身分違いの恋に燃えていると婚約破棄したではありませんか。没落したから助けて欲しいなんて言わないでください。

木山楽斗

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17.良き巡り合わせ

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「さて、それでは改めてよろしくお願いします、セリティア嬢」
「こちらこそよろしくお願いします、バルギード様」

 私とバルギード様は、固く握手を交わした。
 これで、私と彼は婚約関係となった。いずれ夫婦になる約束が交わされたのだ。
 この婚約が今度は破談にならないように祈っておかなければならない。だが、恐らく大丈夫だろう。ランドラ様の時のようにはならないはずだ。

「ふう……これでやっと父上を安心させられそうです」
「ああ、そういえば、ラーゼル公爵はかなり悩んでいたようですね……」
「ええ、まあ、次期当主の婚約が決まっていないという現状は、父上にとっては気が気ではなかったということでしょう」
「それでも、婚約者にはこだわったのですね?」
「ええ、まあ、一生付き合っていく訳ですからね」
「一生、ですか……」

 バルギード様の呟きに、私は少し言葉を詰まらせてしまった。
 一生付き合っていく。それはわかっていたことではあるが、改めて言われると色々と考えてしまう。
 そのような覚悟が、私にあっただろうか。ぼんやりとしか考えていなかったような気もする。
 とはいえ、改めて考えても結論は変わらない。バルギード様となら一生付き合っていけるとそう思える。

「……この巡り合わせに、私は感謝しなければなりませんね」
「巡り合わせですか?」
「ええ、アルガール侯爵がラーゼル公爵と繋がっていなければ、バルギード様と婚約することはありませんでした。ですから、感謝しなければならないと思ったのです。もっとも、侯爵にとっては複雑な感謝になるかもしれませんが……」
「なるほど……確かに、父上が彼と繋がっていなければ、これはあり得ない話でしたか。縁が上手く繋がった。そういうことですね……本当にありがたい話だ」

 ランドラ様が婚約破棄しなければ、私はバルギード様と婚約することはなかった。そう考えると、彼にも感謝するべきかと錯覚してしまう。

「ああ、そういえば、今度アルガール侯爵のお墓に参る予定なんです。葬儀に参加できなかった母と弟が帰省してくるので……」
「おや、そうなのですか……確か、お二人は王都にいるのですよね?」
「ええ、教師と学生をやっています」
「お二人にも、挨拶をしておきたいものですね。そうそう帰って来られないのなら、猶更顔を合わせておきたいと思います」
「あ、そういえばそうですね。すみません、そこまで配慮ができていなくて……」

 バルギード様の言葉で、私は気付いた。親族との顔合わせは、できれば早めに済ましておきたい所だ。それが終わらず結婚が伸びるというのも、あまりいいことではない。

「バルギード様の親族とも会わせていただけますか?」
「ええ、その辺りも調整するとしましょう」
「はい、そうですね」

 私は、バルギード様の言葉にゆっくりと頷いた。
 こうして私達は、色々と話し合うのだった。
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