OLサラリーマン

廣瀬純七

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小さな神社

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翌朝、大輔は奈々の体で目を覚ました瞬間、ふと下腹部の鈍い痛みが引いているのに気づいた。  
「よかった…少しマシになった。」  

しかし、生理期間の不快感が完全に消えたわけではなく、出勤準備を進める中で、まだ慣れない体の変化と向き合うことになった。  

---

### **職場での新たな気づき**  

職場に到着すると、普段とは違う視点で仕事が見えるようになっている自分に気づいた。大輔は奈々の体を通じて、職場でのコミュニケーションにおける細かなニュアンスに目が向くようになった。  

例えば、上司の田村が同僚の男性社員に指示を出す口調と、女性社員に出す口調が微妙に異なっていること。奈々の体でその違いを体感することで、女性社員が感じる微妙な不平等感を理解するようになった。  

「これ、俺の体じゃ絶対気づけなかっただろうな…。」  

一方、奈々も大輔の体で働きながら、新たな挑戦を感じていた。普段ならやり過ごしていたような力仕事や、男性社員同士の無言の競争意識に巻き込まれることで、職場の雰囲気が違って見えてきた。  

---

### **昼休みの会話**  

昼休み、2人は同じカフェで待ち合わせてランチを取ることにした。奈々の体でスープを一口飲みながら、大輔が切り出した。  

「奈々さん、正直言って、体が入れ替わる前より、あなたがどれだけ大変なことをしてるか分かってきたよ。」  
「えっ?」  

「生理の辛さだけじゃなくてさ。職場で受ける無意識の偏見とか、周りとの細かなやりとりとか…俺、全然気づけてなかった。」  

奈々は少し驚きながらも笑顔を見せた。  
「私も、大輔さんの仕事が体力勝負だって実感したし、男の体を使うのって意外と繊細な調整が必要だって分かったよ。腕力がある分、無意識に力を入れすぎて、物を壊しちゃいそうになるのよね。」  

2人はそれぞれの経験を語り合いながら、お互いの生活がいかに違っていたかを実感していた。  

---

### **謎の解明に向けて**  

ランチが終わる頃、大輔はふと口を開いた。  
「ところで、あのメモのことなんだけど、もう少し調べてみようと思うんだ。」  

「どうするの?」  
奈々が尋ねると、大輔はスマホを取り出しながら答えた。  
「これまでの状況を振り返ると、入れ替わりが始まった日の出来事に何か手がかりがある気がする。特に、最近行った場所とか、会った人とか。」  

奈々は少し考え込みながら言った。  
「そういえば、最初に入れ替わった日の朝、私は通勤途中で妙なお守りを拾ったんだよね。」  

「お守り?」  
大輔が興味を示すと、奈々はその日のことを詳しく話し始めた。赤い紐で結ばれた古びたお守りが道端に落ちていて、それを拾ったことで何かが変わった気がするという。  

---

### **お守りの謎**  

その日の帰り道、大輔と奈々はお守りを拾った場所に向かうことにした。夜の街を歩きながら、2人はお互いの記憶をたどりつつ、原因を突き止めようと試みた。  

「この辺りだったと思うけど…」  
奈々が指差した先には、小さな神社があった。境内には明かりが灯り、ひっそりとした雰囲気が漂っている。  

2人が境内に入ると、奥からどこか不思議な気配を感じた。突然、耳元で聞き覚えのある声が響く。  

> 「答えはもう見えている。お互いを知ることで、道が開ける。」  

「またこの声…!」  
2人は顔を見合わせ、再び謎に満ちた声が彼らの運命を握っていることを確信した。  

---

### **新たな展開**  

神社での出来事をきっかけに、2人の間で新たな謎が生まれる。入れ替わりの原因が「お互いを知ること」に関係しているという手がかりを得た2人は、さらに深く互いを理解し合いながら、次のステップへ進む――。  
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