ビキニに恋した男

プロポーズと結婚

男性の体になった彩は治験施設を出た後、正式に戸籍の名前と性別を変更した。女性として生きていた彩は、新しい人生を歩むため「上村拓也」という名前を選び、書類を整えた。  
博美と二人で役所に行き、改名と性別変更の手続きを終えた時、拓也は穏やかな笑みを浮かべて言った。  
「これで、博美との未来をもっとしっかりと作れるね。」

「拓也…名前もすごく似合ってる。でも、中身があの優しい彩だってこと、私は忘れないよ。」  
博美は拓也の手を握り返しながら微笑んだ。

---

拓也は新しい体と新しい名前になり、博美との生活を再び築き始めた。そしてある日、静かな夕食の後に拓也はリングを取り出して、真剣な表情で博美に向き合った。  

「博美、僕はこれからの人生、君と一緒に歩んでいきたい。君を守って、支えていきたい。だから…結婚してください。」  
突然のプロポーズに驚きつつも、博美の目には感動の涙が浮かんだ。

「もちろん、はい！拓也とならどんな未来でも幸せになれる。」  
二人はしっかりと抱きしめ合い、その後、家族や友人たちに祝福されながら結婚式を挙げた。

---

### 博美の妊娠

結婚して数か月後。穏やかな日常の中で、博美は少しずつ体の変化を感じていた。  
「最近、なんだか疲れやすいし、ちょっと気持ち悪いかも…」  

初めは気のせいかと思っていたが、症状が続いたため病院で診察を受けると、医師からこう告げられた。  
「おめでとうございます。妊娠されていますよ。」  

驚きと喜びが一気に押し寄せた博美は、急いで家に帰り、拓也にこのことを伝えた。

---

### 二人の喜び

家に着くなり、博美は拓也に報告した。  
「拓也！聞いて、私たち…赤ちゃんができたの！」  

「本当に！？それって…僕たちの赤ちゃん？」  
拓也は一瞬驚いた表情を見せた後、次第に笑顔が広がっていった。  

「うん、私たちの赤ちゃんだよ。」  
博美が涙を浮かべながらそう言うと、拓也は感極まって博美を抱きしめた。  

「ありがとう、博美。僕たちが本当の家族になれるんだね。」  
二人はしばらくその場で抱き合い、静かな感動を分かち合った。

---

### 新しい未来に向かって

その夜、二人は未来について話し合った。  
「これからは三人家族だね。」  
「うん、でもまだまだ準備が必要だよ。お部屋も赤ちゃん用に整えないとね。」  

「拓也、私たちならきっと素敵な親になれるよ。」  
「もちろんだよ、博美。一緒に頑張ろうね。」  

二人の間には、家族としての絆がさらに深まり、新しい未来への希望が溢れていた。  
これから訪れる新しい命と共に、二人はさらに幸せな日々を築いていくのだった。