学生時代、私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私が実は本物の聖女で、いじめていた女は災厄を呼ぶ魔女でした。

さら

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第3話 静かな力の芽生え

 朝の光は、思っていたよりも優しかった。木製の窓枠の隙間から差し込む淡い光が、部屋の床に細い線を描いている。その光を見つめながら、私はしばらくベッドの上で動けずにいた。目は覚めているのに、身体が現実を受け入れるのを拒んでいるみたいだった。異世界で迎える朝。その事実が、胸の奥でまだ馴染まずにいる。

 ゆっくりと上体を起こすと、昨日感じた胸の温もりは、嘘のように静まっていた。指先も冷たく、いつもの自分の身体だ。少しだけ安心し、同時に、わずかな落胆を覚える。あれは本当に、気のせいだったのだろうか。夢と現実の境界が、まだ曖昧なままだ。

「……起きなきゃ」

 小さく呟き、ベッドから降りる。床板が軽く鳴り、その音がやけに大きく聞こえた。身支度を整え、身分証の札を首から下げる。革袋を腰に結び、深呼吸を一つ。今日は、まず仕事を探さなければならない。何もしなければ、昨日と同じ場所に沈んでいくだけだ。

 宿の一階に降りると、すでに朝の賑わいが始まっていた。簡単な朝食をとる人、荷をまとめる旅人、掃除をする女主人。私は壁際に立ち、様子を窺う。

「おはよう」

 女主人が声をかけてきた。私は驚きつつも、頭を下げる。

「おはようございます」

「今日はどうするんだい」

 その問いに、胸が少し詰まった。どうするか。まだ何も決まっていない。でも、立ち止まるわけにはいかない。

「……仕事を、探そうと思ってます」

 正直に答えると、女主人はふむ、と頷いた。

「城下だけじゃ、仕事は限られてる。辺境の村に行けば、人手は足りてないよ」

 辺境。危険そうな響きに、少しだけ身構える。でも、選り好みできる立場じゃない。

「……行き方、分かりますか」

 女主人は口の端を上げ、壁に掛かった簡易的な地図を指差した。

「東門を出て、道なりに半日。小さな村がある。農作業か、雑用なら口はあるはずだ」

「ありがとうございます」

 私は深く頭を下げた。その言葉に、見返りを求めない親切が含まれていることが、ありがたかった。学生時代には、なかなか出会えなかった種類の優しさだ。

 宿を出ると、朝の街はすでに活気に満ちていた。商人たちが声を張り上げ、パンの香ばしい匂いが漂ってくる。その中を歩きながら、私は東門を目指した。人混みを抜けるたびに、誰かの視線を感じる気がして、肩に力が入る。でも、それは自意識過剰なのかもしれない。ここでは、誰も私を知らない。

 城壁を越え、門を出ると、景色が一変した。石畳は土の道に変わり、遠くにはなだらかな丘と畑が広がっている。風が草を揺らし、その音が耳に心地よかった。私は足を止め、深く息を吸い込む。空気が澄んでいて、胸の奥まで届く感じがする。

 歩き始めてしばらくすると、畑で作業をしている人たちが見えてきた。鍬を振るう手、汗を拭う仕草。その一つ一つが、現実的で、生きている実感に満ちている。私は勇気を出して、近くの年配の男性に声をかけた。

「……すみません」

 声が震えないように、意識して口を開く。

「仕事を、探していて」

 男性は顔を上げ、私を一瞥した。警戒するような視線。でも、敵意はない。

「この辺りの者じゃないな」

「はい。城下から来ました」

 城下、という言葉に、男性の表情が少しだけ柔らぐ。

「人手は、いくらあっても足りん。力仕事でもいいか」

 力仕事。正直、不安はあった。でも、断る理由はない。

「……できます。やらせてください」

 男性は私の手を見て、小さく笑った。

「細い手だ。無理はするな」

 そう言って、簡単な作業を教えてくれた。雑草を抜き、水を運び、収穫した作物を籠に入れる。単純だけれど、身体を動かすと、頭の中の靄が少しずつ晴れていく気がした。

 作業を続けていると、不思議なことに気づいた。私が触れた植物が、ほんのわずかに元気になるような気がする。しおれかけていた葉が、作業の後には少しだけ持ち直している。最初は偶然だと思った。でも、何度も同じことが起こると、無視できなくなる。

「……気のせい、だよね」

 小さく呟き、首を振る。昨日の温もりのこともある。考えすぎだ。私はただ、丁寧に作業をしているだけだ。植物が元気になるのは、ちゃんと世話をしているからだ。

「どうした」

 年配の男性が声をかけてくる。私は慌てて笑顔を作った。

「いえ、なんでも」

 それ以上は、何も言わなかった。言えるはずがない。私自身、確信がないのだから。

 昼近くになると、村の子どもが水筒を持ってやってきた。私は籠を置き、休憩をとる。水を一口飲むと、喉を通る冷たさが心地よかった。その時、子どもがふらりと倒れそうになるのが見えた。

「……大丈夫?」

 反射的に手を伸ばし、子どもの肩を支える。小さな身体は熱を帯びていて、額には汗が滲んでいた。

「ちょっと、気持ち悪い……」

 子どもはそう言って、力なく笑う。私は胸の奥がざわつくのを感じた。考えるより先に、自然と口から言葉がこぼれる。

「……少し、休もう」

 子どもを木陰に座らせ、背中をさする。その瞬間、またあの感覚が戻ってきた。胸の奥が、静かに温かくなる。嫌な感じはしない。むしろ、落ち着く。

 私は息を整え、そのまま、何も考えずに子どもの背中に手を当て続けた。すると、不思議なことに、子どもの呼吸が少しずつ落ち着いていく。

「……楽に、なってきた」

 その言葉に、胸が跳ねた。私は手を離し、子どもの顔を見る。顔色が、さっきよりも良くなっている。

「……よかった」

 それしか言えなかった。周囲の大人たちは、ただ「休めば治ったんだろう」と思っている様子で、特別な反応はなかった。それが、逆に私を混乱させる。

 これは、偶然? それとも……。

 私は自分の手を見つめる。細くて、どこにでもある手。その奥に、昨日から続く、説明のつかない何かが確かに存在している気がした。胸の奥の温もりは、まだ消えていない。

 でも、私は何も言わなかった。言えなかった。あの広間で、「無能」と判断された自分を思い出す。水晶が反応しなかった自分を。

「……静かに、しておこう」

 小さく呟き、再び畑仕事に戻る。もしこれが何かの力だとしても、今はまだ、誰にも知られなくていい。そう思いながら、私は土に触れ続けた。





 午後の陽射しは、午前中よりも少しだけ強くなっていた。畑の土は乾き、足元から立ち上る熱が、じわじわと身体にまとわりつく。私は鍬を持つ手を休め、額の汗を拭った。単調な作業の繰り返しなのに、不思議と嫌な疲れはない。むしろ、身体を動かしている間だけ、頭の中が静かになる。

「さっきの子、大丈夫そうだな」

 年配の男性が、畑の向こうから声をかけてくる。私は顔を上げ、頷いた。

「はい。少し休んだら、元気になりました」

「そうか。子どもは無理しがちだからな」

 それだけ言って、彼は再び作業に戻る。疑う様子も、訝しむ様子もない。その自然さが、私の胸を少しだけ軽くした。もし、あの変化に気づかれていたら、どうなっていただろう。そう考えると、背筋がひやりとする。

 私は再び土に触れた。雑草を抜き、根をほぐし、水を撒く。その一つ一つの動作が、どこか慎重になっている自分に気づく。触れた瞬間、胸の奥が反応しないか。あの温もりが、また湧き上がらないか。意識してしまうほど、感覚は鈍くなるみたいだった。

「……意識しすぎ」

 小さく呟き、息を吐く。私は、ただの労働者だ。聖女でも、特別な存在でもない。そう自分に言い聞かせながら、目の前の作物に集中する。

 しばらくして、別の畑で作業していた女性が、籠を抱えて近づいてきた。日に焼けた顔に、柔らかな笑みを浮かべている。

「城下から来た子だって?」

 突然の問いに、私は少し驚いたが、正直に頷いた。

「はい」

「大変だったろう」

 その一言に、胸がきゅっと縮む。詳しい事情を話したわけじゃない。でも、城から来た、というだけで、何かを察する人もいるのだろう。

「……まあ、色々」

 曖昧に答えると、女性はそれ以上踏み込まなかった。

「ここは人手不足だからね。助かるよ」

 そう言って、私の手元を見る。その視線に、なぜか緊張が走った。

「丁寧だね。土の扱いが」

「……そう、ですか」

「うん。植物が、喜んでるみたいだ」

 その言葉に、心臓が跳ねた。私は思わず、畑の作物に視線を落とす。葉は確かに、朝よりも生き生きとしているように見える。でも、それを指摘されるのは、怖かった。

「たぶん、ちゃんと水をあげてるから、だと思います」

 そう答えると、女性はくすっと笑った。

「そうかもしれないね」

 疑うでもなく、納得するでもなく、その場を離れていく。その後ろ姿を見送りながら、私は胸の奥に残るざわつきを抑え込んだ。今は、何も言わなくていい。誰も気づかないなら、それでいい。

 夕方が近づくにつれ、作業は一段落していった。畑の空気が、昼の熱を少しずつ手放し、風が涼しくなる。私は籠を運び、指定された場所に置いた。身体は疲れているはずなのに、どこか満たされた感覚がある。役に立った、という実感。それだけで、胸の奥が温かくなる。

「今日はここまでだ」

 年配の男性がそう告げる。私は深く頭を下げた。

「ありがとうございました」

「こちらこそ。明日も来るか」

 一瞬、迷った。でも、答えはすぐに出た。

「……はい。来ます」

 男性は満足そうに頷いた。私はその場を離れ、村の小道を歩き始める。夕焼けに染まる空が、ゆっくりと色を変えていく。遠くで、家々から立ち上る煙が見えた。ここには、確かな生活がある。

 歩きながら、私は自分の手を見つめた。今日一日、何度も土や植物に触れ、子どもに触れた。そのたびに、胸の奥で何かが反応した気がする。でも、それは爆発するような力じゃない。主張もしない。ただ、静かに、そこにある。

「……これって」

 言葉にしようとして、やめた。名前をつけてしまったら、逃げられなくなる気がした。聖女、なんて言葉を思い浮かべるだけで、あの広間と、凛香の笑顔が蘇る。私は首を振り、その考えを追い払った。

 村を出て、宿へ戻る道すがら、ふと、道端の花が目に入った。踏まれかけて、茎が折れそうになっている。私は反射的に足を止め、しゃがみ込んだ。

「……大丈夫かな」

 自分でも驚くほど、自然に口から出た言葉だった。私はそっと花に触れ、倒れないように支える。その瞬間、胸の奥が、昨日よりもはっきりと温かくなる。意識せずとも、身体が反応しているのが分かった。

 花の茎は、折れてはいなかった。少し曲がっているだけだ。私は土を寄せ、根元を安定させる。しばらくすると、花は自力で立ち直ったように見えた。

「……よかった」

 小さく息を吐く。周囲に人はいない。誰にも見られていない。その事実に、胸を撫で下ろした。

 私は立ち上がり、再び歩き出す。胸の奥の温もりは、まだ残っている。でも、不安よりも、少しだけ、安心感が勝っていた。この力が何であれ、少なくとも、誰かを傷つけるものじゃない。そう思えたから。

 夕暮れの道を歩きながら、私は静かに決めていた。今は、ただ働いて、暮らして、この世界に馴染む。それでいい。力の正体を暴くのは、もっと後でいい。私は、選ばれなかった人間として、静かに生きる。

 その胸の奥で、温もりが、まるで否定するみたいに、微かに脈打っていた。





 宿に戻る頃には、空はすっかり藍色に沈んでいた。窓という窓から灯りが漏れ、昼間とは違う、静かな賑わいが街を包んでいる。私は宿の扉を押し開け、ほっと息を吐いた。土と汗の匂いが服に染みついているのが分かる。でも、不快ではなかった。今日一日を生きた証みたいで、胸の奥が少しだけ誇らしい。

「おかえり」

 カウンターの奥で帳簿をつけていた女主人が、顔を上げる。私は小さく会釈した。

「ただいま、です」

「畑かい」

「……はい」

「顔つきが、朝よりマシだ」

 その言葉に、思わず口元が緩んだ。自分では分からなかったけれど、そんなに違っていたのだろうか。女主人は深く追及せず、夕食の皿を用意してくれる。私は礼を言い、昨日と同じ机についた。

 パンをちぎり、スープをすくう。噛むたびに、身体が必要としていた栄養が、じんわりと染み渡るのを感じた。昼間の作業で、身体は確かに疲れている。でも、心は妙に落ち着いていた。余計なことを考えず、ただ動いていた時間が、私を救ってくれた気がする。

 食事を終え、部屋に戻る。扉を閉めた瞬間、外の音が遠のき、また一人きりになる。私は椅子に腰を下ろし、今日一日のことを思い返した。畑の土、子どもの体温、花の感触。そのどれもが、胸の奥の温もりと結びついている。

「……やっぱり」

 小さく呟く。偶然にしては、重なりすぎている。私は机の上に両手を置き、静かに目を閉じた。昨日と同じように、呼吸を整える。意識を、胸の奥に向ける。あの温もりを、探すように。

 最初は、何も感じなかった。ただの静寂。でも、焦らずに呼吸を続けていると、微かな感覚が戻ってくる。心臓の少し下、奥の方で、柔らかな灯りがともるような感じ。それは熱というより、ぬくもりだった。

「……これ」

 私はゆっくりと、掌を上に向けた。力を入れようとしない。ただ、そこにあるものを、流すような気持ちで。すると、掌の中心が、ほんのりと温かくなる。目を開けると、何も光っていない。でも、確かに感じる。

 試しに、机の上に置いてあった木のコップに触れてみた。コップは、ただそこにあるだけ。何も起きない。私は少し肩の力を抜いた。

「……やっぱり、万能じゃない」

 それが、逆に安心だった。もし、触れるものすべてに影響が出るなら、怖すぎる。私の中の何かは、意思に反応しているようだった。しかも、私が「助けたい」と思った時だけ。

 ふと、昼間の子どもの顔が思い浮かぶ。苦しそうで、それでも笑おうとしていた顔。あの時、私は迷わなかった。ただ、楽にしてあげたいと思った。それだけだった。

「……だから、か」

 言葉にした瞬間、胸の奥の温もりが、静かに応える。私は息を吐き、両手を下ろした。これが力だとしても、誇示するものじゃない。見せつけるものでもない。ただ、必要なところに、そっと届くもの。

 水晶が反応しなかった理由が、少しだけ分かった気がした。あの場は、選別のための場だった。競い、比べ、測るための場所。私は、そこで何かを示したいと思えなかった。自分がどう見られるか、どう評価されるか。そんな意識で、この力は動かない。

「……聖女、か」

 その言葉を口にすると、胸の奥が、かすかにざわついた。否定とも肯定ともつかない反応。私はすぐに首を振った。

「違う。今は、違う」

 名乗る必要なんて、ない。私は、ただの白石澪だ。城から追い出された、無能扱いされた、一般人。それでいい。少なくとも、今は。

 ベッドに横になり、天井を見上げる。木の梁の影が、灯りに揺れている。その向こうで、王城の塔がそびえているはずだ。あの場所では、凛香が聖女として祀り上げられ、期待を一身に背負っている。

 不思議と、以前ほど胸は痛まなかった。比べる気持ちが、少しだけ薄れている。凛香は凛香。私は私。歩く道が、違うだけだ。

「……明日も、行こう」

 畑へ。土に触れ、人と関わり、静かに生きる。胸の奥の温もりが、また微かに脈打つ。それは、肯定のようにも、励ましのようにも感じられた。

 私は目を閉じる。異世界での生活は、まだ始まったばかりだ。静かな力と共に、誰にも気づかれず、でも確かに、私の中で何かが芽生え始めている。その感覚を胸に抱いたまま、私はゆっくりと眠りに落ちていった。
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