俺が咲良で咲良が俺で

廣瀬純七

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外国での似たような事件

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夕方の放課後、健太の体に入った咲良は、自室でスマホを見ていた。サッカー部の練習やテスト勉強の合間に、最近は「体が入れ替わる」という自分たちの奇妙な状況について調べるのが密かな趣味になっていた。

「他にもこんなことが起きた人っているのかな……」  
彼女はキーボードを叩きながら、検索エンジンに「体の入れ替わり」「奇妙な現象」「地震」「男女」などのキーワードを次々と入力した。  

しばらくして、とある記事のタイトルが目に留まった。  

**「南米で起きた地震後、男女が体を入れ替えたと主張」**  

咲良は興味津々でその記事をクリックした。画面には、南米のある国で起きた地震の後、現地のニュース番組で報じられたというエピソードが書かれていた。  

> 「地震直後、カリーナさん(女性・24歳)とリカルドさん(男性・25歳)は、それぞれ目を覚ますと自分の体ではなくなっていたと主張しています。カリーナさんはリカルドさんの家で目覚め、逆にリカルドさんはカリーナさんの住むアパートで目覚めたとのことです。」  

記事には続きがあった。  

> 「二人は最初、夢でも見ているのかと思ったそうですが、鏡を見て自分の顔が他人の顔になっていることに気づき、大パニックに陥ったと言います。現地の科学者や医師が検証を試みていますが、未だに原因は特定されていません。」  

咲良は画面に釘付けになりながら読み進めた。  

「地震がきっかけ……やっぱり似たようなことが他の場所でも起きてるんだ。」  
彼女は目を輝かせながら呟いた。この話が本当なら、今自分が経験している現象も単なる偶然ではなく、何らかの法則や原因が存在するのかもしれない。  

さらに読み進めると、カリーナとリカルドが入れ替わった状態でどのように日々を過ごしているかも記されていた。  

> 「現在、二人はお互いの仕事をこなすために協力し合い、リカルドさんはカリーナさんのカフェで接客を覚え、カリーナさんはリカルドさんの工場で働いているそうです。二人は『この状況を受け入れるしかない』と語りつつも、元の体に戻れる日を心待ちにしているとのこと。」  

咲良は画面を閉じ、しばらくの間椅子に座ったまま考え込んだ。  

「もしかして、健太君と私も……あの地震の時に何か特別な力が働いたのかな。でも、あの二人みたいに解決策を見つけるには、もっと調べる必要がありそう。」  

その夜、咲良はこの話を咲良の体に入った健太に伝えるべきかどうか迷ったが、ひとまず自分だけで情報を集めてみようと決めたのだった。世界のどこかで同じ状況にいる人たちがいる――その可能性が、彼女にとって新たな希望の光となった。
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