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気まずい朝と謝罪 2
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時間は、少し遡る――
「まあまあなんてことでしょう‼ こんなに目を腫らせて……!」
結局一睡もできずに夜を明かしたわたしは、朝の支度を手伝うためにやって来たメイド頭のドロシアを前に苦笑するしかなかった。
ドロシアはラザフォード公爵家に昔から仕えている四十過ぎの女性である。
バレル王国では、わたしの実家のような新興貴族を「成金」と嘲る貴族がとても多い。
それなのに、ラザフォード公爵であるクリフ様も、クリフ様のご両親も、この屋敷に仕えている使用人たちも、わたしを嘲ることなく、温かく迎えて入れてくれた。
ドロシアも、はじめて会ったときからわたしにとても親切で、あれやこれやと世話を焼いてくれた女性だ。
王家につらなる公爵夫人となった以上、王族の女性としてふさわしい暮らしを送る必要があるので、いずれわたしにも侍女がつくことになる。
しかし嫁いだばかりで慣れないわたしを気遣って、侍女の選定はゆっくりでいいと言われていた。
何故なら侍女は貴族の女性がなるものなので、新興貴族出身のわたしに仕えてくれる女性を探すのはとても骨が折れるからだ。
表面上は親切でも心の中は違うなんてことも多々ある。古参貴族は表情を取り繕うのがうまいから、そんな女性を侍女にすれば、知らないうちにわたしが社交界で恥をかかされるなんて可能性もあるらしい。
それを防ぐため、侍女選びは慎重に、ゆっくりと進めるようにとクリフ様のお母様である前公爵夫人がおっしゃった。
だからそれまでのわたしの身の回りの世話は、クリフ様が生まれた時から知っているメイド頭のドロシアに頼むことになったのだ。
「さあ、こちらで目を冷やしてくださいませ。旦那様はどこに行かれたのですか⁉」
ドロシアはわたしのナイトドレスに乱れがないこと、泣き腫らした目をしていること、そしてベッドをざっと確認したあとできりきりと眉を吊り上げる。
そして、濡らしたタオルで目を冷やしているわたしをぎゅうっと抱きしめると言った。
「今すぐあの唐変木の首根っこを掴んで連れてまいります‼」
「え? あ、待ってドロシア……!」
まさかそう来ると思っていなかったわたしは慌てたが、止める間もなくドロシアは部屋を飛び出していった。
「まあまあなんてことでしょう‼ こんなに目を腫らせて……!」
結局一睡もできずに夜を明かしたわたしは、朝の支度を手伝うためにやって来たメイド頭のドロシアを前に苦笑するしかなかった。
ドロシアはラザフォード公爵家に昔から仕えている四十過ぎの女性である。
バレル王国では、わたしの実家のような新興貴族を「成金」と嘲る貴族がとても多い。
それなのに、ラザフォード公爵であるクリフ様も、クリフ様のご両親も、この屋敷に仕えている使用人たちも、わたしを嘲ることなく、温かく迎えて入れてくれた。
ドロシアも、はじめて会ったときからわたしにとても親切で、あれやこれやと世話を焼いてくれた女性だ。
王家につらなる公爵夫人となった以上、王族の女性としてふさわしい暮らしを送る必要があるので、いずれわたしにも侍女がつくことになる。
しかし嫁いだばかりで慣れないわたしを気遣って、侍女の選定はゆっくりでいいと言われていた。
何故なら侍女は貴族の女性がなるものなので、新興貴族出身のわたしに仕えてくれる女性を探すのはとても骨が折れるからだ。
表面上は親切でも心の中は違うなんてことも多々ある。古参貴族は表情を取り繕うのがうまいから、そんな女性を侍女にすれば、知らないうちにわたしが社交界で恥をかかされるなんて可能性もあるらしい。
それを防ぐため、侍女選びは慎重に、ゆっくりと進めるようにとクリフ様のお母様である前公爵夫人がおっしゃった。
だからそれまでのわたしの身の回りの世話は、クリフ様が生まれた時から知っているメイド頭のドロシアに頼むことになったのだ。
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ドロシアはわたしのナイトドレスに乱れがないこと、泣き腫らした目をしていること、そしてベッドをざっと確認したあとできりきりと眉を吊り上げる。
そして、濡らしたタオルで目を冷やしているわたしをぎゅうっと抱きしめると言った。
「今すぐあの唐変木の首根っこを掴んで連れてまいります‼」
「え? あ、待ってドロシア……!」
まさかそう来ると思っていなかったわたしは慌てたが、止める間もなくドロシアは部屋を飛び出していった。
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