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26.彼からの提案
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「ことの発端は、チャルリオ様に私とボルダン子爵との関係を知られたことでした」
私達が少し困惑しているからか、レメティア嬢は話を進め始めた。
それはこちらの理解を促しているような気がする。故に私達は、耳を傾けることにした。とにかく今は、二人の関係について知りたい所だ。
「チャルリオ様とは、それまでも親しくさせてもらっていました……まあ、知人程度の関係ではありましたが。そんな彼にボルダン子爵とのことを聞かれた時は焦りましたよ。もちろん、良いことではありませんからね」
レメティア嬢は、少し自嘲気味に笑みを浮かべていた。
彼女としても、人に言えるような関係ではないということはわかっているようだ。意外にもまともな感性をしているらしい。
「ただその後に驚くことになったのは、彼が私に対して妹になって欲しいと言ってきたことです。その意図は知りません。知る必要も特にないと思いました。彼は金銭を与えることを約束してくれましたからね」
「……レメティア嬢にとって、それは金銭によって納得できる関係だったのですか?」
「ええ、妹の振りをするだけで金銭が得られるなんて、良い話ではありませんか」
まともな感性はしているものの、レメティア嬢には少しずれた所もあるようだ。
金銭をもらえるからといって、妹を演じようと思えるものなのだろうか。
そんな私の考えが表情に出ていたのか、レメティア嬢は少し不愉快そうな表情をした。私の態度は、あまり良いものではなかったのかもしれない。
「言っておきますが、私には切実な問題なのです。トレイル子爵家において、私の立場は良いものではありません。トレイル子爵は、私や姉に関しては道具のように扱うつもりです。それは婚約を結ばせるなんて生易しいものではありません」
「それは……」
「私は、自分だけで生きていけるだけの金銭を得たいと思っていました。チャルリオ様の一件は、私にとって都合が良いことです」
「切実な事情があったのですね。申し訳ありませんでした」
「ああいえ、すみません。私もムキになってしまいました」
レメティア嬢は事情があったからこそ、チャルリオ様の提案を受け入れた。
彼女は、恵まれた境遇にある訳ではないということだろう。それを考えなかったのは、少々短絡的だったかもしれない。
ただ彼女の考えを理解すると、チャルリオ様のことが益々不気味に感じられた。彼はレメティア嬢に、あのような振る舞いを強要していたということになるのだから。
ボルダン子爵に関しては、娘さんのことがあったと理解することはできる。娘の面影を見たというのが良いのかどうかはともかくとして、わからない訳ではない。
しかしチャルリオ様は、実の妹がいながらそういったことをしている。それは正直、気味が悪い。彼にも何か、事情があったりするのだろうか。
私達が少し困惑しているからか、レメティア嬢は話を進め始めた。
それはこちらの理解を促しているような気がする。故に私達は、耳を傾けることにした。とにかく今は、二人の関係について知りたい所だ。
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レメティア嬢は、少し自嘲気味に笑みを浮かべていた。
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「それは……」
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「切実な事情があったのですね。申し訳ありませんでした」
「ああいえ、すみません。私もムキになってしまいました」
レメティア嬢は事情があったからこそ、チャルリオ様の提案を受け入れた。
彼女は、恵まれた境遇にある訳ではないということだろう。それを考えなかったのは、少々短絡的だったかもしれない。
ただ彼女の考えを理解すると、チャルリオ様のことが益々不気味に感じられた。彼はレメティア嬢に、あのような振る舞いを強要していたということになるのだから。
ボルダン子爵に関しては、娘さんのことがあったと理解することはできる。娘の面影を見たというのが良いのかどうかはともかくとして、わからない訳ではない。
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