パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第68話 残党の影

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 谷に平穏が訪れたのも束の間だった。
 報告が相次いだ。「王都軍の残党が村を襲い、食料を奪い、女や子どもまで攫っていった」と。
 戦いに敗れ、降伏を拒んだ者たちが無法者と化し、各地で暴れていたのだ。



「クソ野郎どもが……!」グレンが拳を叩きつけた。
「降伏した連中と違って、あいつらは“秩序”を否定した裏切り者です」セリウスが低く言う。
「このまま放置すれば、民心は乱れ、せっかく築いた国は崩れるでしょう」

「だから叩くんだ」俺は剣を握りしめた。
「追放者ギルドの旗を掲げ、この国に無法は通用しないと示す」



 翌朝。追放者ギルドの仲間たちは谷を出発した。
 リナは荷車いっぱいに食料と薬を積み、笑って言った。
「みんな帰ってきたら、すぐ食べられるようにしておくから!」

 グレンとガンツは大剣と鉄槌を肩に担ぎ、フィオは杖を握り、炎を灯していた。
「燃やしてやる……!」
 ロディとマリアは歌を準備し、エレナとミーナは薬箱を抱えていた。

「全員、段取りを忘れるな!」俺は声を張った。
「目的は戦うことじゃない。民を守り、秩序を示すことだ!」



 その夜。森の奥で残党の集団を発見した。
 焚き火を囲む数十人の兵たちが、奪った食料と酒を前に笑っていた。

「追放者どもが国を治める? 冗談じゃねぇ!」
「俺たちが正しいんだ! 力こそ秩序だ!」

 その言葉に俺は剣を抜いた。
「お前たちが秩序を名乗るなら、俺たちの国の秩序を叩き込む!」



「来やがったか!」
 残党の一人が斧を振り上げた瞬間、グレンが大剣で受け止めた。
「正面は任せろ!」

 ガンツが鉄槌を叩きつけ、敵の盾ごと粉砕する。
「砕けろォ!」



 魔導士の残党が炎を放った。
「燃えろ!」
「甘い!」フィオが杖を振り、炎を打ち消す。
「私の炎は暴発じゃない! 仲間を守る炎だ!」

 敵の魔導士たちが怯え、後退した。



 ロディとマリアの歌声が響く。
「生き残れ! 抗え!」
 その声に仲間たちが奮い立ち、槍を突き上げる。

「うおおおお!」
 残党の兵たちが次々と倒れていく。



 しかし敵も必死だった。
「負け犬の集まりが国を作るだと? 笑わせるな!」
 指揮を執る元将軍が斬り込んできた。

「俺が相手だ!」俺は剣を構え、迎え撃った。
 刃と刃がぶつかり、火花が散る。

「お前たちの秩序は人を捨てる秩序だ!」
「それが何だ! 無駄者を切り捨てるから国は強くなる!」

「違う! 誰も捨てない国だからこそ、本当に強くなれる!」



 剣を振り抜き、元将軍を地に叩き伏せた。
「秩序を乱す者に、この国で生きる場所はない!」

 残党たちは次々と武器を捨て、森の闇に散っていった。



 戦いの後。フィオが杖を抱えて震えていた。
「また……炎を使ってしまった。でも……」
「よかったんだ」俺は肩に手を置いた。
「その炎で仲間が守られた。暴発なんかじゃない」

 リナが涙を浮かべて笑った。
「みんな、生きて帰ってきてくれてよかった……!」



 ――こうして王都残党との初の衝突は終わった。
 だが逃げ延びた者たちはまだ各地に潜み、次の火種となるのは間違いなかった。

「段取りを間違えなければ……必ず抑え込める」俺は呟いた。
「この国を、本物の国にするためにな」
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