次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら

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第1話 誰も味方はいない


 煌びやかな音楽が天蓋のように会場を覆い、百枝のシャンデリアが星空めいて震えていた。磨かれた大理石は踊る靴音を吸い、わたしの薄い靴底までも冷たく映してくる。壁際の鏡は誰に対しても公正で、わたしのドレスの縫い目の粗や、袖口のほどけを容赦なくさらけ出した。父の代から傾いた家計では、刺繍の一針一針にさえため息が混じるのだと、胸元に指を添えて呼吸を整えながら思う。今夜、笑われずに帰れたら、それだけで奇跡だと分かっているのに、扉の蝶番が鳴った瞬間から背中に集まる視線は、奇跡の逆側にわたしを押しやろうとしていた。

 ホールの中央を、孔雀のような青のドレスが滑る。振り返る前から分かる、あの足取りの癖と、扇の骨で床を軽く叩く音。セリーヌ・ド・ヴァロワ――王国随一の名門、公爵家の一人娘は、小さく笑っただけで周囲の空気を自分の温度に書き換える。取り巻きの令嬢たちは彼女の笑みに遅れて笑い、先回りしてわたしの行く手に小さな石を置くみたいにさざ波を作る。呼吸を乱すまいと、わたしは柱の陰でグラスの水を舐めるように飲み、喉の渇きと一緒に、今夜の祈りも流し込んだ。

「まぁ、レティシア。ずいぶん可憐なお召し物ね」

 背後から花びらのように降ってくる声に、肩をすくめるより先に会釈が口に出る。
「ご機嫌よう、セリーヌ様」
「裾のビーズ、みたいなのがとっても新鮮。……流行は“未完成”ってことかしら?」
 取り巻きが小鳥のさえずりみたいに笑い、誰かがわざと聞こえるくらいの声で「質素も度が過ぎると芸術ね」と言った。わたしは耳朶が熱を帯びるのを感じながら、人の輪の端に身体を寄せ、目立たない方角を探す。視線を泳がせれば逃げ腰と取られる、正面から見返せば“生意気”を貼られる。立ち位置ひとつで息の仕方が変わるこの場所で、わたしはいつもより背筋を一本多く通した。

「ねぇ、踊らないの?」
 扇の影から覗くセリーヌの瞳は、よく磨かれた黒曜石みたいに冷たく、美しかった。
「お誘いがあれば、喜んで」
「お誘い――そうね。誰か、彼女に声をかけて差し上げて?」
 取り巻きのひとりが唇を噛み、もうひとりが視線を落とす。音楽は軽やかに次の曲へ移り、輪は広がっては戻り、わたしの足元だけが潮の引いた浜のように乾いていく。恥ずかしさは痛みになる前に痺れになり、痺れはやがて感覚を鈍らせ、わたしは微笑の仮面を内側から支えることに専念した。ドレスの縫い目が、頼りない糸で世界を繋ぎ止めているように思えた。

「レティシア嬢」
 呼ばれて、胸の奥が小さく跳ねる。けれど肩越しに見えたのは、見知らぬ青年が差し出す空のグラスで、彼はわざとらしく目を細めた。
「ワインを運ぶの、お上手だって聞いたよ。取り替えてくれる?」
「わたしは給仕ではなくてよ」
「いやだ、冗談だよ。そんな怖い顔をしないで」
 笑いが、今度は輪ではなく波紋のように広がった。セリーヌは扇で口元を隠し、目だけで合図を飛ばす。たぶん、これが今夜の“最初の悪意”に過ぎないことを、わたしは知っている。知っていて、それでも、ここに立つ意味を捨てたくはなかった。

「――レティシア様、こちらに」
 唯一の避難所みたいに、給仕長が小声で呼んでくれる。彼は父の代から我が家に出入りしていた商家の人間で、わたしの肩を庇う立ち方を知っている。テラスに続く扉の側、鉢植えの陰は冷たい夜気が流れ込み、香水の海から一歩だけ退避できた。月の光が布地の薄さを透かし、腕に鳥肌が立つ。わたしは指先で裾を摘まみ、深く、静かに息を吐いた。

「大丈夫。誇りを失わない」
 誰にも聞こえない声で言うと、舌の上の言葉は少しだけ甘くなった気がした。わたしの誇りは、派手な宝石でも、誰かの承認でもない。父が崩した借財の帳面を読み、母と一緒に古いドレスを解いて縫い直した夜の連なり、痛みと笑いの針仕事の手触りが、わたしの背骨の代わりをしている。ここで潰れたら、あの夜の灯が全部、嘘になる。

 ホールへ戻ると、ちょうど曲が変わる合図のファンファーレが鳴った。空気が一瞬、期待の形を取る。扉の向こう側で、王家の紋章が押された杖が床を叩く音がし、司会役の侍従がよく通る声で名を告げる。視線が一方向に向かい、空気が薄くなる。誰かが息を飲む音が伝染し、わたしもつられて浅い呼吸になった。名を告げられたその人は、噂に聞くより背が高く、噂に聞くより若い顔をしていた。

「次期国王、アレクシス殿下――」

 人の波が自然に割れ、光の筋がまっすぐ彼に差し込む。金糸の肩章がきらめき、剣の柄に淡い反射が走った。彼は簡素な礼を取り、誰よりも先に笑った――穏やかに、堅牢な扉を丁寧に開くみたいな笑い方で。わたしの周りの空気が、わずかに緩む。緩んだ隙間から、セリーヌの視線が鋭く入り込んできた。

「ご挨拶に参りましょう、みなさま」
 セリーヌの一言で、青い波がすべて王太子の方へ押し寄せる。彼女が隣に立てば絵画が完成するように、計算された立ち位置と角度だった。群青のドレスは殿下の軍服の金に映え、視線は自然とふたりを“相応しい未来図”として受け取るだろう。わたしは一歩退き、柱の陰に戻ろうとして――肩に、軽い衝撃を受けた。

 グラスが跳ね、濃い赤が空気を薔薇色に染め、次の瞬間には胸元に冷たく広がった。時間が粉になって落ちる音がする。わたしは無意識に両手で布を庇い、浅く息を呑んだ。視界の端で、誰かが手を口に当て、誰かが笑いを堪えるふりをして肩を震わせる。床に転がったグラスの口縁が、月の欠片みたいに光った。

「まぁ! ごめんなさい、レティシア。あなた、赤もお似合いね」
 セリーヌの声は、心底困っている人の声色を完璧に真似ていた。取り巻きが慌てるふりをし、誰かが布を差し出すが、その布はわたしに届く手前で止まる。目が眩むほど恥ずかしいのに、恥ずかしさの向こう側で、なぜか世界がやけに鮮明だった。天井の金箔の剥げた小さな点、壁のレリーフの陰に沈む埃、遠くで奏者が一瞬だけ弓を滑らせた音。

「下がって」
 自分でも驚くほど落ち着いた声が口から出た。わたしは差し出された布を受け取らず、裾を踏まないように一歩、二歩、後ろへ下がる。逃げてはいない。ただ、溺れないように、水から顔を上げているだけ――そう言い聞かせる。笑いの輪の外へ、冷気の近くへ、もう一度、自分の呼吸が届く場所へ。

 そのとき、音楽がふっと薄くなった。誰かがわたしの前に立つ。靴音は規則正しく、急がず、けれど迷いのない歩幅で近づいてきた。周囲の気配が引き、視線が集まり、わたしは濡れた胸元を押さえた手をほんの少しだけ下ろす。顔を上げるのが怖いのに、上がってしまうのは、長い鍛錬の末に身についた礼儀の力か、あるいは――

「お怪我は?」

 低く、驚くほど柔らかな声が落ちた。




 声の主は、他の誰とも違う穏やかな響きを持っていた。わたしは濡れた胸元を押さえたまま顔を上げ、目の前に立つ人物の姿に息を飲む。金糸の肩章と王家の紋章を刺繍した濃紺の軍服――アレクシス殿下が、ほんの数歩の距離に立っていた。まるで最初からこの瞬間のために歩いてきたような自然さで、彼はわたしの目を真っ直ぐに見つめている。

「いえ……大丈夫です。少し、驚いただけで」

 声が震えた。恥ずかしさと恐れと、そして信じられないほどの安堵が混ざって、喉の奥が熱くなる。殿下は視線を胸元に落とし、深く息を吐いた。その瞳に宿るのは、憐れみでも、軽蔑でもない。まるで自分のことのように心を痛めているような、そんな真剣な色だった。

「誰か、布を」

 殿下の一声で、先ほどまでわたしを笑っていた人々が慌てて動き出す。近くの従者が清潔なハンカチを差し出し、彼はそれを自ら受け取ってわたしの手に乗せた。その仕草は驚くほど丁寧で、まるでガラス細工を扱うような慎重さがあった。

「冷えてしまう。少し外の空気を吸いましょう。付き合っていただけますか?」

「……は、はい」

 わたしの返事を待たず、彼は自然に歩き出す。人々が左右に割れて道ができ、その中心をわたしたちは並んで進んだ。さっきまで「笑い者」として閉ざされていた道が、今は「殿下の隣」によって開かれていく。扉を抜け、夜風が頬を撫でた瞬間、肺の奥まで空気が一気に流れ込む。息をするという行為が、こんなにも楽で心地よいものだったとは、今まで知らなかった。

 テラスの外、庭園には白い灯りが点々と並び、夜の花々が香りを放っていた。遠くでは噴水の水音が静かに響き、月光が大理石の手すりを淡く照らしている。わたしは胸元の赤い染みを見下ろし、小さく息を吐いた。

「お見苦しい姿をお見せしてしまいました」

「見苦しい? とんでもない。あなたは……とても勇敢だ」

「勇敢……ですか?」

「誰もが笑う中、顔を上げて立ち続けていた。あの場にいた者の中で、一番誇り高く見えましたよ」

 殿下の言葉は、静かに、しかし確実にわたしの胸に沁み込んでいった。長年、どんなに努力しても“卑しい”と笑われた。どんなに歯を食いしばっても、“場違い”と嘲られた。なのに今、その全てが否定され、ひとつの言葉で塗り替えられていく。

「……ありがとうございます。でも、私は……」

「レティシア・アルバーン嬢、ですね」

 名を呼ばれて、心臓が跳ねた。どうして――と問いかける前に、殿下は微笑みを浮かべた。

「ずっと、あなたに興味があったのです」

「わ、わたしに……?」

「ええ。貴族子女の中で、唯一、噂に踊らされず、自分の考えを持っていると聞きました。今夜、お会いして確信しましたよ。あなたは、私が知りたかった“本物”です」

 本物――その言葉が、胸の奥で柔らかく響く。わたしの中で、何かが静かにほどけていく音がした。長年、押し潰されてきた心の奥底に、ひと筋の光が差し込んだような感覚だった。

「……殿下は、お優しいのですね」

「優しい? いや、違います。私は欲深いのですよ」

 彼はふと表情を和らげ、庭園の花を見つめた。

「王太子としてではなく、一人の男として、私は“真の強さ”に惹かれる。あなたのような方と、もっと話がしてみたいと、そう思ってしまうのです」

 頬が一気に熱を帯び、言葉が出なくなる。王太子殿下――この国で最も遠い存在のはずの人が、今、わたしに興味を持っているという現実。信じられないのに、信じてしまいたいと思っている自分がいる。

「……恐れ多いお言葉です」

「恐れる必要はありません。あなたは、私と対等に言葉を交わせる方だ」

 殿下の瞳は真剣だった。冗談や社交辞令ではない、まっすぐな意志がそこにあった。視線が絡んだまま、時間が止まったような静寂が訪れる。夜風がふたりの間を通り抜け、花の香りを運んでいく。

「もしよければ、次の舞踏会でもお会いできますか?」

 その一言に、胸が強く鳴った。こんな言葉をもらえる日が来るなんて、昨日までは夢にも思わなかった。けれど、夢ではない。今、確かに、わたしの目の前にある現実だ。

「……はい。ぜひ」

 答えた瞬間、彼は心から嬉しそうに微笑んだ。その笑顔を見たとき、胸の奥で何かが小さく灯る音がした。恐れでも、羞恥でもない――それはたぶん、希望と呼ばれるものだった。

 そのとき、テラスの扉の向こうでざわめきが起こった。振り返ると、セリーヌが取り巻きを引き連れて立っていた。彼女の笑顔は絹のように滑らかだが、目の奥は嫉妬の色で滲んでいる。

「まぁ、殿下。こんなところにいらしたのですね。ご一緒しても?」

 声は穏やかだが、その裏に隠された敵意は、わたしにだけははっきりと分かった。彼女の指先が軽く扇を撫でる仕草ひとつで、空気がまた少し変わる。庭園の花の香りが薄れ、風が冷たくなったような錯覚さえ覚える。

 殿下はゆっくりとセリーヌの方へ向き直る。その瞳の奥には、わずかな厳しさが宿っていた。





 殿下は数拍だけ沈黙し、静かに口を開いた。
「セリーヌ嬢。ご一緒するのは構いませんが、今はレティシア嬢と話の途中です。お互いの時間を大切にしましょう」

 一見、柔らかな言葉。けれど、そこにははっきりとした一線が引かれていた。セリーヌの笑顔が一瞬だけ固まり、扇の骨が手の中で軋む音がした。彼女はそれでも貴族の仮面を崩さず、わざとらしい微笑みを浮かべて近づいてくる。

「まあ……お邪魔でしたのね。でも、殿下がどのような方とお話しなさっているのか、興味がありまして」

「その“興味”が失礼にならないうちに、控えるべきでしょう」

 殿下の声は落ち着いていたが、先ほどまでよりもわずかに低かった。音程が半音沈んだだけで、空気が凍りつくのが分かる。周囲の空気が緊張を帯び、取り巻きたちが居心地悪そうに目を逸らした。

「……失礼いたしましたわ」

 セリーヌは微笑んだまま、ほんのわずかに頭を下げた。けれどその瞳には、抑えきれない苛立ちと、理解できないという戸惑いが交錯している。これまで彼女が築き上げてきた社交界の秩序――自分が常に上に立つという絶対の構図が、今、わずかに揺らいでいるのだ。

「レティシア嬢」
 殿下が再びわたしへ視線を向ける。
「あなたは、こうした場で不当な扱いを受けたとき、どうするのが正しいと思いますか?」

 突然の問いに、心臓が跳ねた。けれどその瞳は、ただの会話ではなく、わたしの内面を知ろうとしていると感じた。

「……黙って耐えるだけでは、何も変わりません。でも、怒りをそのままぶつけても、誰も耳を貸してはくれないでしょう。だから……誇りを捨てずに、正しいと思う態度で立ち続ける。それが、わたしの答えです」

 自分でも驚くほど、声はまっすぐだった。恐れも迷いもなかった。長年積み重ねてきた屈辱の日々が、今この瞬間にひとつの言葉として形になる。

「素晴らしい考えです」

 殿下の目が細められ、静かな笑みが浮かぶ。その微笑みには、どこか満足そうな色が混じっていた。

「……殿下は、わたしのような者の言葉など、取るに足らないと思っていらっしゃるでしょう?」

「いいえ。むしろ、その言葉こそが“力”です。地位や血筋ではなく、信念を持つ者こそが、人を導くことができる」

 その言葉が心の奥底にまで届いたとき、目頭がじんわりと熱くなるのを感じた。誰にも認められず、どんなに努力しても“無価値”だと笑われてきたわたしの声が、今、初めて真っすぐ届いたのだ。

「殿下……」

「レティシア嬢、私は――」

 殿下が何かを言いかけたそのとき、テラスの奥から別の声が響いた。王宮付きの侍従が近づき、軽く一礼する。

「殿下、次の挨拶のお時間でございます」

「……そうか。ありがとう」

 殿下はわずかに名残惜しそうに視線を戻し、わたしの瞳を真っ直ぐに捉えた。

「今夜は、あなたと話ができてよかった。次にお会いするときは、もっとゆっくり時間を共にしましょう」

「……はい。わたしも、光栄です」

 深く礼をすると、彼は背を向け、侍従とともにテラスを後にした。その背中はどこまでもまっすぐで、まるで星々へ続く道を歩んでいるかのようだった。

 残されたわたしは、まだ温もりが残る空気を胸いっぱいに吸い込んだ。手の中には、彼が渡してくれた白いハンカチが握られている。濡れたドレスは冷たいのに、胸の奥だけは不思議と温かかった。

「……夢みたい」

 思わずこぼれた呟きが、夜風に溶けて消える。遠くでは音楽が再び盛り上がり、笑い声がホールへと戻っていく。だが、わたしの世界はもう、さっきまでと同じではなかった。

 扉の向こうで、セリーヌがこちらを睨みつけているのが見えた。その瞳には、怒りでも嘲笑でもない、初めて見る“焦り”が宿っていた。自分の思い通りにならない現実を、彼女は受け止めきれていない。

 けれど、それでいい。今のわたしは、もう恐れない。
 心の奥に灯った小さな光が、確かな自信へと姿を変えていくのを感じながら、わたしは濡れたドレスの裾を握りしめた。

 ――あの人の隣に立てるような自分になりたい。

 初めて生まれたその願いが、静かに胸を満たしていく。
 その夜、わたしはほんの少しだけ、過去のわたしを超えた気がした。
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