元婚約者様へ。私は決して復縁はいたしませんよ

 他国で開かれた世界的なピアノコンクールで最高位の賞に輝き、史上最年少で文化勲章を授与された伯爵令嬢ステラス。彼女にはかつて婚約者である侯爵家の嫡男ルーラルトに裏切られ傷つき、専属調律師であるザクターによって救われた過去がありました。
 かつて策略によってステラスに好意を抱かせ、挙句心変わりをして捨てた元婚約者ルーラルト。そんな彼は――

「ステラス・レルアユス。俺が愛すべき人は、やはり貴方でした」

 ステラスが一躍有名人になったと知るや、反省していると嘯き復縁を求め接触を始めたのでした。
 また上手く振る舞えば、あの時のように簡単に騙せてヨリを戻せる。そう確信していたルーラルトでしたが、それは叶いません。
 なぜならば、ステラスを公私で支える専属調律師のザクターにはとある秘密があって――

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