異世界に飛ばされた人見知りの僕は、影が薄かったから趣味に走る事にしました!

まったりー

文字の大きさ
19 / 29
1章 占い異世界生活

19話 食材以外の作物

しおりを挟む
「お呼びですかお父様」


わたくしは、いよいよの場所に呼ばれ、さすがに緊張しましたの。
部屋の奥にいるのは、わたくしのお父様で、この国の国王ですのよ。
仕事机の先で書き物をしてるお父様は、良く来たと言いつつもこちらを見ませんわ。


「やっぱり、まだダメですのね」


持ち歩きの出来る畑の発表は、とても好評でここに呼ばれたのですが、まだ足りないと感じましたの。
マサヨシが更なる秘策を用意してなければ、きっと他国に行くことは変わらなかったですのね。


「リルト、良くやってくれたな」
「ありがとうございますお父様・・・ですが、わたくしの研究にはまだ先がありますの」
「ほう、あれほどの事をして更に上があるのか」
「はい、つきましては、それを進める為の場所を頂きたいですの」


領地はどこでも良いわけではなく、ダンジョンのある場所が好ましいと伝えましたの。
お父様は、良い場所があると言ってペンを置き、この場でわたくしに統治を命じてくれて、嬉しくて飛び上がりそうになりましたわ。


「ありがとうございますお父様」
「うむ、婚約者が決まるまでにこれほどの事をしてくれるとは、リルトには期待してるぞ」
「お父様、その事ですけれど・・・婚約者は自分で見つけたく思いますの」
「なっ!?」


書類を書くペンを落とすほどに、わたくしからの言葉は衝撃的だったようですの。
でも、わたくしは本気で、お父様もそれは直ぐに理解しましたわ。


「何を言ってるのか分かっているのか?」
「当然ですわお父様、それに政略結婚に相応しい人は見つけていますの」
「ほう、それは初耳だ」


誰にも言ってないから当然で、フーラにも口止めをしていますの。
それは、ある場所の王族と伝えましたのよ。


「ほう、何処の国かな?」
「それはまだ言えませんわお父様、兎に角この研究は彼との共同研究なのですわ」
「お前は屋敷から出てないはずだが、一体どうやって知り合ったんだ?」
「それも言えませんわお父様、彼との研究成果を楽しみにしててくださいまし」


淑女の礼をして、わたくしは部屋を退出しましたの。
これで、マサヨシとの共同研究に出来て、更にはダンジョン都市にも行くことが出来ます。


「あとは、向こうに行ってからですけど、もう成功は揺るぎませんの」
「姫様、顔が緩んでいますよ」


部屋の外で待っていたフーラが注意してきましたけど、喜ばずにはいられませんのよ。
屋敷から出る事もそうですが、解放された気分ですの。


「気持ちは分かりますけど、あれを外に出すのは注意が必要ですよ」
「分かっていますわフーラ、さすがのわたくしも、植物以外の品を育てる事が出来るとは思いませんでしたの」
「それはそうです、あれは生産職の仕事を奪うとてつもない事です」


マサヨシしか作れない事ですけれど、一度植木鉢とプランターに葉が育てば、花の先からミスリルの剣が伸びて行くのです。
市場が混乱するのは、誰でも想像が出来てしまいますので、ダンジョン都市などの戦いの絶えない場所で売り出すのです。


「丁度良い事に、領主のダメ息子が不作に追いやった場所を任されましたし、やりたい放題してやりますの」
「顔が怖いですよ姫様」
「フーラ、不敬ですわよ」
「マサヨシ様のマネをしただけです」


フーラも、随分とわたくしに慣れたモノで、ちょっと嬉しく思いましたの。
マサヨシの事も話せる仲と言うのもありますが、あそこに行けるようになってからのわたくしは、ほんとに生まれ変わったみたいですのね。


「でも、敵も増えましたよね姫様」
「ええ、お兄様たちの視線が痛いですの」
「王位を争う事はそう言う事ですからね」


そうなのですけど、毒殺は勘弁してほしいと、食事の席の出来事を思い返しましたの。
マサヨシのおかげで、わたくしは口にしなかったのですけど、それを仕掛けて来たと予想される、お兄様の1人が倒れたのは困りましたの。


「意趣返しと幸運のペンダント、効果は国宝以上ですのよ」
「ですね、アタシも貰いましたけど、怖いです」
「助かってるのだから良いじゃありませんの」


この分だと、お兄様たちが倒れて国が傾きそうですけど、そうならない為にも、わたくしはダンジョン都市に引き籠るのです。
そして、国を支える事が出来る程の成果が出た後は、お兄様たちなんてポイッと捨ててやりますのよ。


「姫様、また怖い顔になってますよ」
「争う事しか考えないからですのよ、マサヨシの様に出来れば良いだけですの」
「彼の様には無理ですよ、誰もが欲を持ってて、だからこそ隣の国とは争っているじゃないですか」


隣の国は、急に大人しくなりましたけど、その内また仕掛けて来るでしょうから、その為にもわたくしの研究は必要ですの。
それが分かったから、お父様も反論しなかったわけですけど、政略結婚相手はその戦争相手でもありましたの。


「無くなりそうで良かったですわ」
「そうですね、野蛮すぎますから嫌ですよね」
「そうですのよ、痛い思いはしたくありませんの」


虐待を受けるのは決まってる気がしてて、どうしてもわたくしは行きたくありませんでしたの。
噂では、勇者が召喚されたという事でしたが、どうなるか分かりません。


「乱暴な勇者を鍛えてるんでしょうね」
「きっとそうですのよフーラ」
「そう考えると、そろそろ動きがあるわけですか?」
「そうですのよフーラ、だからわたくしは急ぎましたの」


相手が動く前に、お父様は政略結婚の話を向こうに送ろうとしていましたから、そうはいかないとわたくしも動いたわけですの。
マサヨシがいなかったら、ゾッとしする未来しかありませんでしたわね。


「姫様は、ほんとに彼の事が好きなんですね」
「最初はそうでもなかったですのよ・・・だけれど、一緒に過ごす内に惹かれてしまい、いつの間にかですのね」
「そうでしたか、叶うと良いですね」
「叶うかではなく、叶えるのですわよフーラ」


最悪でもニャチたちがいても良いですの、だからわたくしもその中に入れてもらうのです。
勿論、わたくしが一番に思ってもらうのですが、マサヨシほどの男性なら、慕う女性が多くても当然気になりませんの。


「ニャチたちも、一緒に過ごして温厚でしたね」
「そうですのね、あれならマサヨシが好むのも分かりますの」
「姫様はトゲトゲしてますからね」
「フーラ、それが良いのですのよ」


甘いだけでは飽きられますの、だからわたくしはこのままでいくと決めていますの。
マサヨシも、きっとその方が気楽でしょうし、ちょっと不敬なのが楽しいのです。


「姫様が良いなら構いませんが、それではニャチたちには勝てない気がします」
「ムっ!どういう意味ですのフーラ」
「姫様、あっちは彼とほとんど毎日一緒なんですよ、たまに来る姫様がツンツンしてたら、アタシなら嫌です」


マサヨシは違うと言いたかったけれど、フーラの本気が伝わって来て、ちょっと心配になりましたの。
でも、その対策として考えはありますのよ。


「帰る時に優しくですか?」
「そうですのよ、そのギャップにマサヨシはメロメロですの」
「そうでしょうか?」


フーラが不満そうですけれど、わたくしにはそれしかないですし、きっと上手く行きますの。
そうと決まれば、早速彼の元に報告に向かい、帰る時は試しに甘えて見ると、マサヨシはちょっとテレていましたわ。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます

無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

大自然の魔法師アシュト、廃れた領地でスローライフ

さとう
ファンタジー
書籍1~8巻好評発売中!  コミカライズ連載中! コミックス1~3巻発売決定! ビッグバロッグ王国・大貴族エストレイヤ家次男の少年アシュト。 魔法適正『植物』という微妙でハズレな魔法属性で将軍一家に相応しくないとされ、両親から見放されてしまう。 そして、優秀な将軍の兄、将来を期待された魔法師の妹と比較され、将来を誓い合った幼馴染は兄の婚約者になってしまい……アシュトはもう家にいることができず、十八歳で未開の大地オーベルシュタインの領主になる。 一人、森で暮らそうとするアシュトの元に、希少な種族たちが次々と集まり、やがて大きな村となり……ハズレ属性と思われた『植物』魔法は、未開の地での生活には欠かせない魔法だった! これは、植物魔法師アシュトが、未開の地オーベルシュタインで仲間たちと共に過ごすスローライフ物語。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

処理中です...