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第五章 獣人国の王都へ
#97 獣人国の市場と闘技場
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獣人国に来て、ルコシール様との謁見や歓迎パーティーを終えた次の日。
僕はノアル、アリシャ、セフィと共に城下町を訪れていた。
「おお、活気が凄いね?」
「それに、武装してる人も多いわね?」
アリシャの言う通り、通りには恐らく冒険者と思われる、武装した者達がかなりの数いた。
「……獣人は戦える人も多いし戦いが好きな人も多い」
「そうなんだ」
「……ん。 向こうに闘技場があって、毎日のように闘技イベントが開かれてたりする」
それは本当に凄いな。
ユレーナさんとかにとっては夢のような場所かもしれない。
「そしたら、闘技場も後で覗いてみようか。 とりあえず、市場で色々と見て回ろう」
それから僕達は、まずは近場の市場に足を運んだ。
そこにも当然のように人が沢山おり、通りの左右には様々な商品を売っている露店が沢山並んでいた。
「おお、食べ物がどれも立派だね」
「……獣人国は魔物も多いし食物も良く育つ。 海もあるから魚も獲れる」
「前にも言ってたね。 おっ、これ良いなぁ……」
この世界に来てから肉が中心の食生活だったので、日本人の僕としてはやっぱり魚が恋しくなる。
昨日ホテルのご飯で食べはしたものの、やっぱり魚料理はまだまだ食べたいし、なんなら自分でも色々と作りたい。
なので、ちょうど市場にあった魚屋で新鮮な魚をかなりの量購入した。
その売られているものの中には、前世で見覚えのある魚以外にも、魚の魔物肉なんかが結構あったので、それらもある程度買ってみた。
魚屋の店主曰く、どれもお世辞抜きで美味しいし、割と獲れるから安く出回りもするとのこと。
その他にも、肉や野菜、あと香辛料や調味料なども沢山購入し、一気に収納魔法の中が沢山の食材で満たされていった。
ハゾットに帰ったらパーティーハウスを借りて自炊する予定なので、いずれこの食材達も割とすぐに消費される事だろう。
「いやー、買った買った」
「凄い沢山買いましたね……?」
「どれもモノが良かったからついね。 セフィは何か欲しいものとかあった?」
「うーん、凄い欲しいみたいなものは特になかったんですけど、工芸品とかはちょっと気になりました……」
「確かに結構独特なもの売られてたね」
やはり国が違うと工芸品の形や素材は全然違くて、折角この国に来たし、ノアルとアリシャ、セフィと一緒に今後使いそうなお皿や、ちょっとした置き物みたいなものも記念にいくつか購入した。
ノアル達女性陣からすると、こういった買い物はかなり楽しいようで、あーでもないこーでもないと言いながらその後も露天を回っていく。
「……あ、ショーマ、素材屋あるよ」
「お、本当だね!」
そんな露天の中には、鉱石や他にも面白い性質を持った魔物の素材などが売っている店もあり、そこでも色々と買わせてもらった。
鍛冶師のスキルがレベルアップし、鉱石以外の素材を使っても色々作れるようになったので、普通にこういう店の存在はありがたい。
「よし、市場は一通り見て回ったかな?」
「そうみたいね」
「そしたら、さっき話してた闘技場にも行ってみよっか」
そうして楽しい市場巡りも一段落したという事で、僕達は先程話していた闘技場へと向かった。
「……ん、ここ」
「わぁ…… 立派な建物ですね……!」
セフィがそう感嘆の声を漏らすのも無理はなく、ノアルが案内してくれた闘技場は、石で造られた円形の建造物で、高さも広さもかなりのものだった。
「……いくつかステージがあって、障害物が多いところとか、水の上に足場が浮かんでたりする場所もある」
「へぇ、戦いのフィールドに種類もあるんだ」
闘技場というと、平坦なフィールドがあって、その上で戦うものというイメージが僕の中ではあったが、ここでは地形を把握する力なんかも必要になってくるようだ。
「おーい! まだ参加受け付けてるぞー! 参加者はいないかー!?」
そんな闘技場を僕達が眺めていると、その入口の近くで呼び込みをしている男の人がいた。
「今日の闘技大会、参加者はもういないかー!?」
「誰でも参加できるんだね?」
「……大体はそう」
「セフィ、力自慢なんだし行ってきたら?」
「ええっ……!? いや、僕はいいですよぅ……」
呼び込みの男の人の事を、そんな風に遠巻きに見ていた僕達だったが……
「今日の優勝賞品はオリハルコンだぞー! 武器、防具にうってつけの素材だー!」
「参加します!」
まさかの優勝賞品を聞いた僕は、猛スピードで呼び込みの男の人の元へと駆け寄り、参加表明をした。
「お、勇気あるな兄ちゃん! 参加費で銀貨3枚もらうがいいか?」
「はい、もちろんです!」
なぜ僕が急に参加しようかと思ったかというと、それは優勝賞品であるオリハルコンがあまりにも魅力的な素材だからだ。
実物は見た事ないのだが、オリハルコンは話に聞く限り、ミスリル以上の魔力伝導率と硬度を持った、かなり価値の高い素材らしく、一般的な店での取引はほとんど行われていない。
手に入れるためには、国際連合から認可を得た大商会から買うしかないし、値段も剣一本作るための量だけでも金貨100枚は下らないそうで、本当に手に入り難いのだ。
つまり、そんなオリハルコンが賞品と聞いたら、参加するしかないだろう。
「……ショーマ、参加するの?」
「あ、うん。 ごめんね、勝手に決めて」
「……全然いい。 ただ、ノアルも出る」
「えっ、ノアルも?」
「……1人で参加するより、2人で参加した方が優勝の可能性は高い」
「まぁ、それはそうだね?」
「……アリシャとセフィはどうする?」
「私はいいわ。 近接戦は分が悪いし」
「僕も、あんまり人と真剣勝負するのは……」
という事で、急遽僕とノアルは闘技大会に参加する事になった。
アリシャとセフィは観客席で観戦するそうなので、入口で別れ、僕達は選手控え室に向かう。
その道中に、手渡されたルールが書かれた紙を読んでみると、まず初めに20人ずつのバトルロワイヤルが4ブロック行われ、そこで勝ち残った4人が決勝で戦い、優勝者を決めるというシンプルなルールだった。
あと、ルールの紙を貰った際に、シンプルな造りの腕輪も貰った。
どうやらこれは、魔力を流すと瞬時に場外にワープする事ができる魔道具らしく、リタイアしたい時はこれに魔力を流せば良いとの事。
何だか凄い魔道具のように聞こえるが、腕輪に登録した地点にしか跳べないし、発動可能な距離も100m以内と、かなり制限のある魔道具なようだ。
でも、確かに転移できる魔道具は便利だし、今後転移を応用した魔道具なんかも作ってみたいな。
そんな事を思いながら僕達が選手控え室に入ると、中には武器や防具を手入れしていたり、精神を研ぎ澄ませている選手達が沢山いた。
中には、可愛いノアルを引き連れてやってきた僕への嫉妬のこもった目線もいくつか飛んできたが、割とそういう目線にも慣れてきたのでスルーする。
ノアルもそうだけど、アリシャもセフィも可愛いから、一緒にいると男からの羨望の目線が凄いんだよね……
「……ショーマは3番目のブロック?」
「うん、そうみたい」
「……ノアルは2番目。 戦うのは決勝だね」
「まぁ、そうなるね」
「……ショーマと戦えるの、ちょっと楽しみ。 本気でやってね」
意外とノアルは今回の大会に乗り気なようで、僕にそんな風に言ってきた。
やっぱり、ノアルも獣人だからか、戦う事は普通に好きみたいだな。
ノアルの方からユレーナさんに模擬戦しようって誘ったりすることもあるらしいし。
僕はそこまで戦いに執着は無いけど、かと言って負けるのは嫌だし、今回は賞品もかかってるから、頑張らないとなー。
僕はノアル、アリシャ、セフィと共に城下町を訪れていた。
「おお、活気が凄いね?」
「それに、武装してる人も多いわね?」
アリシャの言う通り、通りには恐らく冒険者と思われる、武装した者達がかなりの数いた。
「……獣人は戦える人も多いし戦いが好きな人も多い」
「そうなんだ」
「……ん。 向こうに闘技場があって、毎日のように闘技イベントが開かれてたりする」
それは本当に凄いな。
ユレーナさんとかにとっては夢のような場所かもしれない。
「そしたら、闘技場も後で覗いてみようか。 とりあえず、市場で色々と見て回ろう」
それから僕達は、まずは近場の市場に足を運んだ。
そこにも当然のように人が沢山おり、通りの左右には様々な商品を売っている露店が沢山並んでいた。
「おお、食べ物がどれも立派だね」
「……獣人国は魔物も多いし食物も良く育つ。 海もあるから魚も獲れる」
「前にも言ってたね。 おっ、これ良いなぁ……」
この世界に来てから肉が中心の食生活だったので、日本人の僕としてはやっぱり魚が恋しくなる。
昨日ホテルのご飯で食べはしたものの、やっぱり魚料理はまだまだ食べたいし、なんなら自分でも色々と作りたい。
なので、ちょうど市場にあった魚屋で新鮮な魚をかなりの量購入した。
その売られているものの中には、前世で見覚えのある魚以外にも、魚の魔物肉なんかが結構あったので、それらもある程度買ってみた。
魚屋の店主曰く、どれもお世辞抜きで美味しいし、割と獲れるから安く出回りもするとのこと。
その他にも、肉や野菜、あと香辛料や調味料なども沢山購入し、一気に収納魔法の中が沢山の食材で満たされていった。
ハゾットに帰ったらパーティーハウスを借りて自炊する予定なので、いずれこの食材達も割とすぐに消費される事だろう。
「いやー、買った買った」
「凄い沢山買いましたね……?」
「どれもモノが良かったからついね。 セフィは何か欲しいものとかあった?」
「うーん、凄い欲しいみたいなものは特になかったんですけど、工芸品とかはちょっと気になりました……」
「確かに結構独特なもの売られてたね」
やはり国が違うと工芸品の形や素材は全然違くて、折角この国に来たし、ノアルとアリシャ、セフィと一緒に今後使いそうなお皿や、ちょっとした置き物みたいなものも記念にいくつか購入した。
ノアル達女性陣からすると、こういった買い物はかなり楽しいようで、あーでもないこーでもないと言いながらその後も露天を回っていく。
「……あ、ショーマ、素材屋あるよ」
「お、本当だね!」
そんな露天の中には、鉱石や他にも面白い性質を持った魔物の素材などが売っている店もあり、そこでも色々と買わせてもらった。
鍛冶師のスキルがレベルアップし、鉱石以外の素材を使っても色々作れるようになったので、普通にこういう店の存在はありがたい。
「よし、市場は一通り見て回ったかな?」
「そうみたいね」
「そしたら、さっき話してた闘技場にも行ってみよっか」
そうして楽しい市場巡りも一段落したという事で、僕達は先程話していた闘技場へと向かった。
「……ん、ここ」
「わぁ…… 立派な建物ですね……!」
セフィがそう感嘆の声を漏らすのも無理はなく、ノアルが案内してくれた闘技場は、石で造られた円形の建造物で、高さも広さもかなりのものだった。
「……いくつかステージがあって、障害物が多いところとか、水の上に足場が浮かんでたりする場所もある」
「へぇ、戦いのフィールドに種類もあるんだ」
闘技場というと、平坦なフィールドがあって、その上で戦うものというイメージが僕の中ではあったが、ここでは地形を把握する力なんかも必要になってくるようだ。
「おーい! まだ参加受け付けてるぞー! 参加者はいないかー!?」
そんな闘技場を僕達が眺めていると、その入口の近くで呼び込みをしている男の人がいた。
「今日の闘技大会、参加者はもういないかー!?」
「誰でも参加できるんだね?」
「……大体はそう」
「セフィ、力自慢なんだし行ってきたら?」
「ええっ……!? いや、僕はいいですよぅ……」
呼び込みの男の人の事を、そんな風に遠巻きに見ていた僕達だったが……
「今日の優勝賞品はオリハルコンだぞー! 武器、防具にうってつけの素材だー!」
「参加します!」
まさかの優勝賞品を聞いた僕は、猛スピードで呼び込みの男の人の元へと駆け寄り、参加表明をした。
「お、勇気あるな兄ちゃん! 参加費で銀貨3枚もらうがいいか?」
「はい、もちろんです!」
なぜ僕が急に参加しようかと思ったかというと、それは優勝賞品であるオリハルコンがあまりにも魅力的な素材だからだ。
実物は見た事ないのだが、オリハルコンは話に聞く限り、ミスリル以上の魔力伝導率と硬度を持った、かなり価値の高い素材らしく、一般的な店での取引はほとんど行われていない。
手に入れるためには、国際連合から認可を得た大商会から買うしかないし、値段も剣一本作るための量だけでも金貨100枚は下らないそうで、本当に手に入り難いのだ。
つまり、そんなオリハルコンが賞品と聞いたら、参加するしかないだろう。
「……ショーマ、参加するの?」
「あ、うん。 ごめんね、勝手に決めて」
「……全然いい。 ただ、ノアルも出る」
「えっ、ノアルも?」
「……1人で参加するより、2人で参加した方が優勝の可能性は高い」
「まぁ、それはそうだね?」
「……アリシャとセフィはどうする?」
「私はいいわ。 近接戦は分が悪いし」
「僕も、あんまり人と真剣勝負するのは……」
という事で、急遽僕とノアルは闘技大会に参加する事になった。
アリシャとセフィは観客席で観戦するそうなので、入口で別れ、僕達は選手控え室に向かう。
その道中に、手渡されたルールが書かれた紙を読んでみると、まず初めに20人ずつのバトルロワイヤルが4ブロック行われ、そこで勝ち残った4人が決勝で戦い、優勝者を決めるというシンプルなルールだった。
あと、ルールの紙を貰った際に、シンプルな造りの腕輪も貰った。
どうやらこれは、魔力を流すと瞬時に場外にワープする事ができる魔道具らしく、リタイアしたい時はこれに魔力を流せば良いとの事。
何だか凄い魔道具のように聞こえるが、腕輪に登録した地点にしか跳べないし、発動可能な距離も100m以内と、かなり制限のある魔道具なようだ。
でも、確かに転移できる魔道具は便利だし、今後転移を応用した魔道具なんかも作ってみたいな。
そんな事を思いながら僕達が選手控え室に入ると、中には武器や防具を手入れしていたり、精神を研ぎ澄ませている選手達が沢山いた。
中には、可愛いノアルを引き連れてやってきた僕への嫉妬のこもった目線もいくつか飛んできたが、割とそういう目線にも慣れてきたのでスルーする。
ノアルもそうだけど、アリシャもセフィも可愛いから、一緒にいると男からの羨望の目線が凄いんだよね……
「……ショーマは3番目のブロック?」
「うん、そうみたい」
「……ノアルは2番目。 戦うのは決勝だね」
「まぁ、そうなるね」
「……ショーマと戦えるの、ちょっと楽しみ。 本気でやってね」
意外とノアルは今回の大会に乗り気なようで、僕にそんな風に言ってきた。
やっぱり、ノアルも獣人だからか、戦う事は普通に好きみたいだな。
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