OLサラリーマン

廣瀬純七

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初体験

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次の日の朝、大輔はいつものように奈々の体で目を覚ました。目覚めた瞬間、なんとなく下腹部に違和感を覚える。  

「…なんだ、これ?」  
布団から抜け出し、トイレに行くと状況が一気に把握できた。  

「うわっ、これって…奈々さん、まさか…」  
混乱しながらも急いで奈々の記憶をたどる。彼女がこの時期になると、よく「生理痛がひどい」と言っていたのを思い出した。  

---

### **準備に戸惑う**  

そのまま放っておくわけにはいかない。大輔は奈々の部屋を物色し、生理用品を探し出した。だが、何をどう使えばいいのかわからず、焦りが募る。  

「たぶん、これだよな…。いや、これじゃないのか?」  
パッケージを眺めながら、奈々の体でなんとか装着に成功したものの、慣れない感覚に戸惑うばかりだった。  

「こんなの、毎月やってるのかよ…奈々さん、すごいな。」  

---

### **職場での試練**  

いつも通り奈々の体で出勤するも、大輔の表情はどこか冴えない。下腹部の鈍い痛みと重だるさが、集中力を奪っていく。  

「三浦さん、大丈夫?」  
同僚の田中が心配そうに声をかけてくる。  
「あ、はい…ちょっと寝不足で。」  
大輔は奈々の体でなんとか笑顔を作ったが、痛みが表情に出てしまう。  

ミーティング中も体を動かすたびに違和感を覚え、気が散ってしまう。さらに、暖房の効いた部屋にいると汗ばむ感覚が増し、落ち着かない。  

「こりゃ地獄だな…。二日目ってこういうことかよ。」  
普段何気なく聞いていた「生理の辛さ」がどれだけ現実的なものか、身をもって理解することになる。  

---

### **奈々の体験談**  

一方、大輔の体で過ごしていた奈々は、何か落ち着かない様子の大輔(の体)に気づいて声をかけた。  

「どうしたの?元気なさそうだけど。」  
大輔(奈々の体)はため息をつきながら言った。  
「奈々さん…今日、生理になった。」  

奈々は思わず苦笑いを浮かべる。  
「そっか…二日目だったのね。それは辛いでしょ。」  
「これ、毎月やってるのかよ…。正直、仕事どころじゃないんだけど。」  

奈々は大輔の体で微笑みながら答えた。  
「まあ、慣れるとある程度は対処できるけどね。でも、こういうときに周りのサポートがあると助かるの。だから大輔さん、普段はもっと気遣ってくれると嬉しいな。」  

大輔は奈々の言葉を聞いて、ようやくその本当の意味に気づいた。これまで彼女がどれだけ大変な思いをしていたのか、全く理解していなかったことを反省する。  

---

### **夜の反省会**  

帰宅後、2人は再びリビングで話し合った。  
「奈々さん、本当に尊敬するよ。こんなの耐えながら仕事するなんて。」  
「ありがとう。でも、これを機に大輔さんにもわかってもらえてよかった。」  

奈々は少し笑いながら続けた。  
「でも、私も大輔さんの体になってから、男の体の大変さも感じてるよ。意外と重いし、力の加減が難しいし。」  

お互いの体で感じた苦労を共有することで、2人の間には新たな理解が生まれつつあった。  

---

### **翌朝の兆し**  

その夜、大輔がベッドに入ると、再び不思議な感覚が訪れた。夢の中で、あの謎のメモに似た声が聞こえてきた。  

> 「答えはお互いの理解。学びを深めることで道が開ける。」  

大輔は夢から覚めたあと、これがただの入れ替わりではないことを確信する。2人の間で続く奇妙な生活は、まだ謎に満ちていた――。  
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