66 / 68
美咲ルート
ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美咲√(24)
しおりを挟む
俺と美咲がやって来たデパートには、様々な施設が設けられている。その施設の中で、最も家族連れに役立つ施設は屋上に設けられている施設だろう。簡易的ではあるが、遊具や子供用のゲームや観覧車がある。規模は小さくても、それなりに楽しめるので家族や恋人同士が訪れる事が多いという噂だ。
「……(まぁ俺は初めて来たけどな、ここ)」
そう思いつつも、俺は腕にくっ付く美咲の方に視線を向けた。そこには年相応な反応を示している様子で、瞳をキラキラさせながら観覧車を見ていた。
「(お、お兄様とこんな場所に来る事が出来るとは!!美羽には悪いですが、ここは遠慮なくお兄様に迫るチャンス!!そしてあの観覧車の中で、私はお兄様と……ぐへ、ぐへへ、ひひひひひ)」
何だろうか。不気味な笑みを浮かべているのは、俺の気のせいだろうか。いや、気のせいだという事にしておこう。女の子を詮索するのは失礼に値する可能性があるし、あまり気にしないようにしよう。そうした方が良いと、何かが俺にそう告げている気がする。
「……てか、結構お客さんが居るんだな」
「こ、こほん。そのようですね。お兄様がここを指定するとは、正直意外です。お兄様は人がたくさん居る場所は苦手ですもんね」
「まぁな」
「それでお兄様、どれで遊ぶんですか?もう夕方になり掛けてますし、そろそろ帰らないと美羽が死んだ魚のように待ってる可能性は高いですよ?」
「あぁ、美羽は料理はてんで駄目だもんな。俺も美咲も居なかったら、お菓子ばかり食べそうだな」
「そこら辺はご安心を。お菓子は全て隠しましたから、美羽では見つける事は出来ませんよ」
フフン、と鼻を鳴らす美咲。確かに美羽はお菓子好きで、見つけた時にはお腹が許す限り……いや、美咲が怒らない限り食べ続けるのが美羽なのである。そんな美羽の事を俺よりも熟知している美咲の事だが、何処に隠したのだろうかと俺も考えてしまう。
キッチンに隠す事はしないと思うし、美咲と美羽の部屋は一緒だから隠さないだろう。だとすると屋根裏部屋か……あぁ、俺の部屋もあるのか。でも美咲が勝手に俺の部屋に入るとは思えないし……聞いてみるか。
「なぁ、そのお菓子は何処に隠したんだ?」
「ふふん、お兄様の部屋です」
「あぁ、そう」
俺の信頼を返せ。そう言いたいの我慢しながら、可愛い妹のやる事と思って流す事にした。
「それでお兄様、もう一度聞きますけど……何で遊ぶんですか?」
「あぁ、こっちだ」
俺はそれだけ言ってから美咲の手を取り、屋上の奥にある小さい観覧車に向かった。俺の行動に驚いた表情を浮かべた美咲だったが、すぐに握り返して口角を上げて言った。
「強引なお兄様も、私は好きですよ♪」
「そりゃどうも。ではどうぞ、お嬢様」
俺は観覧車のゴンドラの中に入り、美咲へと手を伸ばしてそう言った。気恥ずかしかったのか、微かに頬を赤く染めながら美咲は俺の手を取って言うのである。
「ありがとうございます、私の王子様」
「……(まぁ俺は初めて来たけどな、ここ)」
そう思いつつも、俺は腕にくっ付く美咲の方に視線を向けた。そこには年相応な反応を示している様子で、瞳をキラキラさせながら観覧車を見ていた。
「(お、お兄様とこんな場所に来る事が出来るとは!!美羽には悪いですが、ここは遠慮なくお兄様に迫るチャンス!!そしてあの観覧車の中で、私はお兄様と……ぐへ、ぐへへ、ひひひひひ)」
何だろうか。不気味な笑みを浮かべているのは、俺の気のせいだろうか。いや、気のせいだという事にしておこう。女の子を詮索するのは失礼に値する可能性があるし、あまり気にしないようにしよう。そうした方が良いと、何かが俺にそう告げている気がする。
「……てか、結構お客さんが居るんだな」
「こ、こほん。そのようですね。お兄様がここを指定するとは、正直意外です。お兄様は人がたくさん居る場所は苦手ですもんね」
「まぁな」
「それでお兄様、どれで遊ぶんですか?もう夕方になり掛けてますし、そろそろ帰らないと美羽が死んだ魚のように待ってる可能性は高いですよ?」
「あぁ、美羽は料理はてんで駄目だもんな。俺も美咲も居なかったら、お菓子ばかり食べそうだな」
「そこら辺はご安心を。お菓子は全て隠しましたから、美羽では見つける事は出来ませんよ」
フフン、と鼻を鳴らす美咲。確かに美羽はお菓子好きで、見つけた時にはお腹が許す限り……いや、美咲が怒らない限り食べ続けるのが美羽なのである。そんな美羽の事を俺よりも熟知している美咲の事だが、何処に隠したのだろうかと俺も考えてしまう。
キッチンに隠す事はしないと思うし、美咲と美羽の部屋は一緒だから隠さないだろう。だとすると屋根裏部屋か……あぁ、俺の部屋もあるのか。でも美咲が勝手に俺の部屋に入るとは思えないし……聞いてみるか。
「なぁ、そのお菓子は何処に隠したんだ?」
「ふふん、お兄様の部屋です」
「あぁ、そう」
俺の信頼を返せ。そう言いたいの我慢しながら、可愛い妹のやる事と思って流す事にした。
「それでお兄様、もう一度聞きますけど……何で遊ぶんですか?」
「あぁ、こっちだ」
俺はそれだけ言ってから美咲の手を取り、屋上の奥にある小さい観覧車に向かった。俺の行動に驚いた表情を浮かべた美咲だったが、すぐに握り返して口角を上げて言った。
「強引なお兄様も、私は好きですよ♪」
「そりゃどうも。ではどうぞ、お嬢様」
俺は観覧車のゴンドラの中に入り、美咲へと手を伸ばしてそう言った。気恥ずかしかったのか、微かに頬を赤く染めながら美咲は俺の手を取って言うのである。
「ありがとうございます、私の王子様」
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる