甘やかされて育ってきた妹に、王妃なんて務まる訳がないではありませんか。

木山楽斗

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46.できることは

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 私とナルギスは、イムティア様と一緒に国王様の元に来ていた。
 イムティア様の権限で部屋の中に入った私は、国王様の様子に額から汗を流すことになった。
 国王様は、ベッドの上で苦しそうに唸っている。状況はかなり悪いようだ。

「一体何があったのですか? お父様の容体は……」
「今の所、まだ詳しいことはわかりません。ただ、お医者様の見立てでは毒ではないかと……」「毒……」

 使用人からの言葉に、私達は驚くことになった。
 国王様の容態が毒によるものであるという事実は、事態をより深刻にさせるものだ。
 その対処はもちろん、誰によってその毒がもたらされたのかも問題である。これはとてもまずい状況だ。

「暗殺、という訳ですか……このタイミングで」
「イムティア様、確か今王城には……」
「ええ、ウォンバルト公爵を含めて、国の有力者達が何名か集まっています」

 イムティア様との作戦会議で聞いたことだが、彼女の王位襲名を反対する者達の内何名かは、現在王城にいるらしい。
 国王様と、色々と議論を交わしていたそうだ。その議論は、ひどく難航していたそうだ。

「その中の誰かが、国王様に毒を……?」
「その可能性はない訳ではありませんね。少々、手が早すぎるという気はしますが……」
「とにかく注意する必要がありますね。毒を仕込んだのが何者かはわかりませんが、その狙いが国王様だけとは限りません。イムティア様は、なんともありませんか?」
「ええ、私は……」

 私の質問に、イムティア様は目を丸めていた。何かに気付いた様子だ。
 その反応に、私もある人物の顔を思い浮かべた。もしかしたら、何者かの毒牙はその人物にも及んでいるかもしれない。

「お兄様がこちらに来ないということに、違和感がある訳ではありません。今、お兄様はお父様といい仲という訳ではありませんから。しかしながら……」
「イムティア様は、こちらにいてください。私が……」
「いや、あなたは王女イムティアと一緒にいた方がいい。第一王子の様子なら、俺が見に行く。道は使用人にでも聞く」
「あっ……」

 私の返答を待たずして、ナルギスは部屋から出て行った。
 彼が行ってくれるなら、言われた通り私はここにいるべきだろう。やはりイムティア様を一人にすることはできない。

「お父様……どうかご無事で」
「イムティア様……」

 私は、イムティア様の肩をそっと抱いた。
 今の私にできるのは、国王様が助かることを祈ることとイムティア様を支えることだけだ。故にそのできることを全力でやるしかない。
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