OLサラリーマン

廣瀬純七

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泥酔の夜

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その夜、大輔と奈々は仕事の打ち上げで居酒屋を訪れていた。二人とも、互いの体になった状況を隠しつつ、周囲に馴染もうと振る舞っていたが、体が入れ替わった生活の疲れもあり、少し羽目を外してしまった。  

特に奈々の体の大輔が、日本酒を何杯も重ねた結果――泥酔してしまった。  

「もう飲めない…」  
奈々の体の大輔は、フラフラしながら席を立とうとしてバランスを崩し、危うくテーブルに倒れそうになる。  

「大輔さん!危ない!」  
大輔の体の奈々がすかさず支えるも、奈々の華奢な体には酔っ払った自分(奈々の体)を支えるのは一苦労だった。  

---

### **タクシーでの移動**  

なんとかタクシーを呼び、大輔の体になった奈々が泥酔した奈々の体の大輔を引きずるようにして乗り込む。  
「ちょっと…大輔さん、もう少ししっかりして!」  
「ごめん…奈々さんの体、お酒弱すぎ…」  
目を閉じてうわごとのように話す大輔に、奈々はため息をついた。  

目的地のアパートまで帰ろうと考えたが、ふと奈々は思った。  
「今の状態で自分の家に帰らせるのは無理かも。周りに見られたら絶対怪しまれる…。」  

迷った挙句、タクシーをホテルへと向かわせることにした。  

---

### **ホテルでの介抱**  

ホテルの部屋にたどり着いた奈々は、酔っ払ってぐったりしている大輔をベッドに横たえた。  
「もう、本当に面倒かけないでよね…」  

奈々は、奈々の体を使っている大輔の様子を見て、改めて女性の体の繊細さを実感した。  
「お酒にこんなに弱いなんて…。これが私の体の弱点なのかも。」  

とりあえず水を用意し、濡らしたタオルで顔を拭いてあげる。すると、大輔は少しだけ目を開けた。  

「奈々さん…ごめん…ありがとう…。」  
「ああ、もういいから寝てて。」  

大輔の体を使っている奈々が、奈々の体を使う大輔を介抱するという、奇妙な状況に思わず苦笑する。  

---

### **翌朝の気まずさ**  

翌朝、大輔は目を覚ました瞬間、頭がガンガンするのを感じた。  
「う…なんだこれ…奈々さんの体、お酒抜けるの遅すぎない?」  

ベッドの隣では、大輔の体の奈々が椅子に座って寝落ちしている。目の下にはうっすらクマができていた。  

「…悪いことしたな。」  
大輔は反省しつつ、そっと奈々の肩を揺すった。  
「奈々さん…起きて。」  
「…もう朝?」  

奈々は顔を上げると、目の前で自分の体に宿る大輔が反省した顔でこちらを見ていた。  

「昨日は本当にごめん。」  
「いいよ。でも、これで分かったでしょ?私の体はお酒に弱いんだから、もうちょっと気を付けてよ。」  

「分かった。もう無茶しない。」  
二人は顔を見合わせて笑い合った。  

---

### **新たな理解**  

今回の一件を通じて、大輔は改めて奈々の体の扱い方を学び、奈々もまた、自分の体がどれだけ気を付けるべきものかを再認識することができた。  

「こうやって少しずつお互いの体に慣れていけば、入れ替わり生活も乗り越えられるかもしれない。」  
そう思った二人は、次の挑戦に向けて気持ちを新たにするのだった。  
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