誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗

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5.主人公との邂逅

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「うっ……」

 そこで、私は奇妙な感覚に襲われた。
 背中、より正確にいえば左肩の辺りに熱を覚えたのだ。

 急に訪れた不思議な感覚に、私は困惑していた。
 だが、私は知っている。その背中に、何があるのかということを。

「どうして、痣が……」

 左肩の後ろには、痣があるのだ。
 私が不当な扱いを受ける原因になった呪いの証が、そこには刻まれているのである。

 この痣には、不思議な力があるのは、今までの人生でわかっている。
 今熱を帯びているのも、きっと何かしらの予兆なのだろう。
 これは、一体何を伝えているのだろうか。そう思って、私は周囲の様子を確認する。

「あれは……」

 周囲を見渡した私は、こちらに近づいて来る一人の女性を発見した。
 その女性の顔には、見覚えがある。私が一方的に知っている人物なのだ。

「セリティナ……」

 こちらに近づいて来ているのは、ゲームの主人公のセリティナである。
 まず間違いなく、この熱は彼女が近づいたことでもたらされたものだろう。
 なぜなら、彼女との距離が縮まれば縮まる程、この熱がどんどんと高まっていくからだ。

「……そう、確か彼女は」

 苦しみの中で、私はゲームの設定を思い出していた。
 エルファリナの設定も語られたように、彼女の設定も当然作中で語られている。
 彼女は、特別な存在だ。それは、エルファリナにも深く関係している。

「聖痕……」

 セリティナは、その身に聖痕と呼ばれる痣を宿しているらしい。
 それは、選ばれし者の証であるそうだ。エルファリナの呪われた痣とは違い、喜ばれる痣を彼女は宿しているのである。

 実は、それもエルファリナが彼女を虐めるに至った理由の一つだ。
 同じように痣を持ちながらもてはやされる彼女に、嫉妬と恨みを覚えたのである。

 この熱の原因は、その痣なのではないだろうか。
 私は、ぼんやりとそんなことを思っていた。

「……」
「……」

 私の横を、セリティナはゆっくりと歩いていく。
 彼女は、こちらに視線を向けない。このような反応は、彼女には起こっていないようだ。
 だが、彼女が離れていくにつれて、熱が収まっていくということは、やはり痣はセリティナに反応したということだろう。

「はあっ……」

 私は、ゆっくりとため息を吐いた。
 魔法学園に来て早々、どうしてこんなことになっているのだろうか。

 これからのことが、不安になってくる。
 エルファリナとセリティナは同じクラスになるはずだ。もしこの世界でもそうなったら、私はずっと先程の熱に悩まされなければならないのだろうか。
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