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第9章 勇者RENの冒険
第131話 入場 2
しおりを挟む「次の代表者は、闘いこそ全て! 闘神と呼ばれる男がやってきた! 阿修羅の国代表! ズール!」
そんな物騒な国があるのか。ん? 腕が6本あるぞ?
「さぁ、闘いの国インドーラから参戦してきました阿修羅、ズールが入場してきましたね!」
「えぇ、この阿修羅の国、インドーラは武力こそが全てです。その帝王たる男、ズール。この男が弱いわけがありません」
「因みにローファンさんはインドーラに行ったことはあるんですか?」
「えぇ、ありますよ。もう30000年ほど前になりますが、一度だけですね、インドーラが内戦続きで全滅しそうになったこことがありまして、その時の復興に行ったことがあるんです。しかし、彼らは力のない者には全く従わないんですね。で、派遣された天地たちが決闘することになったのですが、結局その時の天使は皆、半殺しの目にあって逃げて参りました。いやぁ、懐かしい思い出ですが、二度と行きたくないですねぇ」
「そ、それは行きたくないですねぇ……」
「次の代表者はなんと暗黒大陸から! デーモン族代表、イヴリス!」
次に入ってきたのは女の姿をしていた。静かに目をつぶったまま歩いて入ってくる。
その容姿は恐ろしいほどに整っており、絶世の美人であることには間違いない。
だが、悪魔か……。
「さぁ、続いての入場はデーモン族代表、イヴリス! この暗黒大陸も天使には入ることの出来ない悪魔の聖域。果たしてその実力やいかに!」
「はっきり言っておきましょう。今回のゴッズトーナメントのズバリ、優勝候補の一人ですね。そもそも悪魔というのは天使や神の手に負えない存在なんですね。悪魔と戦っているという神もいるにはいますが……、それは完全なデーモンになってしまう前の段階の話なんです。もう、デーモン化してしまった個体というのはもう、アンタッチャブルですよ。見てはいけません、聞いてはいけません、知ってはいけません。そういう存在のトップということですね」
「き、聞くだけでも相当にヤバそうな女が参戦してくれたんですね!」
おいおい、解説の二人ともビビって声が震えてるじゃないか。パッと見た目にはそんなに強くはなさそうだが、要注意ってことだな。
「次の代表者は! 岩山の国、ガンダーウルフからドワーフ族代表、バッジ!
お? ドワーフか……って! やたらズングリしたのがきたな! 樽を背負っているが……その中身は武器で埋まってるじゃないか!
「さぁ、ガンダーウルフからドワーフ代表、バッジが入場してきました! あの樽は……武器ですね! たくさんの武器が中に入っています!」
「バッジほど名の知れた鍛冶師はいないでしょう。なんといっても、現存する聖剣、魔剣の70パーセント位は彼の製作となっております! まさに聖魔剣ビルダーというわけですが、その彼自身もあらゆる武器を使うことに長けております。見て下さいリサさん! あの太い腕を!」
「確かに太いですねぇ! 彼の太ももよりも腕のほうが太く見えます!」
「そうです。彼は聖剣を作るだけではなく扱うことに関しても超一流なんです! そして、あの樽に入った武器が全てレジェンド級の武器であることは間違いありません!」
「……ゴクッ……、これは凄そうな男が来ましたね!」
「次の代表者! アヤカシの国代表、グレン!」
ん? 何だ? コイツ……。今までで一番魔力の量が少ない気がするな……。なんだってこんなのが代表なんだ?
「んー、アヤカシの国代表、グレンの入場ですね。えー、東国の並みいる妖怪達を破り、代表を獲得した猛者との情報が入ってきております。ローファンさんはどう思われますか?」
「えぇ、ぱっと見では、魔力も持っているように見えないのですが、あの刀がですね。まぁよく切れる、という話を聞いております。なんでも、現実の物体から実態を持たない霊体までなんでも切る事に関しては随一の力量とのことでした。東国の神もその実力は認めている所ですが、果たして、このトーナメントでどこまで通用するのか? 楽しみですね!」
「東国というのはローファンさんは行ったことがあるそうですが、いかがでしたか?」
「えぇ、昔の戦国時代と言われていた時ですね。今からもう3000年位まえでしょうか。東国は独特の文化があり、教養も高く、勤勉な人が多かったのを覚えています。中でも武術もかなり発達しており、気を使った独特の技法が存在しています。グレン氏もこの気を遣った武術を体得しているのではないでしょうか? 楽しみです!」
「それは楽しみですね! どんな闘いを見せてくれるのか! 期待しましょう!」
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