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6.王女の決意
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『お兄様は、独善的な人です。第一王子として生まれたことによって、自分がこの国を支配する者だと信じて止まない人なのです』
『……なんとなく私の妹に似ているような気がしますね。妹のメレティアは、甘やかされて育ちました。それによって、わがままで傲慢な性格になってしまったのです』
『なるほど、やはり私達は似ているようですね……』
かつてイムティア様は、私に兄について色々と話してくれた。
王城に流れる噂以上に、彼女のアラヴェド様に対する評価は低い。肉親であるため、より悪い所が目に入ってくるということだろうか。
『私は、王位に興味などはありませんでした。それが欲しいと思ったことはなかったのです。しかしながら、兄の横暴な振る舞いを見ている内に私の考えは変わったのです。私は、王位を継がなければならないのだと……』
イムティア様は、決意に溢れた顔で私にそう言ってきた。
それは彼女が成し遂げようとしていることが、とても険しい道だということをよく理解しているから、そのような顔をしていたのだろう。
『アルバルド王国は、代々男子が王位を継いできました。現在、王家の子供は私とお兄様のみ。故にお父様は、伝統に則ってお兄様に王位を渡すつもりなのでしょう。ですが、私はそれを捻じ曲げみせます』
『この国で、初めての女王になるということですか?』
『ええ、それは私が王家の一員として生まれた責務だと思います。あの兄を野放しにしておくことを許してしまうのは、アルバルド王家の名折れというものです』
イムティア様が王位を狙うのは、あくまでアラヴェド様を王にしないためであるらしい。
彼を王にしないためには、彼女が矢面に立つしかないのだ。アルバルト王家が正当に続いていくために、彼女は決意を固めたのだろう。
それを私は、とても立派なことだと思った。私もエルバラス侯爵家のことを考えてきたが、彼女のように未来を見据えられていなかったからだ。
『もしもあなたとお兄様の婚約が成立したら、私はあなたまで貶めることになるかもしれません。それが私は心苦しい。だから、この婚約をなきものにしたいのです』
『……気にする必要はありませんよ。私は大丈夫です』
『ラフェリア嬢?』
『あなたが成し遂げようとしていることは、きっとこの国の未来のためになります。それを躊躇う必要なんてありません。私のことは気にせず、どうぞ心の赴くままにその力を振るってください』
私はイムティア様に、そう告げていた。
彼女の願いを叶えたい。ただエルバラス侯爵家から逃げていただけの私は、王女の決意に賭けてみたくなったのだ。
『しかし、それでは……』
『それでもし私がひどい状況になったとしたら、またこうしてメイドとして雇ってください。それを約束していただけるだけで、私は充分ですから』
『ラフェリア嬢……』
私の言葉に、イムティア様は目を丸くしていた。
ただ、彼女もわかってくれたようだ。私の幸せが、地位や身分に関係するものではないということを。
だから、イムティア様は力強く頷いてくれたのだ。きっと彼女なら、強い女王になれる。その時私は、そう思ったのだった。
『……なんとなく私の妹に似ているような気がしますね。妹のメレティアは、甘やかされて育ちました。それによって、わがままで傲慢な性格になってしまったのです』
『なるほど、やはり私達は似ているようですね……』
かつてイムティア様は、私に兄について色々と話してくれた。
王城に流れる噂以上に、彼女のアラヴェド様に対する評価は低い。肉親であるため、より悪い所が目に入ってくるということだろうか。
『私は、王位に興味などはありませんでした。それが欲しいと思ったことはなかったのです。しかしながら、兄の横暴な振る舞いを見ている内に私の考えは変わったのです。私は、王位を継がなければならないのだと……』
イムティア様は、決意に溢れた顔で私にそう言ってきた。
それは彼女が成し遂げようとしていることが、とても険しい道だということをよく理解しているから、そのような顔をしていたのだろう。
『アルバルド王国は、代々男子が王位を継いできました。現在、王家の子供は私とお兄様のみ。故にお父様は、伝統に則ってお兄様に王位を渡すつもりなのでしょう。ですが、私はそれを捻じ曲げみせます』
『この国で、初めての女王になるということですか?』
『ええ、それは私が王家の一員として生まれた責務だと思います。あの兄を野放しにしておくことを許してしまうのは、アルバルド王家の名折れというものです』
イムティア様が王位を狙うのは、あくまでアラヴェド様を王にしないためであるらしい。
彼を王にしないためには、彼女が矢面に立つしかないのだ。アルバルト王家が正当に続いていくために、彼女は決意を固めたのだろう。
それを私は、とても立派なことだと思った。私もエルバラス侯爵家のことを考えてきたが、彼女のように未来を見据えられていなかったからだ。
『もしもあなたとお兄様の婚約が成立したら、私はあなたまで貶めることになるかもしれません。それが私は心苦しい。だから、この婚約をなきものにしたいのです』
『……気にする必要はありませんよ。私は大丈夫です』
『ラフェリア嬢?』
『あなたが成し遂げようとしていることは、きっとこの国の未来のためになります。それを躊躇う必要なんてありません。私のことは気にせず、どうぞ心の赴くままにその力を振るってください』
私はイムティア様に、そう告げていた。
彼女の願いを叶えたい。ただエルバラス侯爵家から逃げていただけの私は、王女の決意に賭けてみたくなったのだ。
『しかし、それでは……』
『それでもし私がひどい状況になったとしたら、またこうしてメイドとして雇ってください。それを約束していただけるだけで、私は充分ですから』
『ラフェリア嬢……』
私の言葉に、イムティア様は目を丸くしていた。
ただ、彼女もわかってくれたようだ。私の幸せが、地位や身分に関係するものではないということを。
だから、イムティア様は力強く頷いてくれたのだ。きっと彼女なら、強い女王になれる。その時私は、そう思ったのだった。
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