27 / 85
猫になった王妃と冷淡だった夫
猫、暗躍す 3
しおりを挟む
ヴェリアは、この世に生まれ落ちた時から魔女だった。
魔女を母に持ち、膨大な魔力を持って生まれたヴェリアは、魔女になる以外の選択肢を持たなかった。
父親はどこの誰かもわからない。
魔女とはそういうものだと、母は言った。
魔女や魔法使いは、特にその数が激減してからというもの、見つかればただ利用され搾取される立場だという。
ゆえに母は、魔女であることを隠していたし、人とあまり関わりたがらなかった。
結婚なんてもってのほかだと言って、子孫を残すためだけに男と関り、ヴェリアを産んだ。
ヴェリアも母に習い、人を避けて生きて、いずれ子孫を残してこの世を去るのだと、小さいころから疑わなかった。
魔女だとばれないように、定期的に住処を転々とし、母が死んでからは、たった一人で人目を避けて生きてきた。
魔女は総じて長生きで、母は二百歳まで生きた。
ヴェリアもおそらくそのくらい生きるだろうが、五十をすぎたくらいから、自分の年齢に興味がなくなっていた。
何故なら魔女はなかなか年を取らないし、ヴェリアほどの魔女であれば、魔法で外見を好きに変えることができる。
年を取る、という感覚が、いまいちよくわからなかったし、一つ年を取ったからと言って騒ぐ世間の女性たちの気持ちも理解できなかった。
一人で生きているのだから外見を気にする必要もなければ、外見を好きに変えられるのだから皺だシミだ白髪だと騒ぐ必要もどこにもない。
楽な人生だ。
同時に――非常に退屈で、何の楽しみもない人生だった。
いくつか住処を転々としていたときに、たまたま城の裏手に打ち捨てられたようにたたずむ廃墟と化した塔を見つけた。
塔の周りに結界を張っておけば、ここにヴェリアが暮らしているなんて、誰も気がつかないだろう。
ちょうど退屈していたので、城の様子でも眺めながら数年ほど暮らそうかと、ヴェリアは廃墟の塔を次の住処に決めた。
塔の周りの森には薬に使える植物がたくさん生えていて都合がよかったというのもある。
塔の周りには滅多に人が来ないし、もし誰かに見つかっても、一人、二人ならば相手の記憶を改ざんしてしまえばいい。
塔で暮らしはじめて一年ほど経ったとき、リオン王太子のもとに、隣国ロマリエから花嫁が嫁いで来た。
そのときはただ、王族の結婚は盛大なものだなと、結婚を祝して華やかに彩られた城の庭を、塔の窓ガラスのはまっていない窓から眺めて思っただけだった。
そしてそれから三年――
あれはある意味、運命だったのではないかとヴェリアは思う。
塔の周りで薬草を摘んでいたとき、誰かがこちらに近づいてくる気配を感じた。
ヴェリアは警戒し、同時に、足音の数を確かめた。
相手は一人。
ならば下手に動くよりは、ここで待ち構えていて、相手の記憶を改ざんした方が都合がいい。
身構えながら待っていると、やがて、派手ではないが品のいいドレスをまとった。二十歳前後の女が現れた。
女はヴェリアを見つけて、ぱちぱちと大きな紫色の瞳をしばたたかせた。
その目は真っ赤に充血していた。
彼女は泣いてはいなかったが、どれだけ泣くのを我慢すれば、ここまで目を充血させることができるのだろうかと思ったのを覚えている。
「どうしたんだい?」
話しかけたのは、ただの気まぐれだった。
ヴェリアの、外見とは似つかわしくないしゃがれた声に、彼女は目を丸くした。
「あの、大丈夫ですか?」
しゃがれた声を、風邪か何かの影響だと思ったらしかった。
ヴェリアの質問には答えず、彼女は心配そうな顔で近づいてきた。
「心配しなくても、この声は前からさ」
答えると、彼女はホッと胸をなでおろして、ヴェリアの側にしゃがみこんだ。
ドレスの裾が汚れるだろうに、気にした素振りはない。
「何をしているんですか?」
不思議な娘だなと思った。
泣きそうな顔しているくせに、顔に微笑みすら浮かべてヴェリアの行動に興味を示す。
そこまで考えて、ヴェリアは「ああ」と合点した。
だから、だ。
彼女は泣くのを我慢したいから、必死に別のことを考えて気を紛らわせようとしているのだ。
そうまでして、自分の感情を押し殺そうとする女に、ヴェリアは興味を抱いた。
自分にとって害のある相手なら女の記憶を消せばいい。
十分、二十分、久しぶりの会話を楽しんだっていいだろう。
そう思ったのは、ヴェリアの人生において、ある意味間違いで、ある意味正解だった。
関わってしまったが最後、ヴェリアはどうしても彼女を――この国の王妃フィリエルを、放っておくことはできなくなってしまったから。
裏手の森とはいえ、城の敷地内にいるヴェリアに対して、フィリエルは何も言わなかった。
王妃であればヴェリアを見咎めてもおかしくないのに、ヴェリアが近くの塔に住んでいると言っても、驚きこそすれ怒りはしなかった。
「あの塔は……その、人が住めるような状態じゃないと思いますけど」
「あたしは魔女だからね」
魔女だと名乗ってしまったのは、うっかりだったと思う。
フィリエルは他人のヴェリアの警戒心を薄れさせる何か特別なものを持っていた。それが何かはわからないが、ヴェリアをまったく警戒していない彼女を前にしていると、ついつい余計なことを言ってしまう。
「魔女! わたし、魔女と知り合いになったのははじめてです」
それはそうだろう。魔女も魔法使いも、人目を避けて生きている。数も少ない。いくら王族とはいえ、そうそうお目にかかる機会はないはずだ。
「あたしも王妃様と会ったのははじめてだよ」
「わたしは滅多に外に出ませんからね」
(そういう意味じゃないんだけどね)
面白い女だなと思った。
相手が魔女だというのに気負った様子もなく、かといって利用してやろうという気配もなく、まるで話をするのが楽しいと言わんばかりの顔をする。
あとから教えられて、フィリエルは城の中でほとんど会話することなく過ごしているのだと知った。
雑談する相手は誰もおらず、息を殺すように生きているのだ、と。
王妃という高貴な立場で、大勢の人間に囲まれてすごしながら、この女も独りぼっちなのだ、と。
わが身が可愛ければ、この日、フィリエルの記憶を消しておくのが正解だっただろう。
けれどヴェリアは、どうしてかフィリエルの記憶の中から自分が消えるのが嫌だった。
時間にして三十分ほどだろうか。
ただ他愛ない話をして別れたフィリエルは、数日後、またふらりとやってきた。
ヴェリアを探しているようだったので姿を現してやると嬉しそうに笑って、また他愛ない話をして去って行く。
それが三度ほど続いたところで、どうしてフィリエルは共も連れず一人でいるのだろうと思った。
王妃ともなればたくさんの護衛がついていてもおかしくない。
なんとなく気になって、魔法をかけたネズミを使って、城の中の様子を探らせた。
そしてフィリエルの置かれている状況を知り、ヴェリアは沸々と怒りを覚えた。
怒っていることに自分自身も驚いたが、きっとこの怒りは、友人をないがしろにされていることへの怒りなのだと気づくのに、それほど時間はかからなかった。
フィリエルはヴェリアの友人なのだと、腹の底が沸騰するような怒りをもって理解した。
魔女と知っても、普通の人間と変わらず接してくれるフィリエル。
優しく可愛らしい彼女を、どうしてこの城の人間はないがしろにするのだろう。
「なあ、あんた。離婚しちまいなよ」
見ていられなくて提案すると、フィリエルは泣きそうな顔で笑った。
それでもリオンが好きなのだと――、そう言った彼女は、なんて不器用な女だろう。
(この国で、フィリエルの心を守れるのはあたしだけだ)
彼女が王妃をやめたいと言い出さない限りは見守ろう。
だが、もしフィリエルが王妃をやめたいと言ったら、どんな方法であろうと彼女の望みをかなえてやろう。
ヴェリアはそう心に誓い、その日が来た。
「ヴェリア、わたし、人間やめたいの!」
予想の斜め上を行く女だと、ヴェリアは苦笑した。
――同時に、そこまでフィリエルを追い詰めた人間を、王を、嫌悪した。
魔女を母に持ち、膨大な魔力を持って生まれたヴェリアは、魔女になる以外の選択肢を持たなかった。
父親はどこの誰かもわからない。
魔女とはそういうものだと、母は言った。
魔女や魔法使いは、特にその数が激減してからというもの、見つかればただ利用され搾取される立場だという。
ゆえに母は、魔女であることを隠していたし、人とあまり関わりたがらなかった。
結婚なんてもってのほかだと言って、子孫を残すためだけに男と関り、ヴェリアを産んだ。
ヴェリアも母に習い、人を避けて生きて、いずれ子孫を残してこの世を去るのだと、小さいころから疑わなかった。
魔女だとばれないように、定期的に住処を転々とし、母が死んでからは、たった一人で人目を避けて生きてきた。
魔女は総じて長生きで、母は二百歳まで生きた。
ヴェリアもおそらくそのくらい生きるだろうが、五十をすぎたくらいから、自分の年齢に興味がなくなっていた。
何故なら魔女はなかなか年を取らないし、ヴェリアほどの魔女であれば、魔法で外見を好きに変えることができる。
年を取る、という感覚が、いまいちよくわからなかったし、一つ年を取ったからと言って騒ぐ世間の女性たちの気持ちも理解できなかった。
一人で生きているのだから外見を気にする必要もなければ、外見を好きに変えられるのだから皺だシミだ白髪だと騒ぐ必要もどこにもない。
楽な人生だ。
同時に――非常に退屈で、何の楽しみもない人生だった。
いくつか住処を転々としていたときに、たまたま城の裏手に打ち捨てられたようにたたずむ廃墟と化した塔を見つけた。
塔の周りに結界を張っておけば、ここにヴェリアが暮らしているなんて、誰も気がつかないだろう。
ちょうど退屈していたので、城の様子でも眺めながら数年ほど暮らそうかと、ヴェリアは廃墟の塔を次の住処に決めた。
塔の周りの森には薬に使える植物がたくさん生えていて都合がよかったというのもある。
塔の周りには滅多に人が来ないし、もし誰かに見つかっても、一人、二人ならば相手の記憶を改ざんしてしまえばいい。
塔で暮らしはじめて一年ほど経ったとき、リオン王太子のもとに、隣国ロマリエから花嫁が嫁いで来た。
そのときはただ、王族の結婚は盛大なものだなと、結婚を祝して華やかに彩られた城の庭を、塔の窓ガラスのはまっていない窓から眺めて思っただけだった。
そしてそれから三年――
あれはある意味、運命だったのではないかとヴェリアは思う。
塔の周りで薬草を摘んでいたとき、誰かがこちらに近づいてくる気配を感じた。
ヴェリアは警戒し、同時に、足音の数を確かめた。
相手は一人。
ならば下手に動くよりは、ここで待ち構えていて、相手の記憶を改ざんした方が都合がいい。
身構えながら待っていると、やがて、派手ではないが品のいいドレスをまとった。二十歳前後の女が現れた。
女はヴェリアを見つけて、ぱちぱちと大きな紫色の瞳をしばたたかせた。
その目は真っ赤に充血していた。
彼女は泣いてはいなかったが、どれだけ泣くのを我慢すれば、ここまで目を充血させることができるのだろうかと思ったのを覚えている。
「どうしたんだい?」
話しかけたのは、ただの気まぐれだった。
ヴェリアの、外見とは似つかわしくないしゃがれた声に、彼女は目を丸くした。
「あの、大丈夫ですか?」
しゃがれた声を、風邪か何かの影響だと思ったらしかった。
ヴェリアの質問には答えず、彼女は心配そうな顔で近づいてきた。
「心配しなくても、この声は前からさ」
答えると、彼女はホッと胸をなでおろして、ヴェリアの側にしゃがみこんだ。
ドレスの裾が汚れるだろうに、気にした素振りはない。
「何をしているんですか?」
不思議な娘だなと思った。
泣きそうな顔しているくせに、顔に微笑みすら浮かべてヴェリアの行動に興味を示す。
そこまで考えて、ヴェリアは「ああ」と合点した。
だから、だ。
彼女は泣くのを我慢したいから、必死に別のことを考えて気を紛らわせようとしているのだ。
そうまでして、自分の感情を押し殺そうとする女に、ヴェリアは興味を抱いた。
自分にとって害のある相手なら女の記憶を消せばいい。
十分、二十分、久しぶりの会話を楽しんだっていいだろう。
そう思ったのは、ヴェリアの人生において、ある意味間違いで、ある意味正解だった。
関わってしまったが最後、ヴェリアはどうしても彼女を――この国の王妃フィリエルを、放っておくことはできなくなってしまったから。
裏手の森とはいえ、城の敷地内にいるヴェリアに対して、フィリエルは何も言わなかった。
王妃であればヴェリアを見咎めてもおかしくないのに、ヴェリアが近くの塔に住んでいると言っても、驚きこそすれ怒りはしなかった。
「あの塔は……その、人が住めるような状態じゃないと思いますけど」
「あたしは魔女だからね」
魔女だと名乗ってしまったのは、うっかりだったと思う。
フィリエルは他人のヴェリアの警戒心を薄れさせる何か特別なものを持っていた。それが何かはわからないが、ヴェリアをまったく警戒していない彼女を前にしていると、ついつい余計なことを言ってしまう。
「魔女! わたし、魔女と知り合いになったのははじめてです」
それはそうだろう。魔女も魔法使いも、人目を避けて生きている。数も少ない。いくら王族とはいえ、そうそうお目にかかる機会はないはずだ。
「あたしも王妃様と会ったのははじめてだよ」
「わたしは滅多に外に出ませんからね」
(そういう意味じゃないんだけどね)
面白い女だなと思った。
相手が魔女だというのに気負った様子もなく、かといって利用してやろうという気配もなく、まるで話をするのが楽しいと言わんばかりの顔をする。
あとから教えられて、フィリエルは城の中でほとんど会話することなく過ごしているのだと知った。
雑談する相手は誰もおらず、息を殺すように生きているのだ、と。
王妃という高貴な立場で、大勢の人間に囲まれてすごしながら、この女も独りぼっちなのだ、と。
わが身が可愛ければ、この日、フィリエルの記憶を消しておくのが正解だっただろう。
けれどヴェリアは、どうしてかフィリエルの記憶の中から自分が消えるのが嫌だった。
時間にして三十分ほどだろうか。
ただ他愛ない話をして別れたフィリエルは、数日後、またふらりとやってきた。
ヴェリアを探しているようだったので姿を現してやると嬉しそうに笑って、また他愛ない話をして去って行く。
それが三度ほど続いたところで、どうしてフィリエルは共も連れず一人でいるのだろうと思った。
王妃ともなればたくさんの護衛がついていてもおかしくない。
なんとなく気になって、魔法をかけたネズミを使って、城の中の様子を探らせた。
そしてフィリエルの置かれている状況を知り、ヴェリアは沸々と怒りを覚えた。
怒っていることに自分自身も驚いたが、きっとこの怒りは、友人をないがしろにされていることへの怒りなのだと気づくのに、それほど時間はかからなかった。
フィリエルはヴェリアの友人なのだと、腹の底が沸騰するような怒りをもって理解した。
魔女と知っても、普通の人間と変わらず接してくれるフィリエル。
優しく可愛らしい彼女を、どうしてこの城の人間はないがしろにするのだろう。
「なあ、あんた。離婚しちまいなよ」
見ていられなくて提案すると、フィリエルは泣きそうな顔で笑った。
それでもリオンが好きなのだと――、そう言った彼女は、なんて不器用な女だろう。
(この国で、フィリエルの心を守れるのはあたしだけだ)
彼女が王妃をやめたいと言い出さない限りは見守ろう。
だが、もしフィリエルが王妃をやめたいと言ったら、どんな方法であろうと彼女の望みをかなえてやろう。
ヴェリアはそう心に誓い、その日が来た。
「ヴェリア、わたし、人間やめたいの!」
予想の斜め上を行く女だと、ヴェリアは苦笑した。
――同時に、そこまでフィリエルを追い詰めた人間を、王を、嫌悪した。
147
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された令嬢ですが、王国は私抜きでは立てなかったようですね』
鷹 綾
恋愛
「愛しているのは彼女だ」
王太子ロネスにそう告げられ、婚約を破棄された侯爵令嬢エルゼリア・クローヴェル。
感情をぶつけることも、復讐を誓うこともなく、
彼女はただ――王宮を去った。
しかしその直後から、王国は静かに崩れ始める。
外交は滞り、判断は遅れ、市場は揺れ、
かつて「問題なく回っていた」はずの政務が、次々と行き詰まっていった。
一方、エルゼリアは帝国で新たな立場を得ていた。
帝国宰相ハインリヒ・ヴォルフの隣で、
彼女は再び“判断する側”として歩み始める。
やがて明らかになるのは、
王国が失ったのは「婚約者」ではなく、
判断を引き継ぐ仕組みそのものだったという事実。
謝罪も、復縁も、感情的なざまあもない。
それでも――
選ばれ、認められ、引き継がれていくのは、誰なのか。
これは、
捨てられた令嬢が声を荒げることなく、
世界のほうが彼女を必要としてしまった物語。
『婚約破棄ありがとうございます。自由を求めて隣国へ行ったら、有能すぎて溺愛されました』
鷹 綾
恋愛
内容紹介
王太子に「可愛げがない」という理不尽な理由で婚約破棄された公爵令嬢エヴァントラ。
涙を流して見せた彼女だったが──
内心では「これで自由よ!」と小さくガッツポーズ。
実は王国の政務の大半を支えていたのは彼女だった。
エヴァントラが去った途端、王宮は大混乱に陥り、元婚約者とその恋人は国中から総スカンに。
そんな彼女を拾ったのは、隣国の宰相補佐アイオン。
彼はエヴァントラの安全と立場を守るため、
**「恋愛感情を持たない白い結婚」**を提案する。
「干渉しない? 恋愛不要? 最高ですわ」
利害一致の契約婚が始まった……はずが、
有能すぎるエヴァントラは隣国で一気に評価され、
気づけば彼女を庇い、支え、惹かれていく男がひとり。
――白い結婚、どこへ?
「君が笑ってくれるなら、それでいい」
不器用な宰相補佐の溺愛が、静かに始まっていた。
一方、王国では元婚約者が転落し、真実が暴かれていく――。
婚約破棄ざまぁから始まる、
天才令嬢の自由と恋と大逆転のラブストーリー!
---
「君を愛することはない」と言われたので、私も愛しません。次いきます。 〜婚約破棄はご褒美です!
放浪人
恋愛
【「愛さない」と言ったのはあなたです。私はもっとハイスペックな次(夫)と幸せになりますので、どうぞお構いなく!】
侯爵令嬢リディアは、建国記念舞踏会の最中に、婚約者である王太子レオンハルトから婚約破棄を宣言される。 「君を愛することはない!」という王太子の言葉は、国中に響く『公的拒絶誓約』となってしまった。
しかし、リディアは泣かなかった。 「承知しました。私も愛しません。次いきます」 彼女は即座に撤退し、その場で慰謝料請求と名誉回復の手続きを開始する。その潔さと有能さに目をつけたのは、国の行政を牛耳る『氷の宰相』アシュ・ヴァレンシュタインだった。
「私の政治的盾になれ。条件は『恋愛感情の禁止』と『嘘がつけない契約』だ」
利害の一致した二人は、愛のない契約結婚を結ぶ。 はずだったのだが――『嘘がつけない契約』のせいで、冷徹なはずの宰相の本音が暴走! 「君を失うのは非合理だ(=大好きだ)」「君は私の光だ(=愛してる)」 隠せない溺愛と、最強の夫婦による論理的で容赦のない『ざまぁ』。
一方、リディアを捨てた王太子は「愛さない誓約」の呪いに苦しみ、自滅していく。 これは、悪役令嬢と呼ばれた女が、嘘のない真実の愛を手に入れ、国中を巻き込んで幸せになるまでの物語。
冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました
鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」
そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。
しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!?
だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。
「彼女を渡すつもりはない」
冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!?
毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし!
さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜――
リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される!
政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー!
「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」
婚約破棄された侯爵令嬢ですが、帝国の次席秘書官になりました ――王の隣ではなく、判断を誤らせない場所へ
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として王宮に仕える侯爵令嬢ゼクレテァ。
彼女は華やかな場に立つことはなく、ただ静かに、しかし確実に政務と外交を支えていた。
――その役割が、突然奪われるまでは。
公の場で告げられた一方的な婚約破棄。
理由はただひとつ、「愛している相手がいるから」。
ゼクレテァは感情を見せることなく、その決定を受け入れる。
だが彼女が王宮を去った後、王国には小さな歪みが生じ始めた。
些細な行き違い、遅れる判断、噛み合わない政策。
それらはやがて、国家全体を揺るがす事態へと発展していく。
一方、行き場を失ったゼクレテァの前に、思いもよらぬ「選択肢」が差し出される。
求められたのは、身分でも立場でもない。
彼女自身の能力だった。
婚約破棄から始まる、
静かで冷静な逆転劇。
王の隣に立つことを拒んだ令嬢は、
やがて「世界を動かす場所」へと歩み出す――。
-
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します
君を愛す気はない?どうぞご自由に!あなたがいない場所へ行きます。
みみぢあん
恋愛
貧乏なタムワース男爵家令嬢のマリエルは、初恋の騎士セイン・ガルフェルト侯爵の部下、ギリス・モリダールと結婚し初夜を迎えようとするが… 夫ギリスの暴言に耐えられず、マリエルは神殿へ逃げこんだ。
マリエルは身分違いで告白をできなくても、セインを愛する自分が、他の男性と結婚するのは間違いだと、自立への道をあゆもうとする。
そんなマリエルをセインは心配し… マリエルは愛するセインの優しさに苦悩する。
※ざまぁ系メインのお話ではありません、ご注意を😓
婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?
すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。
人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。
これでは領民が冬を越せない!!
善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。
『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』
と……。
そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる