屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)

わたなべ ゆたか

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第一〇部『軋轢が望む暗き魔術書』

二章-5

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   5

 ユバンの振り下ろした魔剣の刀身が、リリンの首筋に食い込む直前で止まった。
 腕に絡まった紺色の布が、振り下ろした腕の勢いを完全に止めたのだ。艶やかな刺繍が施された、幅の広い布だ。
 ユバンが目だけで布の伸びる先を追うと、上空まで伸びていた。
 そこにはドラゴンの翼を羽ばたかせながら、神糸の右袖を長く伸ばす瑠胡の姿があった。


「そこまでにせよ――」


 瑠胡はユバンに告げながら、ゆっくりとユバンの背後へと降りた。


「どんな理由があるにせよ、リリンを殺めさせはせぬ」


「――っち」


 ユバンは腕を引っ張られながら、身体の向きを瑠胡に向けた。


「邪魔立てするか!?」


「左様。リリンには恩義もあるのでな。殺させはせぬ」


「恩義など――些細なこと!」


 ユバンは右手に持っていた魔剣を手首だけで放ると、その柄を左手で掴んだ。
 その場に立ち尽くしていたリリンに斬りかかったユバンだったが、今度は漸く追いついたユーキの剣に遮られる。


「させません!」


「流石に、多数に一人は分が悪い!」


 ユバンは瑠胡に右手を拘束されたまま、リリンから離れた。同時に、左手首を返して紺色の袖を斬ろうとしたが、その直前に瑠胡は袖を引っ込めた。
 それと入れ替わるように、セラがユバンへと迫る。二撃、三撃とセラが放つ鋭い突きを、ユバンは魔剣で受け続けた。
 四撃目を弾いたユバンが反撃に転じようとした直後、セラは素早く退いた。


「ユーキ、リリンとエリザベートを連れて逃げろ! ここは、わたしたちに任せろ」


「で、でも……セラさんと瑠胡様だけじゃ」


「大丈夫だ。間に合った」


 セラがそう告げたとき、空中から一つの影が飛来した。




 俺が《白翼騎士団》の駐屯地の上空まで来たとき、すでにユバンとの戦いは始まっていた。リリンやエリザベートの近くまで迫っていたユバンの一撃を、ユーキが受けるのが見せた。瑠胡が袖を引っ込めると、俺はユバンに迫っていたセラの視界に入るよう、高度を少し下げた。
 セラは注意を引きつけるように、ユバンへと突きを放つ。
 俺は一度だけ高度を上げると魔剣を抜き、そのままユバン目掛けて降下した。地表が迫る中、セラが退くのに合わせるように、ユバンへと迫った。
 俺が魔剣で斬りかかる寸前に、ユバンがこちらを振り返った。


「やはり来たか!」


 ユバンは素早く魔剣を振り上げて、俺の一撃を防いだ。
 俺は翼を羽ばたかせ、降下の勢いを殺した。魔剣を構えながら着地した俺を見て、ユバンは顔を顰めた。


「女を囮にして攻撃とはな。呆れた奴だ!」


「悪いな。人命優先だからな、全力でやらせてもらうぜ」


「笑止な――人命優先ときたか!」


 殺気をみなぎらせた笑みを浮かべるユバンの瞳孔が、金色に染まった。
 蒸気のような息を吐く口元から、剣呑な牙が覗いた。


「そっちが全力なら、こちらも全力を振り絞るのが道理って話だ」


 ユバンの声質が、少し変わった。
 しわがれたというか、張りが無くなっている。それは疲れや、力を振り絞ったのとはまるで違う。声を発する器官そのものが、人外のものに変わったとしか、考えられないほどの異質さだった。
 なにがあった――と思っていた俺の目の前で、ユバンの姿が変わり始めた。
 腕の形状は歪になり、手の指はまるで鳥の脚のように細く、そして長いかぎ爪がついていた。
 足は獣の後ろ足のような関節になり、爪先は獅子や虎の足のような爪がある。
 鎧や服が崩れ落ちた胴体からは、銀色の体毛が伸び始めていた。そして顔は、四つ目の猿といった印象だ。
 身長こそ変わっていないが、真っ黒な体毛を持つその姿は最早、人間ところか既存の生物から逸脱していた。
 今のユバンを見て、俺は森の中で見た光景を思い出していた。
 朽ちた木の枝についていた爪痕のような傷――あれば、この姿になったユバンが、つけたものに違いない。
 気を登り、枝を飛び越えて移動するなど――鎧を着た人間がやるには、かなり困難だ。
 それに精霊たちの返答も、これで納得がいく。こんな異形の姿がユバンの正体なら、〝人間がいない〟と答えた精霊たちは、ある意味で正しかったのだと思う。
 異形へと変貌を遂げたユバンを見て、ユーキやエリザベート、それにセラまでもが恐怖に囚われる中、瑠胡が驚愕の声を発した。


「まさか――魔族であったか!?」


 瑠胡の声が聞こえているのか、いないのか――魔族と呼ばれたことなど、まったく意に介していないような素振りで、ユバンだった魔族は俺へと首を向けた。


〝いざ――参る〟


 魔剣を片手で構えたユバンが、ひとっ飛びに俺の目前へと迫った。
 素早い剣撃を魔剣で受け流した俺は、手に灼熱感を覚えていた。火傷をしたわけじゃない。ただ、手の近くを炎が近づいたような感覚だ。
 魔剣を構えて次の一太刀を警戒した俺は、ユバン持つ魔剣を見て息を呑んだ。
 奴の魔剣の刀身が、紅蓮の炎に包まれていた。先ほどの灼熱感の原因は、あの炎であることは間違いが無い。
 驚く俺に、ユバンの口元に笑みが浮かんだ。


〝これが、我が魔剣の真の姿だ。命乞いをするなら、受け入れてやってもよいぞ。その代わり、あそこにいるリリアーンナという小娘を殺せ〟


「どうして、そこまで執拗にリリンの命を狙うんだ!?」


 魔族がリリンを殺す理由が、見当付かない。理由さえわかれば、なにか対策や代案などを考えることもできる。
 魔族と取り引きをするのは気が進まないが、それでもリリンを救うことができるなら、それでも構わないと思ったんだが――。


〝贄とは、殺されるためにあるものだからだ〟


 こんな返答では、それも叶わない。


「その贄とはなんだ! なぜリリンが贄なんだ!」


〝贄は贄でしかない。それ以外に、なにもあるはずがない〟


 話が平行線だ。
 こうなったら対話を諦め、実力でユバンを排除するしかない。


「リリンは殺させない」


 俺は魔剣を構えると、ユバンへと駆け出した。
 片手で炎の魔剣を構えたユバンが、腰を落としながら突きを放ってきた。顔面を狙ってきた刀身を、僅かに首を逸らして躱した俺は、下段から魔剣を振り上げた。
 しかし、その一撃はユバンが大きく飛び上がることで躱されてしまった。


〝やる――が、ここまでだ〟


 大きく空けたユバンの口から、二つの毛玉が吐き出された。
 毛玉は空中で体長一マーロン(約一メートル二五センチ)にも満たない小猿となり、俺に纏わり付いてきた。


「くそっ!」


 俺は掴みかかってくる手を避けながら、小猿の一体を魔剣で叩き斬った。しかし、そのときはすでに、ユバンは駐屯地の建物へと向かう、リリンへと迫っていた。
 ユーキが脚を止めてユバンと対峙するが、異形に対する恐怖で普段の構えができてない。
 恐怖に竦むユーキを軽く飛び越えたユバンは、リリンのすぐ側へと着地した。
 もう一体の小猿なんかに構っている場合じゃない。
 俺は《スキル》を使おうと身構えたが、判断に迷ってしまった。俺とユバンのあいだにはユーキがいるし、ユバンのすぐ側にはリリンとエリザベートがいた。
 一番の破壊力のある〈断裁の風〉は射線も自由にできるが、ユバンを貫通したらリリンかエリザベートにまで被害が及んでしまう。威力の低い〈遠当て〉なら貫通はしないだろうが、ユーキの身体が壁となっている。
 竜語魔術は、論外だ。ユバンどころか、下手をすればリリンたちも消し炭だ。
 迷いから、俺は動きが止まってしまった。


〝死ね〟


 ユバンの魔剣を包む炎が、紅蓮の軌跡となってリリンの頭部へと振り下ろされた。



「――させん」


 リリンの右側頭部を掠めるように、背後から先端が歪んだ杖が伸びた。
 歪んでいると見えたのは、そこが目と歯を剥き出しにした口を象っているから――と気付いたとき、杖の先端に金色の光球が現れた。
 魔剣の一撃は、その光球によって防がれていた。
 ユバンはリリンの背後へと目を向けると、苦々しい声を発した。


〝貴様――〟


 リリンの背後にいたのは、黒いローブ姿の男だ。栗色の髪は耳が出る程度に切り揃えられ、ほどほどに整った顔立ちをしていた。
 ユバンはリリンから――いや、その黒いローブの男から距離を取るように、大きく真後ろに跳躍した。
 しかし、その直後に黒いローブの男が、早口に詠唱を終えた。
 杖から放たれた光が、ユバンに命中した。


〝があああああああっ!!〟


 絶叫するユバンの姿には目もくれず、黒いローブの男は俺へと大声を張り上げた。


「今だ、トドメを!」


 状況を完全に理解していないが、迷っている暇はない。
 俺は魔剣を手に、苦悶の声をあげるユバンへと駆けた。背筋が凍るほどの感覚に襲われていた俺は、冷静さを欠いていた。
 それは黒いローブの男がユバンの攻撃を防いだり、たった一撃で動きを止めたことに対して――ではない。
 俺はユバンと、真剣勝負をしてた。すべての感覚を研ぎ澄まし、ユバンだけでなく周囲にいた瑠胡やセラ、それにリリンやユーキたちの動きも把握していた。
 そんな中、俺は黒いローブの男の接近に、まったく気付かなかった。そのことに、俺はある種の恐怖を感じ、動悸に似た感覚に襲われていた。
 まだ動けていないユバンに対し、俺は身体ごとぶつかるように魔剣を突き刺した。
 横腹に魔剣の一撃を受けたユバンは、絶叫とともに俺を弾き飛ばした。その拍子に魔剣もユバンの腹から抜ける。
 腹部から濃緑色の体液を流すユバンは、俺を見てから黒いローブの男を睨み付けた。


〝今日は退く。傷を癒やさねば――勝てぬ〟


 そう告げたユバンの身体が、まるで液体の様に溶けていく。ほんの数秒で、地面に吸い込まれるように消えてしまった。
 ホウッと息を吐く俺の耳に、リリンの声が聞こえてきた。


「あなたは……どうして、ここに?」


「いやその……君の状況がどうかなと、気になったから。様子を見に来たんだよ。それにしても、危機一髪な状況だったね」


 どうやらリリンと知り合いらしいが……俺は先のこともあって、どこか不穏なものを感じていた。
 魔剣を鞘に収めた俺は、リリンの元へと駆け出した。そんな俺を見て、黒いローブの男はひょいと片眉を上げた。


「おっと。なにかと詮索をされたり、質問攻めというのは嫌いなんだ。わたしはここで、お暇させてもらうよ」


 そうリリンに告げると、男は駆け出した。駐屯地を囲う塀に沿って曲がる男のあとを、俺は全力で追いかけた。
 塀の角を曲がった俺は、そこで立ち止まった。
 すでに、男の姿はどこにもなかった。まっすぐに伸びる塀の側はおろか、周囲を見回しても、人影一つ見当たらない。
 呆然と立ち尽くしていると、瑠胡とセラが駆け寄ってきた。


「ランド、どうしました?」


「いえ……あの男が、どこにもいなくて」


 瑠胡に答えた俺に、セラが少し迷いながら問い掛けてきた。


「しかし先ほどの一撃、どうして突いたのです? 普段のランドであれば、確実に急所を斬りにいったはずでしょう」


「なんというか、焦ったり迷ったりした直後でしたから。自分でも、なんで突いたのか――あまり覚えてないんですよ」


 強いて挙げれば、直感というんだろうか。リリンを助けた男に、どこか不穏なものを感じたからかもしれない。
 俺と瑠胡、セラは三人で、リリンたちのところまで戻った。


「リリン、無事か? ごめんな、肝心なところでドジってしまって」


「いいえ。ランドさんが迷ったのは、わかりましたから。わたしたちに危害が及ぶことを怖れたのだと、すぐにわかりました」


 このあたりは、〈計算能力〉の賜物なんだろう。説明の手間が省けて助かる。
 俺が改めて「すまない」と謝る横で、瑠胡はリリンの全身を見回した。


「ふむ……怪我などは見えぬな。大事ないようだが……」


 瑠胡はそこで言葉を切ると、小さく首を振った。


「いや、今は無事なことを喜ぶとしよう。怪我もないのはなにより」


「瑠胡様、ありがとうございます」


「それはそうと、さっきの男は知り合いか?」


 リリンを助けてくれた恩はあるが、どうにも気になる。
 気難しい顔をしていたんだろうけど、リリンは普段と変わらぬ様子だ。


「はい。領主街の図書館で会いました。そのときに、本も貸して頂きました。たしか……アハスだと」


「アハス……」


 俺は黒いローブの男……アハスが消えたほうを振り返った。
 傷を負ったユバンが逃げ、アハスという男が現れた。事態はまだ、なに一つ解決していない。
 これから王都に向かうにせよ、警戒は強めた方がいいだろう。
 まだ手に残る灼熱感が、俺に覚悟を迫っているような気がしてならなかった。

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本作を読んで頂き、誠にありがとうございます!

わたなべ ゆたか です。

今回は戦闘シーンがメインだし、三千文字くらいで終わるでしょ。楽勝楽勝――と、思っていた時期が、中の人にもありました。

あっれぇ?

今回は、マジでこんな感じです。予定では寝る一時間前に書き終わり、音使いにも取りかかれると思っていたんですが。
流石にちょっと無理ですね(もう寝る時間二〇分過ぎ)

毎度のことながら、文字数の予定が曖昧です。

少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

次回も宜しくお願いします!
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感想 3

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