俺が咲良で咲良が俺で

廣瀬純七

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練習の再開

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日差しが少しずつ強くなり始めた初夏の午後、咲良の体の健太が体育館裏にやって来ると、そこには健太の体の咲良が既にボールを蹴りながら待っていた。

「健太君!待ってたわ!」  
健太の体の咲良が笑顔で手を振る。  

「悪い悪い、お待たせ。三日間くらい大変だったけどやっと体が落ち着いたよ!」  
咲良の体の健太は軽く頭を下げて言った。その言葉に健太の体の咲良は少し頬を赤らめた。  

「本当に大変だったわね。でも元気そうで良かったわ!」  
照れ隠しなのか、健太の体の咲良はボールを軽く蹴り上げた。  

「うん、もう大丈夫。今日は思い切り練習しよう!」  
咲良の体の健太は元気よく答えると、二人はグラウンドの隅で準備運動を始めた。  

---

### 練習再開

「よし、まずはパス練習ね。」  
健太の体の咲良がボールを足元にセットし、距離を取る。  

「オッケー、準備できた!」  
咲良の体の健太は真剣な表情で構えた。  

「それっ!」  
健太の体の咲良がボールを軽く蹴り出す。それを咲良の体の健太が受け止め、すぐに正確なパスを返す。  

「やっぱり健太君は、私の体でもサッカーのセンスは抜群ね!」  
健太の体の咲良は感心したように笑う。  

「見た目は女の子の咲良でも中身は俺だからな!」  
咲良の体の健太も笑顔で答えた。

---

### 新たな目標

その後、二人はシュート練習やドリブル練習を繰り返した。咲良の体の健太が的確な指導をするたびに、健太の体の咲良の動きはどんどん良くなっていった。  

「ほら、もっとボールを押し出す感じで!」  
「うん、分かった!」  

夕焼けに染まるグラウンドで二人の声が響き渡る。練習が終わる頃には、咲良の体の健太の顔には満足そうな笑みが浮かんでいた。  

「ありがと、健太君……いや、咲良ちゃん?」  
「どっちでもいいよ。でも、そろそろお互いの名前で呼び合うの慣れたんじゃないか?」  
咲良の体の健太がからかうように言うと、健太の体の咲良は苦笑いを浮かべた。  

「そうかもね。でも、本当にありがとう。おかげでまた練習が楽しくなってきた!」  

二人は練習の後、少しだけ体育館裏のベンチで休憩しながら、これからのサッカー部での目標について語り合った。  

「県大会まであと少しだな。絶対に勝とう!」  
「うん、頑張ろう!」  

そして二人はまた一緒にボールを追いかける未来を心に描きながら、帰り道を歩き出したのだった。
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