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8.公爵家への訪問
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私が稼いだお金によって、村はなんとかなりそうだった。
不作が解決した訳ではないのだが、少なくともしばらくは安泰といえるだろう。
そこで私は、サリーム様に手紙を書いてみることにした。平民である私が出した手紙が彼女にきちんと届くのかは不安だったのだが、程なくして返信が来たことによってそれが杞憂だったことがわかった。
「よく来てくれたわね」
「いえ、お招きいただきありがとうございます」
そんな私は、ウェルメノン公爵家に招かれていた。サリーム様が、私を招待してくれたのである。
もちろんレムバル様に言われたこともあったので、いつかは彼女の元を訪ねようと思っていた。しかし、まさかこんなに早くそれが実現するとは思っていなかったが。
とはいえ、これは嬉しいことだ。サリーム様もそう思ってくれているのか、先程から笑顔を見せてくれている。
「さてと、何から話すべきかしらね……色々と話すべきことはあるように思えるけれど」
「……そうですね。私も色々と話したいことがあるように思います」
サリーム様の言葉に、私はゆっくりと頷いた。
彼女には、色々と話すべきことがあるような気がする。しかしながら、確かに何から話すべきかはわからない。それ程に、私には色々なことがあり過ぎた。
「まあまずは、あなたの近況を聞かせてもらおうかしら。あなたの村は大丈夫だったの?」
「あ、はい。それは多分大丈夫だと思います。私が今まで送っていたお金も、余っていたくらいですから……」
「それなりの見返りはもらっていたということかしら?」
「見返りは確かにそれなりにもらっていました。ただ、村の人達が節約していたという要素の方が大きいと思います」
「なるほど……すごい人達なのね」
私の村の人達は、皆強かな人達だった。
必要最低限のお金だけを使って、倹約生活を続けていたのだ。
それによって、お金にはまだ余裕はあるらしい。出稼ぎに出ている人達もいるようだし、恐らくこの危機は乗り越えられるはずだ。
「もっとも、村の不作が乗り越えられてももっと大きな問題を乗り越えらないかもしれませんが……」
「……この国のことかしら?」
「……はい。既にこの国は揺らいでいるかと」
「ええ、そうね。その通りだわ」
私の言葉に対して、サリーム様は真剣な表情をしていた。
ウェルメノン公爵は、王家の親族である。そんな彼女にとって、国家が揺らぐという事態は当然他人事ではないだろう。
しかし今の所、サリーム様もウェルメノン公爵家も特にアクションを起こしていない。それは一体、どういうことなのだろうか。色々とわからないことが多い。
「……最初に謝罪するべきでしたね」
「……あら?」
そこで私は、一つ思い出した。サリーム様に対して、自分が申し訳ないことをしていたということを。
とりあえず、それを謝罪しなければならないだろう。色々と話をするのはそれからだ。
「あなたに謝罪されるようなことはなかったと思うのだけれど」
「サリーム様から渡していただいた聖女の地位を、私はロメリア様に明け渡してしまいました。それを謝りたいのです」
「それは必要ない謝罪ね」
私の言葉に、サリーム様はゆっくりと首を振った。
ただ私は、権力に屈してロメリア様に聖女の地位を明け渡してしまった。もちろん私に逆らうことはできなかったかもしれない。しかしそれでもサリーム様が事前に誇りを示してくれたのに、何も言えなかったのは事実である。
それが私は、とても申し訳なかった。なんというか、すごく情けない気がしてしまったのである。
「今回の一件は、私達の恥よ。あなたに非なんてないわ。むしろ謝るべきなのは、私の方ではないかしら?」
「いえ、サリーム様が謝るようなことでは……」
「それならあなたも謝らないで」
「……わかりました」
サリーム様の複雑な表情に、私は頷くことしかできなくなっていた。
やはり彼女は、今回の件に色々と思う所があるようだ。
不作が解決した訳ではないのだが、少なくともしばらくは安泰といえるだろう。
そこで私は、サリーム様に手紙を書いてみることにした。平民である私が出した手紙が彼女にきちんと届くのかは不安だったのだが、程なくして返信が来たことによってそれが杞憂だったことがわかった。
「よく来てくれたわね」
「いえ、お招きいただきありがとうございます」
そんな私は、ウェルメノン公爵家に招かれていた。サリーム様が、私を招待してくれたのである。
もちろんレムバル様に言われたこともあったので、いつかは彼女の元を訪ねようと思っていた。しかし、まさかこんなに早くそれが実現するとは思っていなかったが。
とはいえ、これは嬉しいことだ。サリーム様もそう思ってくれているのか、先程から笑顔を見せてくれている。
「さてと、何から話すべきかしらね……色々と話すべきことはあるように思えるけれど」
「……そうですね。私も色々と話したいことがあるように思います」
サリーム様の言葉に、私はゆっくりと頷いた。
彼女には、色々と話すべきことがあるような気がする。しかしながら、確かに何から話すべきかはわからない。それ程に、私には色々なことがあり過ぎた。
「まあまずは、あなたの近況を聞かせてもらおうかしら。あなたの村は大丈夫だったの?」
「あ、はい。それは多分大丈夫だと思います。私が今まで送っていたお金も、余っていたくらいですから……」
「それなりの見返りはもらっていたということかしら?」
「見返りは確かにそれなりにもらっていました。ただ、村の人達が節約していたという要素の方が大きいと思います」
「なるほど……すごい人達なのね」
私の村の人達は、皆強かな人達だった。
必要最低限のお金だけを使って、倹約生活を続けていたのだ。
それによって、お金にはまだ余裕はあるらしい。出稼ぎに出ている人達もいるようだし、恐らくこの危機は乗り越えられるはずだ。
「もっとも、村の不作が乗り越えられてももっと大きな問題を乗り越えらないかもしれませんが……」
「……この国のことかしら?」
「……はい。既にこの国は揺らいでいるかと」
「ええ、そうね。その通りだわ」
私の言葉に対して、サリーム様は真剣な表情をしていた。
ウェルメノン公爵は、王家の親族である。そんな彼女にとって、国家が揺らぐという事態は当然他人事ではないだろう。
しかし今の所、サリーム様もウェルメノン公爵家も特にアクションを起こしていない。それは一体、どういうことなのだろうか。色々とわからないことが多い。
「……最初に謝罪するべきでしたね」
「……あら?」
そこで私は、一つ思い出した。サリーム様に対して、自分が申し訳ないことをしていたということを。
とりあえず、それを謝罪しなければならないだろう。色々と話をするのはそれからだ。
「あなたに謝罪されるようなことはなかったと思うのだけれど」
「サリーム様から渡していただいた聖女の地位を、私はロメリア様に明け渡してしまいました。それを謝りたいのです」
「それは必要ない謝罪ね」
私の言葉に、サリーム様はゆっくりと首を振った。
ただ私は、権力に屈してロメリア様に聖女の地位を明け渡してしまった。もちろん私に逆らうことはできなかったかもしれない。しかしそれでもサリーム様が事前に誇りを示してくれたのに、何も言えなかったのは事実である。
それが私は、とても申し訳なかった。なんというか、すごく情けない気がしてしまったのである。
「今回の一件は、私達の恥よ。あなたに非なんてないわ。むしろ謝るべきなのは、私の方ではないかしら?」
「いえ、サリーム様が謝るようなことでは……」
「それならあなたも謝らないで」
「……わかりました」
サリーム様の複雑な表情に、私は頷くことしかできなくなっていた。
やはり彼女は、今回の件に色々と思う所があるようだ。
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