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66.平和な日常
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私とナルギスがエルバラス侯爵家を乗っ取ってから、十余年程月日が流れた。
私達は子宝にも恵まれて、平和に暮らしている。私達の邪魔をする者はもういなくなった。
「月日が流れるのは、早いものね。もうお父様が亡くなってから、三年も経つなんて少し信じられないくらいだわ……」
「……あの時は驚いたものだ」
私に対する殺人未遂で捕まったお父様は、塀の中で病に犯されて亡くなった。
色々と恨みはあるが、侯爵家を継いだ者として彼の葬儀などはきちんと行った。イメージを守るために、お墓参りもしているくらいだ。
「エルバラス侯爵は最期の最期まで変わらなかったようだが……」
「まあ、あの人らしいといえばらしいわね」
お父様は、最期に私への恨み言を残していった。
人間というものは、そう変わるものではないらしい。今際の際にもそんなことを言うなんて、大したものである。聞いた時には怒るといよりも呆れてしまった。
「お母様とメレティアも、どこかに行ってしまったし……」
「どこに行ったのだろうな……」
「結局、監視はあまり機能していなかったみたいね……彼女達も、色々とやっていた訳だし」
「それについては申し訳なく思っている。俺のミスだ。手配した所が悪かった」
「別にあなただけのミスではないわ。私にも責任はあるもの」
継母とメレティアは、私が手配した別荘で暮らしていた。
しかし彼女達は、ある時忽然と姿を消した。残っていたのは、別荘で豪遊するために二人が危ない所から借りていた借金だけである。
あの時は焦ったものだ。突然屋敷にガラの悪い人達が押しかけてきて、大変だった。お金を払って解決することはできたが、なんとも迷惑な話である。
「それに二人はもう帰って来ないだろうし、あまり気にすることではないと思うわ」
「うむ……」
二人がこの国に帰って来ることは、恐らくもうないだろう。
逃げた理由は、ガラの悪い人達から逃げるためだったらしいので、遠くの国に定住していることだろう。
逃げた先で、また同じ過ちを犯しているという可能性もあるが、それは最早私達には関係がないことである。
「まあ、過去のことは気にしないで、私達は私達の日常を謳歌するとしましょう。子供達が待っているわ。早く帰りましょう」
「そうするとしようか……ああ、そうだ。あなたの麗しさは、年月を経ても変わっていないな」
「あなたのそういう所も変わっていないわね」
そこで私とナルギスは、笑い合った。
私達の平和な日常は、きっとこれからも続いていくだろう。
そう思いながら、私は歩き出すのだった。
私達は子宝にも恵まれて、平和に暮らしている。私達の邪魔をする者はもういなくなった。
「月日が流れるのは、早いものね。もうお父様が亡くなってから、三年も経つなんて少し信じられないくらいだわ……」
「……あの時は驚いたものだ」
私に対する殺人未遂で捕まったお父様は、塀の中で病に犯されて亡くなった。
色々と恨みはあるが、侯爵家を継いだ者として彼の葬儀などはきちんと行った。イメージを守るために、お墓参りもしているくらいだ。
「エルバラス侯爵は最期の最期まで変わらなかったようだが……」
「まあ、あの人らしいといえばらしいわね」
お父様は、最期に私への恨み言を残していった。
人間というものは、そう変わるものではないらしい。今際の際にもそんなことを言うなんて、大したものである。聞いた時には怒るといよりも呆れてしまった。
「お母様とメレティアも、どこかに行ってしまったし……」
「どこに行ったのだろうな……」
「結局、監視はあまり機能していなかったみたいね……彼女達も、色々とやっていた訳だし」
「それについては申し訳なく思っている。俺のミスだ。手配した所が悪かった」
「別にあなただけのミスではないわ。私にも責任はあるもの」
継母とメレティアは、私が手配した別荘で暮らしていた。
しかし彼女達は、ある時忽然と姿を消した。残っていたのは、別荘で豪遊するために二人が危ない所から借りていた借金だけである。
あの時は焦ったものだ。突然屋敷にガラの悪い人達が押しかけてきて、大変だった。お金を払って解決することはできたが、なんとも迷惑な話である。
「それに二人はもう帰って来ないだろうし、あまり気にすることではないと思うわ」
「うむ……」
二人がこの国に帰って来ることは、恐らくもうないだろう。
逃げた理由は、ガラの悪い人達から逃げるためだったらしいので、遠くの国に定住していることだろう。
逃げた先で、また同じ過ちを犯しているという可能性もあるが、それは最早私達には関係がないことである。
「まあ、過去のことは気にしないで、私達は私達の日常を謳歌するとしましょう。子供達が待っているわ。早く帰りましょう」
「そうするとしようか……ああ、そうだ。あなたの麗しさは、年月を経ても変わっていないな」
「あなたのそういう所も変わっていないわね」
そこで私とナルギスは、笑い合った。
私達の平和な日常は、きっとこれからも続いていくだろう。
そう思いながら、私は歩き出すのだった。
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