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06話 結婚生活の始まり
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私とライナス様は結婚しました。
侯爵家の跡継ぎの結婚式ですからそれは盛大なものでした。
婚礼の式は、王都の大聖堂で行われました。
私は侯爵家からの支度金で仕立てた豪華な純白のウエディング・ドレスに、繊細な刺繍の施された長いヴェールを着けて式に挑みました。
花婿のライナス様はすらりとした長身で、大変な美貌ですから、礼服を纏った姿はおとぎの国の王子様のように素敵でした。
見た目だけは。
ライナス様は終始、無表情で、淡々と式をこなしていらっしゃいました。
そして。
結婚式を終えて、私はライナス様と一緒に、ライナス様のお屋敷へ行きました。
ライナス様は、クレイトン侯爵から屋敷を与えられて一人暮らしをしていました。
今日からライナス様のお屋敷が、ライナス様の妻となった私の家となります。
ライナス様は一人暮らしをしていた、といっても、当たり前ですが執事をはじめとする使用人たちが大勢いて住み込みで働いています。
「以前にも言ったが、お前に触れるつもりはない。妙な期待をするなよ」
結婚式を終えてライナス様のお屋敷に到着すると。
ライナス様は、今日からこのお屋敷に住む私にそう念を押しました。
「二年間は妻として遇してやる。だが、私の生活の邪魔をするな」
ライナス様はぶっきらぼうに言いました。
結婚したばかりの花嫁に言うセリフでは無いと思うのですが。
私はそれにいちいち傷ついたりなどしません。
ライナス様と仲良くしようという気持ちは、私の中にはもうありませんので。
仕事の話をする感覚です。
私は淡々と答えました。
「ライナス様の妻としての表向きの仕事だけをしろ、ということですね」
「そうだ。公の場には私の妻として一緒に出てもらう。だがそれ以外でお前に関わるつもりはない。必要なとき以外は、私の前に顔を出すな」
「かしこまりました。ではお互いの寝室に鍵をつけるというのはいかがでしょう」
私は、私の身の安全を確保するために提案しました。
「そのほうがライナス様もご安心なのでは?」
私とライナス様のそれぞれの寝室は、夫婦の共通の寝室を間に挟んで、繋がっているのです。
でもライナス様は、私に触れないとおっしゃられたので問題ありませんよね。
「ふん、強がりか? 良いだろう。お前の言うとおり鍵をつけてやろう」
ライナス様は私を見下すようにして笑みを浮かべると、執事に命令しました。
「私の寝室と、こいつの寝室に、鍵を付けろ」
ライナス様の命令に、執事は一瞬だけ「困ったものだ」とでも言いたげにお道化た表情をしましたが、恭しく答えました。
「……かしこまりました」
そして私とライナス様とは、屋敷内で別居して暮らすこととなりました。
侯爵家の跡継ぎの結婚式ですからそれは盛大なものでした。
婚礼の式は、王都の大聖堂で行われました。
私は侯爵家からの支度金で仕立てた豪華な純白のウエディング・ドレスに、繊細な刺繍の施された長いヴェールを着けて式に挑みました。
花婿のライナス様はすらりとした長身で、大変な美貌ですから、礼服を纏った姿はおとぎの国の王子様のように素敵でした。
見た目だけは。
ライナス様は終始、無表情で、淡々と式をこなしていらっしゃいました。
そして。
結婚式を終えて、私はライナス様と一緒に、ライナス様のお屋敷へ行きました。
ライナス様は、クレイトン侯爵から屋敷を与えられて一人暮らしをしていました。
今日からライナス様のお屋敷が、ライナス様の妻となった私の家となります。
ライナス様は一人暮らしをしていた、といっても、当たり前ですが執事をはじめとする使用人たちが大勢いて住み込みで働いています。
「以前にも言ったが、お前に触れるつもりはない。妙な期待をするなよ」
結婚式を終えてライナス様のお屋敷に到着すると。
ライナス様は、今日からこのお屋敷に住む私にそう念を押しました。
「二年間は妻として遇してやる。だが、私の生活の邪魔をするな」
ライナス様はぶっきらぼうに言いました。
結婚したばかりの花嫁に言うセリフでは無いと思うのですが。
私はそれにいちいち傷ついたりなどしません。
ライナス様と仲良くしようという気持ちは、私の中にはもうありませんので。
仕事の話をする感覚です。
私は淡々と答えました。
「ライナス様の妻としての表向きの仕事だけをしろ、ということですね」
「そうだ。公の場には私の妻として一緒に出てもらう。だがそれ以外でお前に関わるつもりはない。必要なとき以外は、私の前に顔を出すな」
「かしこまりました。ではお互いの寝室に鍵をつけるというのはいかがでしょう」
私は、私の身の安全を確保するために提案しました。
「そのほうがライナス様もご安心なのでは?」
私とライナス様のそれぞれの寝室は、夫婦の共通の寝室を間に挟んで、繋がっているのです。
でもライナス様は、私に触れないとおっしゃられたので問題ありませんよね。
「ふん、強がりか? 良いだろう。お前の言うとおり鍵をつけてやろう」
ライナス様は私を見下すようにして笑みを浮かべると、執事に命令しました。
「私の寝室と、こいつの寝室に、鍵を付けろ」
ライナス様の命令に、執事は一瞬だけ「困ったものだ」とでも言いたげにお道化た表情をしましたが、恭しく答えました。
「……かしこまりました」
そして私とライナス様とは、屋敷内で別居して暮らすこととなりました。
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