15 / 85
猫になった王妃と冷淡だった夫
知らないリオン 2
しおりを挟む
「まったく、困った子だよ」
あきれたような、しゃがれた声がする。
目を開けると、そこには五十歳ほどの知らない女性がいた。
鼻の上にちょこんと乗る丸眼鏡の奥の瞳は黒。同じ黒色の黒髪はしかつめらしく一つにまとめられていた。
しゅっと顎のとがった三角形の顔に、ほっそりとした体。
(誰かしら?)
そう思うのに、何か既視感を覚える。
それに、知らない部屋だ。
さっきまでリオンの私室にいたはずなのに、今いるのは消毒液の匂いのする、あまり大きくない殺風景な部屋だった。
壁一面は棚で埋められていて、その中には薬品の瓶や薬草やらが並べられている。
「なー」
(どこかしら?)
「新しく作られた侍医の部屋さ。といっても、獣医のだけどね」
(うん?)
何か、違和感がする。
「にゃー」
(わたしがどうして侍医の部屋にいるの?)
「そりゃああんたが意識を失ったからだよ」
(んんん?)
気のせいだろうか。フィリエルの口から出るのは猫語なのに、会話が成立しているような。
じーっと女を見上げて、フィリエルは試しに問うてみた。
「みー」
(あなた誰?)
「ひどいねえ、猫になったら友達のことも忘れるのかい? まあ、今はちょっと姿を変えているけどねえ」
「にゃ!」
(ヴェリア‼)
「正解」
ニッと女――ヴェリアが口端を持ち上げて笑う。
「にゃにゃにゃ!」
(なんで顔が違うの⁉)
「そりゃあ魔女だからね。姿かたちを変えるのなんてどうってことないよ」
「にゃー……」
(せっかく美人だったのに……)
「そりゃどうも。だけどま、城にもぐりこむにはこっちの地味な顔立ちの方がいいだろう?」
「にー」
(まあ確かに、前の顔だと悪目立ちすると思うけど……)
というより、あんな妖艶美女の姿だったら獣医として信用されなかったかもしれない。なんとなく。
「そんなことよりも、戻って来ないと思ったら城にいたなんてねえ。心配になってこうしてもぐりこんでみればこんなに弱ってるし。何してるんだいいったい」
フィリエルの鼻をつん、と指先でつついてヴェリアが息を吐く。
「みゃ! にゃにゃん!」
(そうだった! なんか気持ち悪くなっちゃって! 病気かな?)
「違うよ。すっからかんになってた胃の中に急に食べ物が入って気分が悪くなったんだ。まったく、死ぬ気かい? ま、おかげで面白いもんが見れたけどね」
「み?」
「王様だよ。あんたを抱えて蒼白になって走って来てねえ。ま、おかげで面接すっとばして雇ってくれたけどね」
フィリエルが城にいることには気づいたが、メイドや侍女に変装してもぐりこめたとしても、「リオンの愛猫」であるフィリエルにはなかなか近づけない。
どうしたものかと考えていたところにリオンが獣医を募集していると聞き、ヴェリアはこれ幸いと獣医としてもぐりこむことにしたらしい。
このタイミングで獣医を探しているということは、どう考えてもフィリエルのための獣医だ。それならばフィリエルに会う機会ももちろん巡ってくるはずである。
そして、身分証を偽装し何とか書類審査を突破し、あとは面接をクリアすれば晴れて獣医として雇われる――というところで、面接に来た獣医はいるかとリオンが部屋で面接官が来るのを待っていたヴェリアのところに突撃してきたのだそうだ。
「あんたを治せるって言ったら王様権限で即採用さ」
(そ、それでいいのかしら……陛下……)
不審人物が国王のおひざ元に入り込んでは大変なので、城で雇われている人間は、徹底的に身元を調べられると言っていた。それをパスできても、専用の面接官が国王への忠誠心はあるのか、妙な思想を持っていないかなどを対面面接でしっかりと探り、少しでもおかしいと判断されると不採用になるという。
それなのに、面接をすっとばして国王権限で採用するなんて……。ヴェリアだからよかったものの、もしリオンに悪感情を抱く人間だったらどうするのだろう。
「なんでこんなことになっているのかは知らないけどね、ま、とりあえずこれを飲みな。胃薬と、あと栄養剤だ」
「……みー」
(なんか変なにおいがするけど……)
「薬だからね。我慢してお飲み」
魔女の薬だ。効き目は間違いないだろうが……ものすごくまずそうである。
小皿に入れて差し出された二種類の薬に、フィリエルは鼻をひくひくさせながら、そーっと近づく。
どちらも、鼻がひん曲がりそうな匂いがする。
「何を死にそうな顔をして……、ああ、猫は嗅覚がいいからねえ」
くつくつとヴェリアが喉を鳴らして笑う。
笑いごとでないくらいに嫌な臭いなのだが、これは覚悟を決めるしかないだろう。
フィリエルはぎゅっと目をつむり、ぺろっと小皿の薬を舐めた。
「んみぃ!」
途端に舌を突き刺すような強烈な苦みがフィリエルを襲った。
フィリエルは毛を逆立てて悶絶したけれども、ヴェリアは容赦ない。
「さっさとお飲み。飲んだら話を聞いてやるから」
「んぐぅ……」
フィリエルはぷるぷる震えながら、何とか二つの薬を飲み終える。
そして、ぐでん、と真っ白いベッドの上で横になっていると、ヴェリアが何か甘いものを口の中に入れてくれた。
「蜂蜜が固まったものだよ。それで口直ししておきな」
「にゃー」
(ありがとう)
口をもごもごさせると、苦かった口の中に濃厚な甘みが広がっていく。
「で? 何日も食事を摂らないなんて、いったい何があったんだい?」
ヴェリアがベッドの縁に腰かけて、フィリエルの背中を撫でる。
「……なぁー」
フィリエルは、ぽつりぽつりと、猫になってから今日までのことを話しはじめた。
あきれたような、しゃがれた声がする。
目を開けると、そこには五十歳ほどの知らない女性がいた。
鼻の上にちょこんと乗る丸眼鏡の奥の瞳は黒。同じ黒色の黒髪はしかつめらしく一つにまとめられていた。
しゅっと顎のとがった三角形の顔に、ほっそりとした体。
(誰かしら?)
そう思うのに、何か既視感を覚える。
それに、知らない部屋だ。
さっきまでリオンの私室にいたはずなのに、今いるのは消毒液の匂いのする、あまり大きくない殺風景な部屋だった。
壁一面は棚で埋められていて、その中には薬品の瓶や薬草やらが並べられている。
「なー」
(どこかしら?)
「新しく作られた侍医の部屋さ。といっても、獣医のだけどね」
(うん?)
何か、違和感がする。
「にゃー」
(わたしがどうして侍医の部屋にいるの?)
「そりゃああんたが意識を失ったからだよ」
(んんん?)
気のせいだろうか。フィリエルの口から出るのは猫語なのに、会話が成立しているような。
じーっと女を見上げて、フィリエルは試しに問うてみた。
「みー」
(あなた誰?)
「ひどいねえ、猫になったら友達のことも忘れるのかい? まあ、今はちょっと姿を変えているけどねえ」
「にゃ!」
(ヴェリア‼)
「正解」
ニッと女――ヴェリアが口端を持ち上げて笑う。
「にゃにゃにゃ!」
(なんで顔が違うの⁉)
「そりゃあ魔女だからね。姿かたちを変えるのなんてどうってことないよ」
「にゃー……」
(せっかく美人だったのに……)
「そりゃどうも。だけどま、城にもぐりこむにはこっちの地味な顔立ちの方がいいだろう?」
「にー」
(まあ確かに、前の顔だと悪目立ちすると思うけど……)
というより、あんな妖艶美女の姿だったら獣医として信用されなかったかもしれない。なんとなく。
「そんなことよりも、戻って来ないと思ったら城にいたなんてねえ。心配になってこうしてもぐりこんでみればこんなに弱ってるし。何してるんだいいったい」
フィリエルの鼻をつん、と指先でつついてヴェリアが息を吐く。
「みゃ! にゃにゃん!」
(そうだった! なんか気持ち悪くなっちゃって! 病気かな?)
「違うよ。すっからかんになってた胃の中に急に食べ物が入って気分が悪くなったんだ。まったく、死ぬ気かい? ま、おかげで面白いもんが見れたけどね」
「み?」
「王様だよ。あんたを抱えて蒼白になって走って来てねえ。ま、おかげで面接すっとばして雇ってくれたけどね」
フィリエルが城にいることには気づいたが、メイドや侍女に変装してもぐりこめたとしても、「リオンの愛猫」であるフィリエルにはなかなか近づけない。
どうしたものかと考えていたところにリオンが獣医を募集していると聞き、ヴェリアはこれ幸いと獣医としてもぐりこむことにしたらしい。
このタイミングで獣医を探しているということは、どう考えてもフィリエルのための獣医だ。それならばフィリエルに会う機会ももちろん巡ってくるはずである。
そして、身分証を偽装し何とか書類審査を突破し、あとは面接をクリアすれば晴れて獣医として雇われる――というところで、面接に来た獣医はいるかとリオンが部屋で面接官が来るのを待っていたヴェリアのところに突撃してきたのだそうだ。
「あんたを治せるって言ったら王様権限で即採用さ」
(そ、それでいいのかしら……陛下……)
不審人物が国王のおひざ元に入り込んでは大変なので、城で雇われている人間は、徹底的に身元を調べられると言っていた。それをパスできても、専用の面接官が国王への忠誠心はあるのか、妙な思想を持っていないかなどを対面面接でしっかりと探り、少しでもおかしいと判断されると不採用になるという。
それなのに、面接をすっとばして国王権限で採用するなんて……。ヴェリアだからよかったものの、もしリオンに悪感情を抱く人間だったらどうするのだろう。
「なんでこんなことになっているのかは知らないけどね、ま、とりあえずこれを飲みな。胃薬と、あと栄養剤だ」
「……みー」
(なんか変なにおいがするけど……)
「薬だからね。我慢してお飲み」
魔女の薬だ。効き目は間違いないだろうが……ものすごくまずそうである。
小皿に入れて差し出された二種類の薬に、フィリエルは鼻をひくひくさせながら、そーっと近づく。
どちらも、鼻がひん曲がりそうな匂いがする。
「何を死にそうな顔をして……、ああ、猫は嗅覚がいいからねえ」
くつくつとヴェリアが喉を鳴らして笑う。
笑いごとでないくらいに嫌な臭いなのだが、これは覚悟を決めるしかないだろう。
フィリエルはぎゅっと目をつむり、ぺろっと小皿の薬を舐めた。
「んみぃ!」
途端に舌を突き刺すような強烈な苦みがフィリエルを襲った。
フィリエルは毛を逆立てて悶絶したけれども、ヴェリアは容赦ない。
「さっさとお飲み。飲んだら話を聞いてやるから」
「んぐぅ……」
フィリエルはぷるぷる震えながら、何とか二つの薬を飲み終える。
そして、ぐでん、と真っ白いベッドの上で横になっていると、ヴェリアが何か甘いものを口の中に入れてくれた。
「蜂蜜が固まったものだよ。それで口直ししておきな」
「にゃー」
(ありがとう)
口をもごもごさせると、苦かった口の中に濃厚な甘みが広がっていく。
「で? 何日も食事を摂らないなんて、いったい何があったんだい?」
ヴェリアがベッドの縁に腰かけて、フィリエルの背中を撫でる。
「……なぁー」
フィリエルは、ぽつりぽつりと、猫になってから今日までのことを話しはじめた。
126
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された令嬢ですが、王国は私抜きでは立てなかったようですね』
鷹 綾
恋愛
「愛しているのは彼女だ」
王太子ロネスにそう告げられ、婚約を破棄された侯爵令嬢エルゼリア・クローヴェル。
感情をぶつけることも、復讐を誓うこともなく、
彼女はただ――王宮を去った。
しかしその直後から、王国は静かに崩れ始める。
外交は滞り、判断は遅れ、市場は揺れ、
かつて「問題なく回っていた」はずの政務が、次々と行き詰まっていった。
一方、エルゼリアは帝国で新たな立場を得ていた。
帝国宰相ハインリヒ・ヴォルフの隣で、
彼女は再び“判断する側”として歩み始める。
やがて明らかになるのは、
王国が失ったのは「婚約者」ではなく、
判断を引き継ぐ仕組みそのものだったという事実。
謝罪も、復縁も、感情的なざまあもない。
それでも――
選ばれ、認められ、引き継がれていくのは、誰なのか。
これは、
捨てられた令嬢が声を荒げることなく、
世界のほうが彼女を必要としてしまった物語。
『婚約破棄ありがとうございます。自由を求めて隣国へ行ったら、有能すぎて溺愛されました』
鷹 綾
恋愛
内容紹介
王太子に「可愛げがない」という理不尽な理由で婚約破棄された公爵令嬢エヴァントラ。
涙を流して見せた彼女だったが──
内心では「これで自由よ!」と小さくガッツポーズ。
実は王国の政務の大半を支えていたのは彼女だった。
エヴァントラが去った途端、王宮は大混乱に陥り、元婚約者とその恋人は国中から総スカンに。
そんな彼女を拾ったのは、隣国の宰相補佐アイオン。
彼はエヴァントラの安全と立場を守るため、
**「恋愛感情を持たない白い結婚」**を提案する。
「干渉しない? 恋愛不要? 最高ですわ」
利害一致の契約婚が始まった……はずが、
有能すぎるエヴァントラは隣国で一気に評価され、
気づけば彼女を庇い、支え、惹かれていく男がひとり。
――白い結婚、どこへ?
「君が笑ってくれるなら、それでいい」
不器用な宰相補佐の溺愛が、静かに始まっていた。
一方、王国では元婚約者が転落し、真実が暴かれていく――。
婚約破棄ざまぁから始まる、
天才令嬢の自由と恋と大逆転のラブストーリー!
---
「君を愛することはない」と言われたので、私も愛しません。次いきます。 〜婚約破棄はご褒美です!
放浪人
恋愛
【「愛さない」と言ったのはあなたです。私はもっとハイスペックな次(夫)と幸せになりますので、どうぞお構いなく!】
侯爵令嬢リディアは、建国記念舞踏会の最中に、婚約者である王太子レオンハルトから婚約破棄を宣言される。 「君を愛することはない!」という王太子の言葉は、国中に響く『公的拒絶誓約』となってしまった。
しかし、リディアは泣かなかった。 「承知しました。私も愛しません。次いきます」 彼女は即座に撤退し、その場で慰謝料請求と名誉回復の手続きを開始する。その潔さと有能さに目をつけたのは、国の行政を牛耳る『氷の宰相』アシュ・ヴァレンシュタインだった。
「私の政治的盾になれ。条件は『恋愛感情の禁止』と『嘘がつけない契約』だ」
利害の一致した二人は、愛のない契約結婚を結ぶ。 はずだったのだが――『嘘がつけない契約』のせいで、冷徹なはずの宰相の本音が暴走! 「君を失うのは非合理だ(=大好きだ)」「君は私の光だ(=愛してる)」 隠せない溺愛と、最強の夫婦による論理的で容赦のない『ざまぁ』。
一方、リディアを捨てた王太子は「愛さない誓約」の呪いに苦しみ、自滅していく。 これは、悪役令嬢と呼ばれた女が、嘘のない真実の愛を手に入れ、国中を巻き込んで幸せになるまでの物語。
冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました
鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」
そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。
しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!?
だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。
「彼女を渡すつもりはない」
冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!?
毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし!
さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜――
リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される!
政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー!
「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」
婚約破棄された侯爵令嬢ですが、帝国の次席秘書官になりました ――王の隣ではなく、判断を誤らせない場所へ
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として王宮に仕える侯爵令嬢ゼクレテァ。
彼女は華やかな場に立つことはなく、ただ静かに、しかし確実に政務と外交を支えていた。
――その役割が、突然奪われるまでは。
公の場で告げられた一方的な婚約破棄。
理由はただひとつ、「愛している相手がいるから」。
ゼクレテァは感情を見せることなく、その決定を受け入れる。
だが彼女が王宮を去った後、王国には小さな歪みが生じ始めた。
些細な行き違い、遅れる判断、噛み合わない政策。
それらはやがて、国家全体を揺るがす事態へと発展していく。
一方、行き場を失ったゼクレテァの前に、思いもよらぬ「選択肢」が差し出される。
求められたのは、身分でも立場でもない。
彼女自身の能力だった。
婚約破棄から始まる、
静かで冷静な逆転劇。
王の隣に立つことを拒んだ令嬢は、
やがて「世界を動かす場所」へと歩み出す――。
-
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します
君を愛す気はない?どうぞご自由に!あなたがいない場所へ行きます。
みみぢあん
恋愛
貧乏なタムワース男爵家令嬢のマリエルは、初恋の騎士セイン・ガルフェルト侯爵の部下、ギリス・モリダールと結婚し初夜を迎えようとするが… 夫ギリスの暴言に耐えられず、マリエルは神殿へ逃げこんだ。
マリエルは身分違いで告白をできなくても、セインを愛する自分が、他の男性と結婚するのは間違いだと、自立への道をあゆもうとする。
そんなマリエルをセインは心配し… マリエルは愛するセインの優しさに苦悩する。
※ざまぁ系メインのお話ではありません、ご注意を😓
婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?
すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。
人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。
これでは領民が冬を越せない!!
善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。
『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』
と……。
そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる