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女子トイレの試練
しおりを挟むカフェを出た沙織(拓也)と拓也(沙織)は、ショッピングモールの通路を並んで歩いていた。
「いや~、さっきの中村さんたちにはヒヤッとしたな……」
「ほんとよね。浩二さんの勘の鋭さ、ちょっと怖いわ」
二人は顔を見合わせて苦笑いする。しかし、そんな和やかな空気も長くは続かなかった。
——**キュルル……**
「……ん?」
沙織(拓也)の顔が急にこわばる。
(や、やばい……!)
「沙織!」
「ん? なに?」
「トイレ行きたい!」
「え?」
「めっちゃ行きたい!」
沙織(拓也)は、股を少しすぼめてソワソワし始める。
「な、なんでそんなギリギリまで我慢してたのよ!」
「いや、油断してたら急に……!」
「もう! 早く行くわよ!」
拓也(沙織)が慌ててモールのトイレの案内板を見つけ、急いで女子トイレの方向へと沙織(拓也)を連れて行く。
しかし——
**女子トイレの前には長蛇の列ができていた。**
「……え?」
沙織(拓也)の目が絶望に染まる。
「うわ、まじか……こんなに並んでんの……?」
「まあ、女子トイレっていつも混んでるのよ」
「ええええええっ!? こんなに待たなきゃダメなの!?」
「そういうもんなの! だから私たち女はトイレが近くなったらすぐ行くのよ!」
「ちょっと待って! そんな余裕ないんだけど!!」
沙織(拓也)はそわそわしながら足をもじもじと動かす。
「じゃ、じゃあ……男子トイレに入っちゃダメ?」
「ダメに決まってるでしょ!!」
「だ、だよなぁ……でも、このままだと……っ!」
順番を待っている女子たちが、明らかに焦りを隠せない沙織(拓也)を不思議そうに見ている。
(くそっ、これは予想外すぎる……! 女子トイレの混雑ナメてた……!!)
「とりあえず深呼吸して! 気を紛らわすの!」
「む、無理! 今すぐにでも駆け込みたいくらいなんだけど!」
「もう、しょうがないわね……」
拓也(沙織)は辺りを見回し、トイレの近くにある**授乳室兼女性用の休憩スペース**を見つけた。
「あそこに個室トイレがあるかも! ダメ元で行ってみましょう!」
「は、早く!」
二人は急いで駆け込む——。
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