俺が咲良で咲良が俺で

廣瀬純七

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健太の初体験

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サッカー部は県大会を控え、一層練習に熱が入っていた。咲良の体に入った健太も、チームの一員としてサポートに励みつつ、自分自身の体でプレーする咲良の成長を陰ながら支えていた。  

しかし、ある日、練習に行こうとした矢先、咲良の体の健太は普段とは違う体調の異変に気づいた。  
「え……なんだこれ……お腹が重いし、痛い……?」  

そして出血した下着をみて、咲良の体に起きた変化の理由を察した。  
「ま、まさか……これが『アレ』ってやつか!?」  

初めての体験に動揺を隠せない健太だったが、学校で何度も生理の話を耳にしていた記憶がかすかに蘇り、冷静を装おうとする。とはいえ、急な変化に体がついていかず、立っているのもやっとだった。  

その日の夕方、サッカー部の練習が始まる前に、咲良(健太)はグラウンドの端に座り込んでいた。その様子を見つけた健太(咲良)が駆け寄る。  

「健太どうしたの?今日も一緒に練習するって言ったよね。」  

咲良(健太)は申し訳なさそうに顔を伏せた。  
「あ、あのさ、悪いんだけど……今日の練習、無理そうだ。ちょっと体調が悪くて……。」  

心配そうに覗き込む健太(咲良)は、咲良(健太)が普段と違う様子であることにすぐ気づいた。  
「本当に大丈夫?」  

しばらくの沈黙の後、咲良(健太)は小さな声で打ち明けた。  
「実は……その……生理になったみたいなんだ……。」  

健太(咲良)はすぐに状況を理解して納得してうなずいた。  
「そっか、それは大変ね……本当に無理しなくていいわよ。練習は私一人でなんとかするから。」  

しかし、咲良(健太)はさらに落ち込んだ表情で続けた。  
「でも、県大会まであと一週間しかないのに……俺のせいで練習に付き合えなくて、本当にごめんな。」  

健太(咲良)は咲良(健太)の肩に手を置き、真剣な目で言った。  
「謝る必要なんてないわよ。逆に私の生理を健太に体験させてしまってごめんなさい、私がここまで成長できたのは健太のおかげだから、大丈夫よ!」  

その言葉に咲良(健太)は少し救われた気持ちになり、微笑みを浮かべた。  
「ありがとう、咲良。お前に励まされるのも悪くないな。」  

その日は生理中の咲良(健太)の体に負担がかからないよう、健太(咲良)は練習を早めに切り上げた。二人はこれまで以上にお互いを理解し合い、信頼を深める一日となったのだった。
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