰か〜私を…ここから…。」

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

王宮地味女官、只者じゃねぇ

宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。 しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!? 王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。 訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ―― さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。 「おら、案内させてもらいますけんの」 その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。 王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」 副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」 ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」 そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」 けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。 王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。 訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る―― これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。 ★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。

処理中です...