誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗

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11.悩むべきこと

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 私は、入学式後のホームルームを終えて、寮の部屋まで帰って来ていた。
 今日は入学式がメインだったので、授業もなくこれで終わりである。
 とりあえず、私はベッドの上に寝転がった。色々と疲れているからだ。

「はあっ……」

 今日一日で、色々と気になることはあった。
 まず、セリティナのことである。

 彼女が近づくと、私の痣が疼く。それは、一体どういうことなのだろうか。
 彼女は、聖痕を宿しているとされている。それが、私の背中にある痣と何かしらの関係があるとでもいうのだろうか。

 近づく度に熱を帯びられるというのは、中々厳しいものだ。
 これから、私は彼女と毎日隣の席で過ごす。毎日、あの熱を体験するというのは、できることなら避けたい所だ。

「といっても、原因がわからないし、学校に行かない訳にもいかないし、どうすることもできない訳だけど……」

 正直言って、セリティナとのことは考えても無駄だろう。
 考えた所で、答えは出ない。この熱を帯びなくなることを願うしかないだろう。

「となると、もう一つの悩みの種の方を考えるべきかな?」

 という訳で、私はもう一つの悩みを考えることにした。
 それは、レリクス様のことである。

 彼は、私のおかしな点を的確に見抜いてきた。
 一体、彼は私のことをどこまで理解しているのだろうか。

「まあ、別に知られてそこまで困るという訳ではないのかもしれないけど……」

 私の事情は、色々と複雑である。
 前世の記憶を持っているという私の事情は、できればあまり話したくないことだ。
 ただ、仮に知られたとしても、そこまで困ることはないかもしれない。

 そもそも、そんな素っ頓狂な話はどこまで信じられるのだろうか。
 私に前世の記憶がある。そこまでは、まだ信じられるかもしれない。
 だが、この世界がゲームの世界だったとか、そういう話は信じられるだろうか。それは少し、怪しい所である。

「まあ、それで奇異の目で見られたり、噂を流されてそれが広まったら困るけど……」

 私の事情を聞けば、この世界に暮らす人々はきっと狂っていると思うだろう。
 噂が学校中に広まったりすれば、私は孤立することになる。

 それは、できれば避けたい所だ。
 せっかく自由を手に入れたのに、また息苦しい場所ができるのは嫌なのである。

「そんなことをする人ではないよね……」

 ただ、レリクス様は例え私の事情を知ったとしても奇異の目では見ないだろうし、それを広めることはしない気がする。
 彼は、とてもいい人だ。腹黒い所はあるが、少なくともそんなことをする人ではないだろう。

「ということは、とりあえず問題はないということかな……」

 私は、そんな風に呟きながら思考を終えた。
 恐らく、大丈夫。そう思ったからだ。
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